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2009年11月20日
文責:森高浩(パワー・インタラクティブ マーケティングデータアナリスト)
『彼女があのテレビを買ったワケ』
著:木田理恵
出版:エクスナレッジ
価格:1,429円
【こんな方にお勧め】
生活者視点の商品企画・販促が急務。
顧客満足度を高め、客単価・リピート率を高めたい。
とにかく女性の気持ちがわからない!
広告コピーを考える際に参考にさせてもらった本です。文章が読みやすく、気軽に読める内容です。女性が商品を決定するときの理由について女性ならではの視点で客観的に分析をしています。また具体的な話が豊富で楽しく読むことができます。
<男女の購買行動の違い>
・スペックにこだわる男性、イメージにこだわる女性
・勝負にこだわる男性、共感したい女性
・結果がよければいい男性、買い方にこだわる女性
自分の購買行動を考えてみると、家電製品などを購入する場合、必ずカタログスペックを詳細に比較検討して購入を行っています。また、本書に書かれているとおり世界初・最小・No1などと言ったコピーに惹かれます。ただ最近では、家電製品などで幸せ・愛情・育てるなど感情に訴えるコピーをよく目にするようになったと感じています。
<五感(視覚、聴覚、触覚、臭覚、味覚)の大切さ>
人を動かすのは感情であり、感情を動かしているのはその五感と言うこともできます。人を動かす商品やサービスには必ずその五感に働きかける何かがあると思います。企業のマーケティングに関わるものとして、日頃からその五感を研ぎ澄ましておくことが必要であると改めて思いました。
<そのための実践ポイント>
1.常時アンテナを張って生活する
2.自分が無意識に持つ感覚や感情に敏感になる
3.その要因について深く考える
4.感じたことを論理的・客観的な表現に置き換えて説明する
マーケターとしての重要な指摘をしていますが、マーケティングや販促等に関わっている方は、とても参考になるトレーニングではないかと思います。
自分も、自分の心の動きや人の心の動き五感を研ぎ澄まし、そのとき何が影響を与えていたのか「気づく」「考える」習慣をつけていきたいと感じた1冊でした。
彼女があのテレビを買ったワケ―男がわからなかった 女が商品を選ぶ本当の理由
2009年08月24日
文責:森高浩(パワー・インタラクティブ マーケティングデータアナリスト)
最近、生ログを使ったアクセスログの分析の依頼が多くなった気がしています。
生ログ分析と言うと、一般的にあまり高度な分析はできないのではないかといったイメージがありますが、分析のやり方によって高価なアクセスログ解析ツール以上の分析が可能になる場合があります。
生ログ分析の利点としては、
(1)アクセスログ解析ツールと同様に事前に設定をしっかり行っていれば解析ツール以上の分析が可能である。
(2)ログデータさえ保存していれば過去に遡って分析ができる(解析ツールは導入や設定以降でないと分析ができない!)。
(3)他データとの連係もできる(見積シミュレーションの入力情報、商品検索情報など)。
(4)PV数の上限を気にしなくてもよい(有料ツールは基本PVの上限があります)。
(5)複数ドメイン間の分析も問題なくできる。
などが思い浮かびます。
通常、アクセスログ分析を行うときは、解析ツールの機能や仕様が分析レベルに大きく影響を与えます。例えば、経路分析などは集計負荷が大きいため、ASPタイプのアクセスログ解析ツールでは機能がなかったり、詳しく分析できないといったことが多々あります。
しかし、生ログ分析の場合では、高度なセグメント化を加えた上での、複雑な経路分析なども行うことが可能になります。なぜならリアルタイムの分析ではないので、時間をかけて集計サーバーで分析をさせることができるからです(但し、集計量が大きいと弊社集計サーバーが数日間その処理に稼働していることもあります)。
普段、自社内で生ログを使って分析を行う場合、どの様にされているでしょうか?高機能なアクセスログ解析ツールがないとあきらめてはいないでしょうか。今回は高価なアクセスログ解析ツールにも負けない生ログ分析の例としてユーザーセグメント分析をご紹介したいと思います。
