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2006年06月22日

日本語ネーミングにみる顧客視点考

文責:遠藤美加(パワー・インタラクティブ 取締役)

このブログコーナーのネーミングを考える社内ブレスト会議で、「最近、日本語のネーミングが流行りですよね」というスタッフの言葉に、そう言えばそうだな~と、早速、近くのコンビニへ足を運んでみる。

日本語ネーミングと言えば、やはり明治・森永の牛乳メーカー両社が打ち出す「おいしい牛乳」を思い出す。その影響か、乳飲料・ヨーグルト売り場は日本語のネーミングがひしめいている。(ちなみにこのブログの「こつこつ」はアサヒ飲料の「こつこつカルシウム」をヒントにさせて頂きました。)少し前に話題になった男前豆腐店の「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」も目に飛び込んでくる。

ビールも日本語ネーミングを競っている。キリンは「一番搾り」を筆頭に、「まろやか酵母」「芳醇」「淡麗」「円熟」「極生」「のどごし」と、多種類のビールの味やコンセプトの違いを日本語の微妙なニュアンスに乗せたネーミングが店頭で光っている。一方のアサヒも新商品の「ぐびなま。」や「熟撰」「極」「富士山」「北の職人」と日本語のネーミングは多い。しかし、キリンのように日本語のネーミング自体に体系的な広がりはいまひとつ感じられない。

ビールのプロモーションというのは大量のTVや新聞・雑誌等でのマス広告でブランド認知をはかり、店頭でさらにPOPや販促等で引き寄せ、選択してもらうという流れが中心だ。しかし、最近は、コンビニの店頭で、その日飲むビールを1~2本、ギッシリ並んだ各社ビールの中から、その時の気分で選んで購入という場合も非常に増えている。そういったシーンに対して、キリンのネーミングは、ビールの味とネーミングの間に、一種の情報整理軸のようなものが感じられ、店頭で選択する消費者への補助線の役割を果たしている。

大量の情報から選んでもらうためのインデックスをいかに設計するかという発想は、Webサイトの設計に非常に通じるものがある。Webサイトの設計は、大量の情報を、顧客視点に立った上で、どのような構造で整理するかをデザインする。顧客視点とは、この場合、Webサイトにある大量の情報から、顧客が欲する情報を収集し、取捨選択し、決定するという一連の情報処理の効率をアップするということを意味する。

企業のサイト構築をお手伝いさせて頂く際に、この「顧客視点」を徹底することは、実際にはかなり難しい局面がある。特に、しばしばぶつかる壁は「カテゴリー分け」と「カテゴリーの名前付」の問題だ。一般的に企業内の「カテゴリー」≒「組織」であることが多く、Webサイトとは言え、カテゴリーの分け方や表現を変えるということは、大きな抵抗をうけることが多い。また、検索エンジンの影響の大きさを考慮に入れ、検索サイトからの誘導を最優先に考えると、インデックスは一般的に検索需要の多い用語を意識して使っていくことが重要になる。しかし、企業内の組織名や商品の呼称は、その企業や業界内でしか通用しない用語であるケースも多く、ここでも難しい選択が必要になってくる。

店頭でもネットでも身の回りに大量の情報が溢れる時代、顧客に選択されるために優先すべき情報要素は、確実に変わりつつある。ネーミングもWebサイトも、共通して重要なことは、顧客の情報処理の支援をいかに可能にするかというソリューション的視点ではないだろうか。

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