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2009年08月25日
文責:岡本充智(パワー・インタラクティブ 代表取締役)
先日、家の蔵書の整理をしていると、私がコンサルティング会社への転職を踏み切らせるきっかけとなった懐かしい本が出てきました。
何が、日産自動車を変えたのか。―大組織活性化を生んだ意識革命とは
この本を読んだ当時、私が在籍していたアシックスは、業績の悪化による人員整理の嵐が吹く少し前でした。
私は、スポーツシューズのオニツカタイガー、ネット・用具のジィティオー、スポーツウェアのジェレンクの三社合併会社であるアシックスの新卒採用一期生25名の一人として入社して、ちょうど12年目の夏を向かえ33歳になっていました。
一期生の絆は強く、毎年、同期会を開催し、会社へのいろいろな提案も直属上司や管理本部などに対して行っていました。
しかし、業績悪化それに伴う士気の低下は、様々な部署に散見され、なんとかしなきゃ、という気持ちだけがつのってました。
そんなときに、この本に出会い、コンサルティング会社の存在をはじめて知り、アシックスを立て直すためにコンサルティング会社に転職しようと思い立ったのです。なんか矛盾しているようですが、そのときの私の中では、これしかない!という気持ちでした。
結局は、コンサルティングの世界が面白くなり、アシックスに戻ることなく、今に至っています。
今から、21年前の話です。
ところで、著者は、柴田昌治さんという方です。
数年前に、『なぜ会社は変われないのか』というビジネス書のベストセラーを出され、今では、文庫本やマンガにもなっていますから、ご存知の方もあるかも知れません。
柴田さんとは、東京や大阪で数回お会いして、いい話を聞かせていただいてます。
柴田さんは、学生起業家でもあり、含蓄のある話にはいつも刺激を受けています。
柴田さんは、何かにつけて、事務局機能が大切だということをおっしゃいます。
パワー・インタラクティブの業務に置き換えれば、
セミナーが上手く行くかどうかは、事務局次第。
プロジェクトが成功するかどうかは、事務局次第。
会社が活性化するかどうかは、事務局機能を持つ部門や担当者次第。
ということです。
パワー・インタラクティブも一人一人が事務局の役割を果たしながら、密度の濃いプロジェクトをやり遂げて行きたいと思います。
2008年08月22日
文責:岡本充智(代表取締役)
上海で、和民の前を通ったとき、同行していただいていた上海の方が、和民はここでは高級レストランですよ、とのこと。
なんでも、地元の中堅富裕層が、利用しているらしい。
そういえば、ユニクロも、上海では、店作りも日本とは異なり、高級ファッションの演出をしていたし、実際に価格は高い。
上海の和民の看板
上海のユニクロ店舗それを裏付けるように、和食チェーン各社のアジアマーケット開拓が急速に進んでいる。
8月16日付の日本経済新聞によると、
・吉野家は、1991年に香港に進出して、中国・台湾などに240店。
3年以内に380店体制にするという。
・和民は、2001年に香港に進出して、中国・台湾に25店。
シンガポールに出店を検討している。
・大戸屋は、2005年にタイに進出。台湾など24店。
来春にシンガポールに進出計画あり。
・サトは、この7月に上海に直営店をオープン。
上海市内で運営ノウハウを蓄積して、多店舗展開するという。
・家族亭は、年内にシンガポール進出する。
来年以降は中国・韓国・タイに進出を計画し、5年後に200店体制にする計画。
というように、和食チェーン各社はアジア進出ラッシュの様相を呈している。
アジア各国での生活水準の向上や健康志向の高まりの中で、富裕層を中心に、日本食への潜在需要が高いと見込んでの展開である。
昔、習ったアンゾフの製品と市場の成長マトリックスに従うと、和食チェーンシステムという既存のビジネスモデルで、国内市場から海外、特にアジア市場という新規市場に展開していく市場開拓モデルになる。
既存商品(例えば居酒屋)を新規市場に展開するというと、ターゲット層を新たに開拓するというようなマーケティング手法を検討するが、アジアというエリア拡大が成長モデルの源泉になる。
製造業や商社のグローバリゼーションというのは、今までにも事例は多いが、地域密着型の飲食店、それも和食のグローバル展開というのは、日本の海外進出の新たな時代の到来のような気がする。
和食チェーンで言えば、成熟した国内市場と、潜在需要の大きいアジア市場。
アジア進出が、成長モデルになるかどうか、前出した和食チェーン各社の、国内市場とアジア市場の売上・利益の構成比をウォッチしていきたい。
2008年07月30日