サイト訪問者と一口に言っても実に様々な人々が訪問しており企業情報ページの閲覧人数が○○万人あったと言っても、その訪問者が投資家なのかリクルート関係者なのか混在し、どういった目的の訪問なのかわかりません。この様な場合は、生ログからユーザー単位でセグメント化して分析を行うと効果的です。
例えば2人の訪問者がいるとします。
A訪問者:「TOPページ」→「IR情報ページ」→「企業情報ページ」を閲覧して帰った。
B訪問者:「直接リクルートページ」→「企業情報ページ」を閲覧して帰った。
この様な場合、例えば初回の訪問ページに重きを置いてセグメントに分けるとします。
検索や外部サイトから直接誘導したページやトップページから遷移したページが、最初に訪問者を惹きつけた要因であると考えられるからです。
そうすると、A訪問者を株主・投資家関係者、Bをリクルート者と予測できます。
どちらの訪問者も「企業情報ページ」を閲覧していますが、セグメントに分けて分析することで同一ページでも違った意図で訪問されている訪問者に分けて分析をすることが可能になるのです。
訪問者全体で把握しいていた動向とユーザーセグメント別に見た場合の閲覧動向には大きな違いが見られ、その分析結果は私たちに実に多くの示唆を与えてくれます。各訪問者が何に興味を持ってサイト内を閲覧しているのか、その訪問特性をよく理解・見極めることができれば、ほんとに来て欲しい訪問者に合わせたコンテンツの見直しやSEO対策など施策の実施に繋げていけるはずです。
生ログ分析は集計するのが大変ですが、この様に知恵と工夫しだいで自由に分析できるのが特徴です。
弊社では、現在アクセスログ分析サービスのキャンペーンを実施しています。各サイトか抱える課題や問題に応じた生ログ分析も行っていますので関心がありましたら是非ご覧下さい。
詳しくはコチラ
2008年06月02日
文責:森高浩(パワー・インタラクティブ マーケティングデータアナリスト)
今年のNHK大河ドラマ「篤姫」が毎週日曜に放送されていますが、高視聴率が続いているようです。主人公の篤姫(宮崎あおいさん)が薩摩藩の使命を背負って江戸城大奥に入り当時政治の中心にいた女性の目から幕府を俯瞰するという新しい視点のドラマとなっています。
この篤姫ですが、13代将軍家定の正室として薩摩より輿入れしますが、幕末の政治的混乱によって薩摩藩から背負ってきた使命は達成することができませんでした。夫家定は若くして病死し、篤姫は僅か23歳で髪をおろし天璋院と名乗ることになります。また幕府と薩摩藩の関係も次第に悪化し、鳥羽・伏見の戦いに大敗した幕府は存亡の危機を迎えてしまいます。
徳川家を滅ぼそうと江戸に迫った討幕軍の指揮官西郷に対し篤姫は江戸城攻撃を思いとどまるよう必死に説得します。西郷が江戸城総攻撃を中止したのは、山岡鉄舟や勝海舟が交渉した結果と知られていますが、篤姫の尽力も大きかったのではないかと思います。もし西郷率いる討幕軍が江戸城を総攻撃していれば幕末はさらに大きな混乱と多くの命が失われていたのではないかと思います。
さて、注目していただきたいのは、大河ドラマの幕末モノと言えば激しい殺陣や倒幕・左幕派といった激しい思想の対立が描かれているのが多いのですが、この「篤姫」ではそういった重々しさは全く感じられずわかりやすい作りとなっている点です。ヒロイン篤姫の身の回りの日常を中心に描かれ幕末を舞台としたホームドラマといった感じで主演の宮崎あおいさんも魅力的です。
この大河ドラマ「篤姫」好調の裏には、多くの若い女性から圧倒的に支持されていることが一因にあるようです。宮崎あおいさんファンや篤姫を通じて10代・20代の若い女性達が自分の姿を重ねあわせたりしながら見ているといったことも多いのではないかと思います。動乱期の中、強い意志を持って生きた篤姫の生き方が改めて見直されているのではないかと思います。社内の若い女性社員の中にも今度の大河「篤姫」はおもしろいと言った意見が多く聞かれました。
ブログへの書き込みも2008年1月6日をピークに「宮崎あおい 篤姫」にて3500件を越える書き込みがされています。「宮崎あおい」さんの評価についても、80%以上がポジティブな書き込みとなっています(※Yahoo!ブログによる弊社独自調べ)。今回篤姫を演じる宮崎あおいさんは、主演としては大河最年少の抜擢だそうですが、NHK大河ドラマも女性を意識した番組作りに積極的に取り組んでいるのではないでしょうか?
