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2006年06月29日

マス広告の役割の変化について

文責:橋原正明(パワー・インタラクティブ マーケティングデータアナリスト)

マーケティングデータアナリストの橋原です。(営業先で役職名をいじられる確率はおよそ3割7分です。)よろしくお願いします。

マス広告とネット広告の連動といえば、真っ先に思いつくのがCM中に「ネットで○○○と検索」と誘導をかけ、テレビではできないユーザ体験を提供するパターンがあるかと思いますが、もっと大きな流れの中でのマス広告の役割の変化について、つい最近考えさせられる出来事がありましたので、少し書いておきます。

車の広告を扱っている友人との会話にて

私:「日産のCMっていいよね~、色の使い方がうまいし、SHIFTシリーズのコンセプトもカルロスゴーンの改革のイメージとマッチしてると思う」

友人:「いや、日産のCMって車名があまり全面的に出てなくてあれじゃ頭に残らないよ」

私:「・・・確かに(あの車名何だっけ?)」

といったものでした。その時は、「なるほど~」と納得していたわけですが、では何ゆえに日産はそうしているのかを考えていると、マス媒体の位置づけを彼らは意識的に変えているという結論がもっともしっくりきます。

消費者行動のAIDMA(Attention ⇒ Interest ⇒ Desire ⇒ Memory ⇒ Action)が、ネット時代になってAISAS(Attention ⇒ Interrest ⇒ Search ⇒ Action ⇒ Share)に変化しているといわれいてますが、消費者行動が変化すれば広告媒体の役割も必然的に変わってきます。AIDMA理論では、車名の記憶までを目的とした広告が必要ですが、AISAS理論ならば、マス広告は利用シーンなどのイメージの訴求を最大限に行なう場所として位置づけ、後はネットで探してもらい商品の特徴まで覚えてもらう。つまり、整理すると以下のようになります。

  マス広告 ネット 販売店
AIDMA 車名と特徴の記憶 購買
AISAS 特徴の訴求 車名までの記憶(資料請求) 購買

もちろんマス広告において、車名を打ち出しそのまま検索してもらっても問題ないわけですが、どうでしょうか。多くの自動車の広告を見た消費者が、ひとつひとつ車名をインプットできるとは考えられません。また、車名を覚えることができる消費者は自動車に対するリテラシーの高い層にあたり、マス広告で必要とされるターゲット層とはずれるのではないでしょうか。

広告っぽさをなくし、商品のイメージを最大限に訴求するには日産のやり方が効果的であるといえると考えられる。(実際に私がそのように感じたのは事実です。)

追伸:
2006年6月23日付の日本経済新聞に「消費をつかむ」という連載記事が掲載されている。20歳~30歳の女性をターゲットにした三菱自動車「i(アイ)」が蓋を開けたら、購入者の7割弱が男性で、63%が40歳以上であったらしい。通常の倍以上のアンケート調査による綿密なマーケティングをおこなったが「もくろみが外れた」とのこと。消費者の行動の変化はもちろん、価値観をどこまで把握できるのかがこれからのマーケティングの大きな課題であることは間違いない。

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