文責:岡本充智(代表取締役)
上海には、一日の来客数でギネスブックに載った百貨店がある。
「上海第一八百伴Nextage Shanghai新世紀商場」だ。
1995年12月の開店初日に、来店客107万人を記録した。
一日の来店客数としては、今ももってギネス記録である。
ところで、107万人という数字は、どの程度の多さなのかピンと来ない。
和歌山県の人口が103万人なので、和歌山県の人たちが、老若男女すべてまるごと一日に来店したことになる。
60万人の鳥取県にいたっては、全県人口の1.5倍以上にもなる。
都道府県の人口は、どの程度のボリュームがあるのかを感覚的に見るときに、参考となるモノサシなので、押えておきたい。
都道府県の人口一覧
八百伴は、パーパイパンと、称される。
ところで、この八百伴、てっきり1997年に約1600億円の負債を抱えて倒産した日本のヤオハンの資本が入っていると思いきや、現在は、すべて現地中国資本で所有・運営されている。
聞くところによると、中国をはじめとするアジア系の人たちの間では、まだまだ、ヤオハンのブランド力が根強いとのこと。
とは言っても、資本移動があった段階で、店名変更を行わずに、そのまま運営しているところに、中国の経営者の強さを感じる。
上海には、この上海第一八百伴をはじめとして、多くの百貨店が進出している。
ここ数年、台湾系、マレーシア系、香港系が進出しており、ますます競争は激化していく。
上海の大型小売店の出店ラッシュは今後も続くであろうし、このような限られたエリアで、急速に小売流通が発展していくケーススタディはそうそう見れるものではない。
フロアレイアウト、商品ラインの構成、価格体系の位置づけ、テナントの選ばれ方、サービス対応の向上度合い、集客の方法、固定客維持のやり方など、現地情報も加えながら、定点観測をしていきたいものである。
上海はますます熱くなる!
2008年05月27日
文責:岡本充智(代表取締役)
北京五輪に向けて、水際の攻防がいよいよ大詰めを迎えてきた。
水泳ニッポンを支える選手たちが、もっともタイムが早く出るという水着を着用することが出来ない。話題になっているのは、英国スピード社が2月に発表した最新競泳水着「レーザーレーサー」だ。この水着は、いままでの水着とは基本構造が全く異なっており、身体を強く締め付け、身体の体積を減らすことで水の抵抗を減少させ、継ぎ目がない素材を使用しているため水をほとんど吸収しない構造になっている。
今年に入り、個人種目で出た長水路(50m)の世界新記録18個のうち、17個がスピード社の水着だ。日本代表合宿でも、試着したところ、軒並みタイムがアップしたという。
コンマ一秒の世界で闘う選手たちにとっては、何が何でも着用して、大会に臨みたいのも当然だろう。
しかし、問題がある。
日本水連はアシックス、ミズノ、デサントの国内三社とオフィシャルサプライヤー契約している。オフィシャルサプライヤー契約は、スポンサー企業が商品・サービスなど様々な支援を行う代わりに、指定された大会での商品の着用・使用を義務付けるものである。
オフィシャルサプライヤー契約は、2017年3月まであり、三社以外の水着を着用すれば、多額の違約金が発生するという。
この話題を追いかけていて、ゲーム理論の「囚人のジレンマ」を思い出した。
囚人のジレンマ
囚人のジレンマは、二人の囚人に黙秘と自白の選択を迫り、一方がもう一人を裏切れば刑が軽減される。双方、裏切りをせず黙秘を続ければ、お互いに刑は受けるが全体としては最適な結果になる。しかし、結末はお互いに裏切りあって、重い刑を受けることになってしまうという。
個々の最適な選択は、全体として最適な選択にならないということを考えさせてくれるゲーム理論の中でも代表例である。
水連は5月末までに、サプライヤー契約三社に対して、スピード社を上回る改良版の提出を指示した。しかし、現実的には、アテネ五輪終了直後から開発を進めている開発陣にとっては、もはや無理難題と言えよう。
私も、10年余りオリンピック種目の競技ウェア開発を担当してきたこともあり、各社の開発陣にとっては、なんとも、改良期間が短すぎて耐え難いものであろうと心中察する。
朗報もある。先日、トライアスロンやオープンウォーター(遠泳)分野では、有名で素材開発力には定評のある山本化学工業が、表面に水の分子を吸い付けたラバー加工を施した究極の素材開発をしており、その素材供給を各社は全面的に受けるようだ。
山本化学工業株式会社
ただ、競技ウェアは、素材とパターンと縫製が噛み合って最良のモノが出来、さらに、競技者が試着テストを繰り返して、本番に臨むことで、記録に反映されるものである。そのためには余りにも時間が短すぎる。