一見堅苦しいテーマ・商品でも女性の視点から見ることで新しい価値や新しいターゲット、柔らかな表現方法を発見できるかもしれません。私達もドラマ篤姫に見習って「女性の目から俯瞰する」という手法を忘れないようにしたいものです。そして、激動の幕末をたくましく生き抜いた篤姫のように、力強くWebマーケティングを推進していきたいと思います。
2007年12月05日
文責:森高浩(パワー・インタラクティブ マーケティングデータアナリスト)
先週、ニンテンドーDSのソフトでレイトン教授シリーズ第2弾「レイトン教授と魔法の箱」が発売されました。不思議な町の住人から出題されるパズル(ナゾ)を解くことで物語が進むファンタジーアドベンチャーゲームです。臨場感たっぷりの高品質なアニメーションと大泉洋さんや堀北真希さん、大沢たかおさんなどが声優をしています。社内でも早速購入した人が昼休みに夢中になって謎解きをしています。
さてこのニンテンドーDS、昨年に続き好調な売れ行きが続いています。その購入者を見てみると、これまでの家庭用ゲームファン層以外の人達が多く購入しているそうです。また売れているソフトを見てみると一時話題になった「川島隆太教授監修の脳を鍛える大人のDSトレーニング」や「おいでよ どうぶつの森」「いまさら人にきけない 大人の常識力トレーニング」など誰でも簡単に遊ぶことのできるお手軽ゲームが上位にあります。
このニンテンドーDSの成功要因はどこにあるのでしょうか?様々な要因の1つにこういった簡単・手軽に遊ぶことの出来るゲームの貢献が大きいのではないかと思います。手軽に遊ぶことの出来るゲームをネットで検索すると無料のゲームサイトがたくさんヒットします。こうしたサイトでは、100万や200万の多くの会員を集めているところもあります。ただゲーム市場の規模というのは、家庭用ゲームのハードとソフトの合計でしかなく、そうした数値を元にした統計データなどを見ていても気がつかなかったと思います。実は潜在的なユーザーがPC上のこのようなゲームにいたのではないかと思います。
任天堂では、従来の家庭用ゲームファン層とは異なる手軽にゲームに接している潜在ユーザー、その中には多くの高齢者や女性層や主婦層などが存在するといったマーケティングデータを見逃さなかったのではないでしょうか。ゲームをやりたがっている人たちが意外なところにたくさんいる。そう考えるとニンテンドーDSが登場し広く受け入れられたのはとても自然なことに思えてきます。
もともと任天堂は、ソニーやマイクロソフトとは違いファミコンを発売する前はマジックハンドやゲームウォッチなどを作っていたおもちゃメーカーでした。そのため純粋に多くの人にゲームを楽しんで欲しいと考えているに違いないと思います。
今後、任天堂はWiiなどを発売し家族でも楽しめる文化としてのゲームを作って行こうとしていますが、このムーブメントは今後も多くの人に支持されていくのではないでしょうか。年末のこの忙しい中、息抜きに「レイトン教授の魔法の箱」でレイトン教授と共にファンタジーアドベンチャーの世界を覗いてみては如何でしょうか。
2007年11月21日
文責:森高浩(パワー・インタラクティブ マーケティングデータアナリスト)
先週、今年もボジョレーヌーボーが解禁されました。すでに飲まれた方も多いのではないでしょうか。店頭には多くのボジョレーヌーボーが並んでおり、社内でも早速購入して飲んでみるといった声も聞かれました。昨年よりロゼのワインも店頭に並んでいるようですが、今年は天候にも恵まれ仕上がり具合も上々の様です。
今やすっかり日本の秋の風物詩として定着している感のあるボジョレーヌーボーですが、フランスのブルゴーニュ地方ボジョレー地区で作られるガメイ種の新酒で、ヌーボーとは“新しい”という意味になります。毎年11月の第3木曜日午前0時に販売が解禁されています。
