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2007年02月20日

スマイルカーブ現象 ~付加価値は誰の手に?

文責:橋原正明(パワー・インタラクティブ マーケティングデータアナリスト)

2月6日の日本経済新聞では、デジタル機器の寡占化を報じています。販売台数シェアの上位2社の割合が上昇した製品は、液晶やプラズマテレビなど主要24品目中で15品目にあたるという。一方で電子部品大手7社の07年度三月期通期の営業利益は、5社が増加する見通しであると、こちらも8日に同紙が報じています。

この2つの結果の背景には、インターネットの普及によるオープンでかつグローバルな企業間取引が、最終組立業者であるかつての総合家電メーカーとそれを支えていた部品メーカーとの関係性を大きく変化させている点があげられます。

従来の日本の産業構造は、最終組立業者を頂点として従属的支配下に部品メーカーが集まるという、いわゆる「系列」であり、付加価値(=利益率)は最終組立業者が握っているという状況でした。

しかしながら、BtoBのeマーケットプレイスやアドワーズ・オーバーチュアなどの検索連動型広告による企業マッチングの手法が大きく発展を遂げ、企業間の取引が従来のクローズな関係からオープンな関係へと変化を遂げている現在、これまで1社の下請けでしかなかった部品メーカーも、複数の企業と取引を行うことが可能になっています。

複数の企業と取引が可能になれば、技術力・商品力の高いメーカーの競争力はますます高くなり、取引の集中へとつながります。こうした流れの中で、付加価値(=利益率)は最終組立業者から部品メーカーへと移り、このような構造変化は「スマイルカーブ」と呼ばれるようになっています。

スマイルカーブ

この現象はコンピューターを多用する業界にて顕著に見られます。例えば部品メーカーの成功例としては真っ先にインテルがあげられるでしょう。また最終組立業者からソリューション・コンサルティング業界へと転身し高い付加価値を提供している企業もみられ、IBMが好例であるといえます。

さて話を少し戻します。冒頭でふれたデジタル機器の寡占化については、最終組立業者の提供できる付加価値の低下(=利益率の低下)にともなう、競争力の乏しい企業の脱落が大きな要因であると考えられます。一方で、業績が好調な電子部品メーカーの特徴はオープンでグローバルに展開している企業であること、そしてモジュール化された付加価値の高い製品を、高いシェアにて提供している点であるといえます。

価値のあるところに、高い利益率がともなう適切な構造への変化だと私は考えています。製品やサービスに高い価値がなければ、いくらオープンな取引を行える環境にあったとしても、成長することができません。一方で、高い付加価値を持ちながら、それを市場にうまくアピールできていない企業も多いのではないでしょうか。我々はWebマーケティングを支援するにあたり、こういった機会損失を減らすことが社会への貢献であると考えています。

[参考文献]
B2Bブランディング ~企業間の取引接点を強化する(日本経済新聞社 )
京様式経営 モジュール化戦略―「ネットワーク外部性」活用の革新モデル(日本経済新聞社 )

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