最終的には、6月10日の常務理事会で、スピード社の水着着用の容認の可否について、結論が出るようだ。
さて、囚人のジレンマのケースに当てはめれば、日本水連とオフィシャルサプライヤー各社が、それぞれ、契約履行を優先するか、スピード社水着の着用を容認するかが、問題になろう。
今回のケースは、ここまで、多くの人たちの注目の的になっている以上、契約建前か敢えて容認かの判断が、各社の企業イメージにどう影響するかというところが、経営判断になる。
40年来、スピード社とブランド提携をしてきたミズノにとっては、提携解消をした矢先の出来事だけに、今回の問題は痛恨の極みであろう。しかし、先日、水野社長が、ミズノと個人契約している金メダル候補の北島康介選手のスピード社水着着用について、「ミズノの水着を着用してほしいが、最終的には彼の判断だと思う」として、意向を尊重する発言をしていた。
ほぼ、水際攻防の情勢は見えてきたものの、それぞれのエゴを外して、最終判断をしてほしいところである。
6月6~8日に東京で開催されるジャパンオープンで、各社の新開発水着が試されるようだ。いよいよ、大詰めになってきた。
2008年03月10日
文責:岡本充智(代表取締役)
任天堂のニンテンドーDSが売れ続けている。
それに連られて、ソフトも発売以来1年以上経過しているものでも、まだ安定して売れているという。
すでに、今年1月にゲーム機の限界普及台数である2000万台を突破し、いままで最大の販売数であるプレイステーション2の累計販売台数を上回り、日本で史上最も売れたゲーム機になっている。
なぜこのような大ヒットに繋がったのだろうか。
それは、任天堂の開発チームの「逆転の発想」にある。
従来、ゲーム機は機能を高め、複雑で高度なゲームを作ればお客さんは満足するというものだった。しかし、現実はゲーム機が高機能化し、ゲームが高度化すればするほど、一般の人たちはついていけずに去っていくということが起った。
ゲームの原点は、子供から大人まで誰でもが楽しめるということである。実際にゲーム人口は、1997年を境に減少している。
そこで、任天堂は、ゲームの原点に立ち戻り、かんたんで楽しめるゲーム機の開発に着手し、それが、DSになり、Wiiになったという訳である。
最近、この任天堂の新しいゲーム機市場の創出を事例として、ブルーオーシャン戦略が語られるようになった。
ブルーオーシャン戦略は、2005年に、フランスの欧州経営大学院教授のチャン・キムとレネ・モボルニュにより、提唱された経営戦略論である。
ブルーオーシャンとは、競争者のいない新市場を指し、顧客に新しい価値を低コストで提供することで、利益を最大化できる戦略を言い、対比として、血みどろの価格競争を繰り広げているレッドオーシャンが挙げられる。
企業のブルーオーシャン戦略構築に関してのメソッドは確立されつつあり、企業の経営戦略構築の一つとして、活用されることも増えてくると考えられる。
本来、ブルーオーシャン戦略の意図するところは、市場開発に対する発想の転換と、その考え方を実行していく決断であると言える。
まずは、ここ数年のブルーオーシャン戦略の事例を紐解いていき、そこに共通する仕組みを見つけ究明したいと思う。
改めて、ご紹介できる機会を楽しみにしていただきたい。
2008年01月28日
文責:岡本充智(代表取締役)
米国の自動車専門紙「オートモーティブ・ニュース」が、2007年の世界自動車販売台数はトヨタ自動車がトップとなり、米最大手ゼネラル・モーターズ(GM)を上回ったと報じた。
最近、書店では、日本を代表する企業として、トヨタの人材育成に関する書籍が、ビジネス書売場の平場をにぎわしている。
その人材育成の基盤として、2001年に策定された、「トヨタウェイ2001」が経営者・人事担当者には、よく知られるところである。
トヨタウェイ2001
この中で、トヨタがグローバル展開を進めていくために、いままで脈々と伝承されてきた暗黙知を「トヨタウェイ2001」で明文化することで、現地への権限委譲をスムーズに進めている。
内容は、
・知恵と改善
-チャレンジ、Challenge
私たちは長期ビジョンを策定し、私たちの夢を実現するため、勇気と創意をもって、目標にチャレンジする。
-改善、Kaizen
私たちは常に革新に向けて努力し、事業経営の進化を促すため、継続的改善に取り組んでいる。
-現地現物、Genchi Genbutsu
私たちは事実を発見して正しい決定を下し、コンセンサスを形成し、できるだけ速やかに私たちの目標を達成するため、現地に出向く。
・人間性の尊重
-尊重、Respect
私たちは他人を尊重し、お互いを理解するため努力を続け、私たちの行動に責任を持ち、相互の信頼を築き上げるため最善を尽くす。