多くの人は、ボジョレーと言えばヌーボー、ヌーボーと言えばボジョレーと連想すると思いますが、ボジョレーとヌーボーは切っても切り離せない関係にあります。ボジョレーヌーボーはこれ自体で一つのブランドであり、ボジョレーにとって看板商品であることは誰の目にも明らかかと思います。ただボジョレーには、ヌーボー以外のワインも色々ありますがヌーボーがあまりにも有名で他のワインはあまり目立たなくなっています。
このボジョレーヌーボーが日本に上陸したのは1985年で、その後のバブル経済の時に大いに輸入量を伸ばしました。今では一時のブームほどではないものの、初物好きな日本人の性格もあってボジョレーヌーボーの人気は未だに健在です。しかしフランス本国を含め、このところ苦戦を強いられているそうです。それはただボジョレーだけの問題ではなく、フランスワインそのものが、チリやアルゼンチン、オーストラリアやなど新興国の追い上げを受けて苦境に立たされているそうです。
現在ボジョレーでは、ブランドの低下、一種類のブドウしか栽培していなリスク、生産性における若いブドウ畑の割合が少ないなど色々と問題を抱えています。ボジョレーはヌーボーで大きな成功を収めたと言えますが、この大きな成功が次ぎのステップにおける不振の原因となってしまったのではないかと思えます。また一旦出来上がったブランドイメージは替えるのは難しく特定のブランドに依存するのは危険であることを示唆しているよう思えます。
現在ボジョレーでは、ワインの世界的な供給過剰などを受けワイン畑の面積を減らしているそうですが、需要にあった生産調整・価格の維持、またワインの質や生産技術の向上など地道な努力を続けているそうです。この機会にボジョレーヌーボーを飲みながら自社のブランド戦略に置き換えセルフチェックをしてみては如何でしょうか。
○ヌーボーがあまりにも有名で他のワインがあまり目立たない
自社メインのブランドに頼っていないか?若いブランドを育てているか?
○フランス本国を含め、このところ苦戦している
ブランド環境の変化やメインターゲットとのズレはないか?
○チリやアルゼンチン、オーストラリアやなど新興国の追い上げを受けて苦境
知らない内にブランドが新しい競合にさらされていないか?
○ワインの質や生産技術の向上など地道な努力を続けている
自社製品の継続的な品質向上、新サービス・製品をリリースしているか?
2007年11月13日
文責:森高浩(パワー・インタラクティブ マーケティングデータアナリスト)
先週大阪出張の際に、7月のダイヤ改正と同時に営業運転が開始されたJR東海の新型新幹線N700系に乗ることができました。
従来よりも運航中の振動が軽減されている気がしました。また横揺れも幾分抑えられ乗り心地が良くなっていました。質量700tもの車体が最高速度270kmで走行しているかと思うと改めてすごい技術だと感じました。また車両開発以外でも最近では鉄道輸送の旅客数が頭打ちになってきていることから「駅ナカ」と呼ばれる駅構内のサービスもどんどん進化してきており、利用者にとってはますます快適・便利になってきています。
さてこの新幹線は、1964年の東京オリンピック開催の9日前に開業したことはご存じかと思いますが、新幹線建設計画は戦前の「弾丸列車構想」に端を発しています。日中戦争により軍部主導で輸送力の強化が求められたことにより在来線とは別の線路で東京から下関さらに対馬海峡を海底トンネルで超え朝鮮半島を横断するといった壮大な計画のものでした。1940年に計画は承認され工事に入りましたが太平洋戦争で日々戦況が悪化する中で工事は中止されました。
戦後、再び新幹線構想が検討されたとき、巨額の予算もさることながら航空や自動車へ移行しつつある時代に「時代遅れの無用の長物の建設だ」との意見もあり建設にあたり鋭く対立したそうです。しかしその後建設することが決まると新幹線の産みの親と言われる第4代国鉄総裁十河信二のもと優秀な技術者が集められ多くの障害を乗り越え完成に至りました。開発者の中には戦前の零戦の設計担当者なども加わっていました。
ただ当時の特急の最高時速でも時速100kmに満たないものが、東京-大阪間を3時間で結ぶには一気に時速200kmを超える高い目標を達成する必要があり、今考えても大変大きな挑戦ではなかったかと思います。