-チームワーク、Teamwork
私たちは個人的および職業的な成長を奨励し、経歴開発の機会を共有し、個人とチームの成果を最大化する。
と、5つのキーワードで、トヨタの経営哲学をまとめている。
また、トヨタは、未来の人材育成に向けて、教育分野にもそのノウハウを惜しげもなく提供している。
全寮制で中学高校の六年間を通じて、国の核となる優れた人材を育てる教育機関として、試行錯誤しながら、新しい一石を投じてくれるものと思う。
これからの歩みに、大いに期待したい。
2008年01月23日
文責:岡本充智(代表取締役)
大阪大学学長の鷲田清一氏が、17世紀後半に生まれたコーヒーハウスをモデルにした「議論できる喫茶店」を立ち上げる計画を進めていると日本経済新聞朝刊(1月21日付)の「インタビュー領空侵犯」で談話されている。
銀座ルノアールの小宮山社長やグリーの田中社長の反論もそれぞれの立場から、読むと各論点があり興味深い。
いずれにしても、議論を通して、「知の基礎体力」を持たないと、本当のデモクラシーは育たないと鷲田氏は言われている。
鷲田氏は西本願寺の近くで生まれ、京都大学文学部哲学科を卒業。
そのようなバックボーンも、議論の場としての喫茶店を生み出したいという原動力になっているのではないだろうか。
ふっと、学生時代に足しげく通った京都の喫茶店「フランソア」を思い出した。
ひとり静かな思索の場であり、友との激論の場であったように記憶している。
フランソアは喫茶店としては、はじめての登録有形文化財になっている。
ガロの「学生街の喫茶店」の歌詞の一節に、
♪君とよくこの店に来たものさ
訳もなくお茶を飲み話したよ
さて、どのような喫茶店が出来れば、知の基礎体力向上に連なっていくのだろうか。
2007年12月26日
文責:岡本充智(代表取締役)
今年も一年を終えようとしている。
一年間振り返り、年初の目標・計画の進捗チェックをしておきたい。
ここで、PDCAサイクルの話。
マネジメントサイクルとしての、PDCAは、ビジネスパーソンには、とても馴染み深いものである。
改めて、PDCAサイクルとは、
Plan :目標を設定して、実現のためのプロセスを設計する
Do :その計画を実施して、パフォーマンスを測定する
Check :測定結果を評価して、目標との比較分析を行う
Action :分析結果をもとに、プロセスの改善・対策を行う
というものだ。このサイクルを確実に回すことにより、製造プロセス品質の向上や業務改善などに広く用いられている。
ここで、最も重要なのは、チェックである。
チェック、すなわち測定結果の評価いかんによっては、次の改善・対策もいか様にも変わっていく。
PDCAサイクルを提唱した品質管理の父、エドワーズ・デミングは、このチェックの段階を、晩年、スタディ(Study)と言い換えて、PDSAサイクルという言い方を使うようになったと言われている。
チェックするだけでなく、より詳しく研究していこうという意思が込められている。
しっかりと、目標・計画をスタディして、来年に望もう。
2007年12月18日
文責:岡本充智(代表取締役)
ダイヤモンド・ハーバードビジネスレビューの新年号のタイトルは、「公器の経営」だ。
今年は、食品関係をはじめとして、企業倫理に関わる問題が噴出した。
改めて、自社のコンブライアスを見直し、日常の行動にメスを入れた企業も多いのではないかと思う。
ところで、ビジネスの現場で、中長期計画や経営戦略を立案する際に、よく活用するツールに、SWOT分析というのがある。
これを提唱したハーバード大学のケネス・R・アンドルーズが、その後、企業倫理を説いた書籍の編纂を行っていたとのこと。
日頃、コンサルティングの現場で、SWOT分析を利用する筆者には、ちょっとした驚きと、分析の着眼点に光を投げかけてくれる。
彼は、誰もが企業組織に身を置くと、道徳心が失われやすいため、組織としてその維持・向上に努めないといけないという。
これから、来期計画や中計の策定に入られるところが多いだろう。
ぜひ、計画に中に、企業は社会の公器であるとの基本的な考えのもと、企業の存在意義を収益利潤の最大化だけではなく、従業員・顧客・地域社会などに対して、社会的責任を負う役割を盛り込んでいってほしいものだ。
2007年12月10日
文責:岡本充智(代表取締役)
年末年始になってくると各誌で、ヒット商品の企画特集が組まれる。
ヒット商品は、生活者意識の変化に大きく影響されることも多い。
逆読みすれば、ヒット商品を見ることで、生活者意識の変容が読みとれるのではないか。
日経トレンディーがこの20年間のヒット商品をデータベースにしている。
なかなか、圧巻だ。
ヒット商品アーカイブス
20年前の生活者を刺激したヒット商品には、どんなものがあったのだろう。
1位自動製パン機、2位サラダ記念日、3位NICS商品とある。
この時代は、円高基調にあり、海外からの輸入商品が増加していた時期でもある。
一方で、レトロ回帰も鮮明に出て、サラダ記念日はその象徴のようである。
ふっと、1位の自動製パン機の説明を見て思った。
標準小売価格3万3000円~3万9800円の商品が東京・秋葉原などの安売り店では、3万円まで下がったとある。
ところで、いま売場では、いくらくらいするのだろうか。
当然、性能・機能は、格段に向上しているはずである。
価格.comで調べてみた。
価格.comのホームベーカリー価格比較
20年前のヒット商品と同じナショナルで、2万円を切っている。
今月発売されたばかりのホカホカの新商品でも、2万2000円だ。
改めて、メーカー・流通・売場を含めた企業各社のコストダウン努力と、
それを享受できている生活者の幸せを感じた。
2007年12月03日
文責:岡本充智(代表取締役)
佐藤可士和の初の著書、「佐藤可士和の超整理術」を読んだ。
佐藤可士和は、キリン極生、ユニクロ、楽天、NTTDoCoMo、国立新美術館などのクリエイティブ・ディレクションをしたアートディレクタである。
ここで、紹介された、千里リハビリテーション病院のコンセプトに興味を持った。
コンセプトは、「リハビリテーション・リゾート」。
気持ちのいい空間と真摯なサービスを提供することで、心のリハビリになる。
その心のリハビリが、身体のリハビリを後押しする、というのが、コンセプトのイメージだ。
意外といままであるようで、なかった病院のコンセプトだ。
プロデューサの佐藤可士和だけでなく、このプロジェクトには、ユニフォームデザイナ、アロマプロデューサ、BGMディレクタ、ライブラリーディレクタなどの専門家が参画している。
彼がコメントしている中に、
「いままで、病院はクリエイティブの力を活かしていない」
「デザインの力で少しでも、患者さんの痛みや苦しみが和らぐならば、
それは意味のあることである」
このようなコンセプトの病院がこれから、広がっていくことを期待している。
病院とはこういうものなんだという今までの自分の固定概念に、さわやかなメスが入った気持ちだ。
彼は、著書の中で、整理と問題解決との関係についても言及している。
「整理と問題解決は、同じベクトルでつながっている」
「問題解決は、あるべき姿を見つけること」
「ゼロから答えを出そうと思っても、なかなか見つかるものではない」
「今もっている情報を整理するだけで、解決のための視点が見つかる」
たかが「整理」、されど「整理」なのだ。
2007年11月29日
文責:岡本充智(代表取締役)
一太郎のジャストシステムが苦戦している。
まずは、日経のニュースから、
要因は、新データ管理ソフト「xfy」の販売が振るわず、広告宣伝費や人件費が膨らんだとのこと。
それで、ジャストシステムの決算短信を見てみた。
ここから、本題。
実は、企業の決算短信には、市場環境を的確に捉えて、コンパクトに表現されているので、様々な業界の現状を認識するのには最適。
日経新聞リアル版の、「投資・財務」欄の各記事の冒頭の書き出しも、
それに近い。
この決算短信のP.3に、経営環境の説明が出ている。
現在の国内市場のビジネス環境が、数行のコメントに、見事に凝縮されている。
抜き出してみよう。
まず、好調な面
・新興国市場の市場拡大の恩恵を受けた輸出主導型企業は、
設備投資需要が高まり、業績改善している
・個人消費は、個人所得が前年水準を下回っているものの、
消費性向は高まっている
・日本経済全体としては、回復基調を継続している
・PC国内出荷の中小法人向けは、セキュリティ需要の伸びを背景に
堅調に推移している
・PCの個人需要は、新OS発売効果もあり、高性能機器を中心に
好調に推移している
・企業では内部統制や個人情報保護の高まりを背景に、
情報管理強化が進んでいる
・SOX法や金融商品取引法等の内部統制関連法規の施行に伴い、
社内統制文書と数値情報を統合的に管理することで、
ガバナンス強化する動きが高まり、その基盤技術として、
XMLが着目される
ついで、不調な面
・内需主導型企業の業績は陰りがある
・地方経済は依然として資産デフレが続いている
・雇用の地域格差も改善されていない
・PC国内出荷の大手法人市場は不振に終わる
・買い替えサイクルは年々長期化する傾向にある
・コンシューマー向けパッケージソフトウェアは、店頭の売場縮小が続く
と、ざっと挙げただけでも、かなりの情報量と質だ。
一度、騙されたと思って、決算短信を紐解いてみよう。