現在の企業も同様だと思いますが、お客からの支持を得るため日々研究・開発や技術などの向上に一生懸命取り組んでいます。この絶え間ない活動が企業を大きく成長させる原動力になっているかと思います。操業当時の開発者たちの熱き思いを忘れず地道に日々取り組んで行くことがますます厳しくなるグローバル競争で日本が勝っていく上で大切なことだと改めて感じました。
今年4月にJR東海がリニア中央新幹線を2025年から営業運転を開始したいとの発表がありました。有人走行成功からすでに約30年が経ち実用化に必要な基盤技術も確立されてきており次世代新幹線リニアの登場が待ち遠しいです。
2007年11月07日
文責:森高浩(パワー・インタラクティブ マーケティングデータアナリスト)
今週末の大河ドラマ『風林火山』の内容は、桶狭間でいよいよ同盟関係にある今川義元が織田信長に討たれてしまいます。これで武田・今川・北条の三国同盟の一角が崩れることになりますが、一方で武田信玄は上杉謙信と北信濃の川中島において激突しています。
今回の上杉謙信役はGackt(ガクトさん)で芸術や音楽を愛した謙信にとって適役ではないかと思っています。うまく謙信のイメージを演じていると思います。
この『風林火山』は、山本勘助(内野聖陽さん)を中心に甲斐武田の群像が描かれていますが、第四回目の川中島の戦いにおいて自ら提案したキツツキ戦法の裏をかかれ大激戦となり、勘助はその戦いの最中に戦死してしまいます。この川中島で約12年間の長きにわたり武田軍と上杉軍は戦いを繰り広げますが、知略・謀略にたけた信玄と天才的な用兵使いの謙信は互いを認め合う良きライバルであったと思います。
さてこの「風林火山」は武田軍の軍旗となっていますが、そもそも古代中国の兵法家孫子の言葉に基づいており、
疾きこと風の如く
静かなること林の如く
侵略すること火の如く
動かざること山の如し
を意味しています。
この「風林火山」の言葉をアナリストに当てはめて考え、
納期に向け分析すること風の如く
レポート作成中は林の如く
クライアントの満足勝ち取ること火の如く
じっくりデータ見極めること山の如し
と是非行きたいものです。
この大河ドラマの原作は、井上靖著の不朽の名作『風林火山』をドラマ化していますが、明日はどうなるか分からない戦国乱世にありその夢にかけ生き抜いた人々や夢半ばで破れ散った人々の織りなす壮大なドラマとなっています。
IT業界という動きの激しい舞台に身を置く私自身においてもこの風林火山の如く駈けて行きたいものです。
2007年03月09日
文責:森高浩(パワー・インタラクティブ マーケティングデータアナリスト)
毎週末楽しみに見ているテレビドラマがあります。それはTBS開局55周年特別企画「華麗なる一族」です。主演が木村拓哉さん。原作は、好きな作家の一人である山崎豊子さんの『華麗なる一族』。金融再編という銀行統廃合の荒波を背景に、阪神銀行のオーナー頭取・万俵大介(北大路欣也)との父子の葛藤を中心に描いた家族物語です。木村拓哉さんは、阪神特殊製鋼の専務・万俵鉄平役として物作りに一生懸命で・熱く・周りの人を自然に惹きつけていくそんな魅力ある男を演じています。
先週までのストーリーは、帝国製鉄より銑鉄の供給が止められることになった阪神特殊製鋼が、自社で銑鉄を生産するため高炉の突貫工事をしている中、大きな事故を起こし倒産の危機に直面しています。今後の阪神特殊製鋼の行方が気になるところですが、この鉄の生産について近代日本史を振り返ってみると1897年に官営の八幡製鉄所の設立が大きな出発点になっています。日清戦争で獲得した賠償金を基に銑鋼一貫生産の技術確立に着手し、官営の製鉄所を北九州市に設立。しかし海外の技術を輸入しただけの製鉄所ではうまくいかず操業開始からわずか2年で高炉休止となってしまいました。安易に技術を導入しだけでは上手く操業していくことができなかった結果だと思います。