未知の世界がきっと開けるだろう。
なぜならば、企業のトップマネジメントとIR分野の精鋭たちは、この決算短信により投資家・株主に自社を信頼してもらえるように、その表現に知恵を絞っているのだから。
そこには、経営のエキスが潜んでいるはずだ。
2007年11月20日
文責:岡本充智(代表取締役)
企業のウェブ活用が営業改革の課題になっている会社は多い。
しかし、肝心要のウェブがわかる人材がいない。
育てようにも、教育できる人材もいない。
言ってみれば、ウェブ人材の育成は、現実的には八方塞の状態。
人材育成は、
・OJT
・OFF-JT
・自己啓発
に分けられる。
OJTは、上司や先輩が仕事を通じて行う教育。
社員一人ひとりの能力や適性に応じて進められる利点がある。
ただし、行き当たりばったりではなく、
・計画的
・合目的的
・継続的
・組織的
に進めないと、OJTとはと言わない。
計画的とは、目標と期限が決まっていること
合目的的とは、仕事の中でレベルアップを図る必要のある能力に絞ること
継続的とは、急がずじっくりと取り組むこと
組織的とは、OFF-JTなどと連携して行うこと
OFF-JTは、研修やセミナーなどへの参加による教育。
自己啓発は、読んで字の如く、本人のヤル気に依拠する。
ただ、きっかけが与えられれば、自己の成長を望んでいる社員は、
主体的に能力開発に取り組もうとするものだ。
その点、OJT、OFF-JTは、自己啓発のきっかけになる。
そろそろ、ウェブ人材の育成に、計画的に取り組む時期に来ている。
ウェブ人材の階層別育成を目的とした「企業ウェブ変革シリーズ」講座
・経営者のためのWebサイトを活用した営業改革の進め方講座(2007年11月22日)
・営業幹部のためのWebサイトを活用したBtoB営業活性化講座(2007年11月27日)
・業者に丸投げしないための検索エンジンマーケティング講座(2007年12月11日、13日)
2007年11月15日
文責:岡本充智(代表取締役)
あなたの会社の「売上の方程式」は、どんな式になるだろうか。
例えば、ある情報システムの販売会社は、
提案数 × 受注率 × 平均受注金額 = 売上
になるという。
では、この方程式をもとに、売上を上げるためには、どうすればいいのか。
1.提案数を増やす
提案できる引合いを多く獲得すること。提案機会が多くなれば、それだ
け受注する件数も高まる。
だから、どうすれば、提案数を増やすことが出来るかと考える。例えば、
訪問件数を増やせば提案機会は増えるだろうか、コンペ案件を探せば提
案につながるのではないだろうか、ウェブを活用した見込み客の集客は
効果があるのではないか、などなど。
2.受注率を高める
これは、二つ方策が考えられる。
ひとつは、
・提案する見込み客リストの質が高まれば、見込み客のニーズは強い
のだから、受注できる可能性は高まる。冷かし客が多いと、受注に
は程遠い。
もう一つは、
・提案内容の質を高めること。提案する担当者の能力の問題もあるし、
見込み客の課題を明確にするヒアリング力の問題もある。
見込み客の課題を浮き彫りにするときの一つの方法として、ある成
功事例を話して、「ある会社はこういう方法で、こういう課題を解
決されのですが、御社はどのようにして解決されていますか?」と
いうような、聞き方をすれば、その課題自体に関心があれば、興味
を示すだろうし、課題となっていなければ、関心を示さないだろう。
「何か、課題はありませんか?」というような質問だけは避けたい。
3.平均受注金額を大きくする
見込み客の要求しているものだけに対応していては、基本的に受注金額
を増額させることは出来ない。
あくまで、見込み客の要求していることは、表面的なこと、あるいは切
羽詰ったことで、本来の解決すべき課題は、その背後に隠れていると思
うことだ。
このように、売上の方程式を立ててみると、何を実行することが売上確保につながるのかということが見えてくる。その具体的な実行策を計画し、実行し、結果を検証して改善に結び付けていくPDCAサイクル回すことが出来れば、自社の売上向上策が体質化されていくのではないだろうか。
2007年11月05日
文責:岡本充智(代表取締役)
アマゾンジャパンでは、会議にパワーポイントの資料は使わないと、チャン社長が今朝の日経で話している。
というようなことを、話していた。
ところで、会議の生産性を上げたいとは、会議に参加する誰もが思っていることだろう。
議事録ドリブンという方法がある。
議事録ドリブンとは、会議中に議事録をプロジェクターなどで投影し、参加者で議事録を協力して書きながら議事進行を共有し、会議の終了時点で議事録を完成させてしまうという方法だ。
これだと、会議のアジェンダから議論が大きく外れることはないし、会議で結論を出す、という本来の目的も達することができる。そしてなによりも、議事録が会議終了と同時に完成しており、議事録担当者が、会議後の議事録作成に、業務時間を割かれるという悩みも解消できる。
早速、議事録ドリブンを試してみよう。
2007年10月30日
文責:岡本充智(代表取締役)
「アップル」がすこぶる好調だ。
アップル、第4四半期決算発表--MacとiPodの売上増加で増収増益
7-9月期決算が、売上・利益とも同四半期の過去最高を示した。
増益率67%は、グーグル(46%)、インテル(43%)をも凌駕した。
要因は、
と、主力商品がそろってシナジー効果を起こす好循環サイクルに入っているからだと言う。
一時は、低迷していたアップルがなぜ、こんなにも復活はおろか、トップステージに躍り出たのだろうか。
もちろん、「iPod」の世界的大ヒットが背景にあるとしても、それだけではない。
そこには、開発に対する思考風土の特異性が見て取れる。
ふつう、後発参入する際には、先発他社の製品を入念にチェックして、
と、あくまで先発製品との「相対的思考」で開発をすすめる。
それがいわば、市場が容認していることをベースに検討するので、
リスクが少ないからだ。
しかし、アップルは違う。
という、「絶対的思考」だ。
ITジャーナリストの林信行さんの記事は、いつも、論点が明確かつ斬新で、
経営の視点からも、いろいろな示唆を与えてくれる。
過去の延長線上でモノを考えず、未来から点を打つごとく、
感動のライフスタイルを提供してくれる「アップル」から眼が離せない。
2007年10月22日
文責:岡本充智(代表取締役)
「赤福」が混迷している。
手ごろな価格で、甘さも抑えて程よい美味しさの赤福餅。
近鉄沿線に住む私は、かなり以前から、気のおけない友人への手土産にしたものだ。
この手土産も、もう、しばらくは無理そうだ。
赤福は、江戸時代の1707年に、伊勢神宮内宮前の五十鈴川のほとりで
販売されたのが、起源だと言われている。
不祥事のあった今年で、ちょうど、300年。
あまりにも偶然というには、・・・。
ちみなに、赤福の語源は、「赤心慶福」(せきしんけいふく)。
心を尽くす事で、他人の幸せを喜ぶことが出来るということ。
一日も早く、赤心慶福の原点に立ち戻り、崖っぷちからの回復をしてほしい。
いま、赤福のウェブサイトは、ニュースリリースのみになっている。
これから、刻々と進展するであろう問題の真相を明らかにし、
その対応の経緯をウェブサイトに公開していくことが、
もっとも信頼を回復する近道のひとつではないだろうか。
いままでの赤福ファンに、また、ふっくらとした餡餅の姿を現してほしい。
2007年10月15日
文責:岡本充智(代表取締役)
ドンキが長崎屋を買収したと発表された。
ディスカウントストアによるスーパーの買収だ。
買収により、
という、あたりが買収による相乗効果であると考えられる。
ちなみに、長崎屋の全国55店舗の約1/4が、不採算だそうだ。
ぜひ、地域から支持される店舗に、生まれ変わっていってほしい。
ところで、長崎屋の親会社は、キョウデンというプリント基盤を設計製造している会社
自社の電子部品を使ったノーブランドの家電製品を、長崎屋の店舗で販売することが目的だったらしい。
この計画は頓挫したが、長崎屋の建て直しを完了させ、かなりの売却益を得たようであるので、財務上は、一件落着というところだろう。
これは、あまり、公表されていないが、長崎屋の会社設立は、1948年になっているが、1907年に、岩田長八という人が、神奈川県平塚市で長崎屋ふとん店を創業したのが、はじまりらしい。
実に、今年で、ちょうど100年。別に、計算されたわけではないだろうに、企業盛衰の因縁のようなものを感じる。
ちょっと、前置きが長くなった。さて、本論。
一年ほど前に、NHKでハゲタカが放映され、反響がかなりあったのを覚えておられると思う。
視聴率は、わずか6~8%。しかし、番組ホームページには、大河ドラマ「風林火山」を大きく上回るアクセスがあった。
ホームページへの投稿も、同時間帯の大型ドラマ「氷壁」の数倍あったという。
視聴率獲得だけが、番組の成果目標のように言われている中で、どれだけ見た人に、インパクトを与え、ものを考えるきっかけとするか、新たな番組の存在理由を示す事例が生まれ、何かしら清清しい思いだ。
この番組のディレクターは、あのライブドア騒動が契機となり、買収する側、買収される側のそれぞれの立場での取材を通して、企画を立てていったという。
これもまた、因縁だろうか。
2007年10月09日
文責:岡本充智(代表取締役)