巨費を投じた高炉が鉄を作れないまま生産を停止した危機的状況を技術者達は、徹底した現場へのこだわりと調査・分析で、海外から移入した技術を日本の風土に合わせて改良・改善していきました。やがてその努力が実り当初計画の約3倍まで生産を拡大し品質も良くなりました。そのことにより日本の近代製鉄は軌道に乗りその後の民間製鋼事業が展開していくことになります。当初は借り物だった製鉄技術を我が物とし、後の技術立国日本につながって行く礎を作ったのではなかったかと思います。
当時生産に関わっていた担当者の一人で銑鉄部長だった服部漸さんは「それは単に暴風雨が過ぎ去って晴れ間が出たという、天候回復のようなものではなかった。一つ一つその原因を考え抜き、あらゆる点にわたって、改良・努力をした結果だった」と著書『製鉄所の溶鉱炉作業に就きて』の中にこんな言葉を残しています。
彼らは日本の風土に合った設備の改善や原料の見直し検証を繰り返すことによりこの困難な状況を克服していきましたが、我々アナリストもWEBマーケティングにおける調査・分析を担っているので何か共感を覚えるものがあります。良い鉄を生み出す代わりに良いサイトを作りあげるため現場で起きている状況を調査・分析し改善に生かす。我々も八幡製鉄所の先人達の姿勢に学び、華麗なるアナリストに近づくべく日々暴風雨のように降り注ぐデータと格闘し、粘り強く分析に取り組み改良・努力を重ねて行きたいと思いました。
2006年09月26日
文責:森高 浩(パワー・インタラクティブ マーケティングデータアナリスト)
現在、NHKの大河ドラマで「功名が辻」が放送されているが、大河ドラマはもう何年も習慣のように見ている。今月は上川隆也演じる山内一豊が小田原攻めの功により掛川城主5万石に出世をした。そう言い忘れていたが、私のブログのテーマは歴史の出来事をマーケティング視点で見ると何が見えるかをいった点で感じたことを書いてみようと思っている。
ちなみに小田原北条攻めとは1590年(天正18年)に豊臣秀吉が北条の居城小田原城を包囲し、北条氏政・氏直父子を降伏させた戦いのこと。この戦いの際、北条氏側は城中で和戦の意見が対立し、いたずらに日数を送ったことから広く衆議が一致せず物事の決定が長引くことを指し小田原評定といった諺が有名だ。
もともと北条氏はあの北条早雲に始まり、5代約百年にわたって関東に覇者を唱えた戦国大名である。北条早雲の登場はまさに下克上の先駆け、戦国時代の始まりであったが、無名の存在から謀略・奸智によって一国一城の主の座を奪った男のことを”梟雄”(きょうゆう)というが彼はその代表選手の一人である。また三代目の氏康は「名君」と呼ばれている。
さて北条攻めの前に秀吉から上洛せよとの命があったが氏政・氏直父子は悩んだ末それを黙殺した。怒った秀吉は詰問状を送って問いただしたのに対して時間稼ぎで叔父の氏規を京に派遣し時間稼ぎを図っている。参内した氏規は聚楽第の広間で畿内・中国・四国・九州の諸大名や皇族・公卿らが居並ぶなかで謁見をする。おそらくここで秀吉との力の差が歴然としていることを感じたのではないかと思う。秀吉との謁見が無事終わった後、氏規は京都見物をしているが京都の繁栄ぶりに驚いて小田原に戻り報告の中に「京都の商家は皆瓦葺きでした。小田原の商家は草葺きです。せめて人通りのある表通りだけでも板葺きにしないとみっともない」などといった報告をしている。
初めて上方に行った氏規は、関東に比べはるかに先進的な畿内の経済力のすごさに圧倒されることになるが、この程度の情報すら小田原に届いていなかったことにビックリしてしまう。これでは、秀吉がどの程度の人物なのか、秀吉の軍事力がいかに卓越しているかといった情報が小田原の氏政・氏直のところにも届いていなかったことも納得できる。
この理由の一つに当時太平洋海路があまり日本海海路に比べ遅れていた点もあるが、陸路も箱根が東海道の難所として立ちはだかっていたこともあるのではないかと思う。「箱根の山は天下の険…」と滝廉太郎の代表作の「箱根八里」を思い出すが箱根がまさに情報のボトルネックとなり天下の情勢をしっかり分析できなかったと考えられる。この情報分析の甘さが後に名胡桃城奪取事件を起こし小田原攻めの口実を与えてしまうことになる。