今朝の日経の一面は、
うちの会社は、食品関係だから関係ないや、住宅関係だから読む必要ないなぁ、
では、ありません。
ちょっと、中を読んでみましょう。
「日米欧で強まる自動車の燃費規制に対応する車体の軽量化は欠かせない」
「地球環境問題が自動車の素材転換を促す動きが加速しそうだ」
ということです。
これを、皆さんの分野に当てはめて見ればどうでしょうか。
何らかの規制が、何らかの環境変化が、自社の商品開発や事業ドメインに
影響を与えることって、ないでしょうか。
ここで、ブレイクスルーです。
ブレイクスルー思考とは、プラス思考でもなく、マイナス思考でもなく、
目の前にカベが生じたときに、そのカベそのものに価値を見出して、
これを「順調な試練」と受け止め、問題解決を図っていくと言うものです。
また、ブレイクスルー思考には、
が、あります。
自分が成長することでブレイクスルーを果たすのが、グロウアップ型。
場所や相手を変えることにより、再出発するのが、ステージチェンジ型。
東レは、炭素繊維で全世界30%強のシェアを握るリーダーです。
その強みを活かして、自動車部品産業へ、世界で初めて本格的な市場参入する
という、グロウアップ型のブレイクスルーを選択した、と言えますね。
2006年11月07日
文責:岡本充智(代表取締役)
11月に入り、街のイルミネーションはX'mas色に塗られてきた。自然と気持ちも師走に追いかけられるように感じる。年の暮れと言えば、「第九」がいたるところで聞かれるようになる。正しくは、「ベートーベン作曲 交響曲第九番 歓喜の歌」。
わが国では広く愛唱されている第九であるが、日本で最初に演奏されてからわずか90年も経っていない。徳島県にある坂東俘虜収容所で、捕虜であるドイツ兵たちによって第一次世界大戦が幕を閉じた1918年6月1日に演奏されたのが最初である。
この坂東俘虜収容所を舞台に鳴門の人々と捕虜であるドイツ兵との交流を描いたのが「バルトの楽園」。
松平健、扮する俘虜収容所所長、松江豊寿(まつえとよひさ)。ドイツの名優ブルーノ・ガンツ扮する、捕虜のドイツ少将であり、青島総督であるクルト・ハインリッヒを中心に織り成す展開には歴史的な背景からも奇跡的な真実として感動を覚えた。
世界的にも、模範収容所としての評価を得た坂東俘虜収容所における松江所長のマネジメントに組織活性化の手法を垣間見ることができる。主要なポイントを3つにまとめてみた。
収容所の中では、写真技師や記者には新聞印刷の仕事を、パン職人にはパンを焼くことを、音楽家には楽器演奏の指導を、それぞれの得意なかつ、やりがいを持てる仕事を与え、索漠としがちな収容所生活を生き生きとしたものに変えている。
組織の中でも、一人一人のやりたいこと出来ることをしっかりと見極めて、やりがいを育んでいく事は欠かせない。
もう少し踏み込んで考えると、やりがいとは、自分に決定権があるかどうかというところに帰するように考えられる。その決定権の幅が広がれば、よりその仕事にやりがいを感じるものではないだろうか。
松江所長は捕虜ドイツ兵の最高責任者であるハインリッヒの処遇にはいたく気を遣い、彼に対しては、寛容な待遇を続けた。
ハインリッヒを長と仰ぐ兵たちは、この処遇に対して安心感を持つとともに、日本人に対して心を開いていったと考えられる。その後ろには、自分たちの長が正しく処遇されることで、彼らのプライドを守れたとも言える。
プライドは自尊心・誇りという肯定的な反面、自惚れ・放漫という否定的な面を持つ。相手の自尊心を優しく包み込めるプライドを持てることが、組織人としての真のプライドではないだろうか。
組織には強い人も弱い人もいる。どのような人にも、プライドはあり、そのプライドがどのようなものかを素直に受け止めていくところに、組織が活力を持つヒントがあるのではないだろうか。
収容所は比較的開放的で、鳴門坂東の地元の人たちとの交流も活発に行われた。何よりも、当時、先進国であったドイツの知識・技術・文化を吸収することも地元にとっては有意義なことであった。
また、捕虜たちにとっても、住民たちに自分たちの持てる最新知識を伝授することは彼らの生きがいに繋がったのではないだろうか。
昨今、事業領域の拡大、新規分野への進出をにらんで、業務提携が活発化している。これらの提携を単なる事業のみの提携に終わらせずに、人的交流も含めた組織ぐるみの交流に昇華していくことで、組織内に眠る種火に灯りをともし、活発化していく風土が形成されるものであろう。
「バルトの楽園」は日本人の持つ、もてなしの精神や武士の情けをベースに極限状況下における人間のあるべき姿を描いたものでもある。そこに、組織としての有り様を見ることが出来たのも大きな収穫であった。