この小田原北条氏滅亡のプロセスは、情報収集にとって自然の障害となっていたネックをそのままにしていたつけが、情報分析不足となって北条氏の滅亡を早めたとも言える。このことはとりもなおさず、情報収集・分析が組織の存続にとって決定的な意味をもっていたことの裏返しではないだろうか。
私はマーケティングデータアナリストとして日々企業のマーケティングデータの分析を行っているが、ネット社会になりウェブ経由での情報収集がとても簡単にまた大量に得ることができるようになった。アクセスログ分析を行うと大量のデータと対面することになるし、ネット調査を実施すると数千件といった人に対して簡単に意見を聞くことができる。またネット社会になり外部環境の変化も早くなっているので、社会の変化をしっかり捉える必要があると思う。氏政・氏直父子は時代の趨勢を読み切れず滅亡に至ったが、現代においても日々企業間で激しく競争している中、情報収集・分析、そしてそこから見いだした数値をいかに読み解くかといったことの大切さや重要性の重さを感じずにはいられない。
2006年07月20日
文責:森高 浩(パワー・インタラクティブ マーケティングデータアナリスト)
皆さんは「三国志大戦」というアーケードゲームをご存じでしょうか?実は社内にこの世界でかなり有名なプレーヤーがいます。ゲームセンターでは対戦を申し込まれたり、サインを求められたりするそうです。
「三国志大戦」はセガによるリアルタイムカードアクションゲームで最近2がでました。オンラインゲームで対戦して勝つとランキングがあがっていく仕組みです。カードの種類は250種類ぐらいあって、まずは最適なデッキを組むことが対戦に勝つ必要条件だそうです。アクションゲームにしては女性比率も高く、台湾や上海にもプレーヤーがいるそうです。
三国志を題材としたゲームは色々ありますが、小説や漫画もたくさんあります。私は昔小説で吉川英治氏や北方譲二氏の三国志を読んだことがありますがとても面白かったです。劉備が関羽・張飛と義兄弟の契りを結ぶ「桃園結義」に始まり、軍師として諸葛亮を迎え、呉の孫権と同盟して曹操を破る「赤壁の戦い」。入蜀し蜀で皇帝につくも関羽・張飛を失い劉備も白帝城で死を迎えます。後半は主役が劉備から諸葛亮に代わり「出師の表」で魏へ何度か出兵し、最後五丈原で司馬懿仲達と対峙中に志半ばで倒れます。
前半までぱっとしなかった劉備は「三顧の礼」にて諸葛亮を迎え入蜀を目指した頃が大きなターニングポイントになります。この時点を弱者のマーケティング視点で見ると中国大陸の上半分は魏の曹操、右下は呉の孫権の勢力範囲で彼らの勢力範囲で旗揚げをするのは極めて困難な状態でした。そこで西の蜀でNO.1になることを目指しました。いわゆる絶対有利の「NO.1の法則」です。また自分たちの有利な土俵で戦いました。
つまり魏や呉から遠く彼らの影響を受けず、一番になれる新しい蜀というカテゴリーを設定したのです。ここであくまで魏の曹操と戦うことにこだわっていれば戦いに負けて滅亡していたでしょう。この戦略によって蜀を得て、ここに「天下三分の計」が成り立ちました。
弱者がいきなりシェアNO.1の魏に挑んでは戦いにならなかったと思いますが、自分が確実にNO.1になれるカテゴリーでしっかりと地位を築き力を蓄えた後NO.2の呉と同盟を結びNO.1を倒しに行く。さすが孔明と言いたくなります。
これは現在のマーケティング戦略だったりブランド戦略に通じるもをの感じます。企業は限られた資源(人・物・金・情報)を有効に活用して、競合他社と戦っていますが、何か得意な分野やサービスなどでNO.1となるものがあれば有利に戦っていけると思います。
また自分自身社内で何かNO.1を目指してみるのは如何でしょうか?
ちなみに諸葛孔明の子孫達は現在も諸葛八卦村という村に生き続けているそうです。
さて話は戻って冒頭の「三国志大戦」の彼ですが、彼より順位が高い人は全国で何人もいる中で非常に注目をされています。それは彼もまたとあるカテゴリーでNO.1だからです。個人でも企業でもNO.1の法則に変わりはないのではないでしょうか。