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2007年11月29日

ジャストシステムと決算短信

文責:岡本充智(代表取締役)

一太郎のジャストシステムが苦戦している。

まずは、日経のニュースから、

 ジャストシステムの9月中間、最終赤字32億円(日経ネット)

要因は、新データ管理ソフト「xfy」の販売が振るわず、広告宣伝費や人件費が膨らんだとのこと。

それで、ジャストシステムの決算短信を見てみた。

ここから、本題。

実は、企業の決算短信には、市場環境を的確に捉えて、コンパクトに表現されているので、様々な業界の現状を認識するのには最適。

日経新聞リアル版の、「投資・財務」欄の各記事の冒頭の書き出しも、
それに近い。

 ジャストシステム 中間決算短信(PDF)

この決算短信のP.3に、経営環境の説明が出ている。

現在の国内市場のビジネス環境が、数行のコメントに、見事に凝縮されている。
抜き出してみよう。

まず、好調な面

 ・新興国市場の市場拡大の恩恵を受けた輸出主導型企業は、
  設備投資需要が高まり、業績改善している
 ・個人消費は、個人所得が前年水準を下回っているものの、
  消費性向は高まっている
 ・日本経済全体としては、回復基調を継続している
 ・PC国内出荷の中小法人向けは、セキュリティ需要の伸びを背景に
  堅調に推移している
 ・PCの個人需要は、新OS発売効果もあり、高性能機器を中心に
  好調に推移している
 ・企業では内部統制や個人情報保護の高まりを背景に、
  情報管理強化が進んでいる
 ・SOX法や金融商品取引法等の内部統制関連法規の施行に伴い、
  社内統制文書と数値情報を統合的に管理することで、
  ガバナンス強化する動きが高まり、その基盤技術として、
  XMLが着目される

ついで、不調な面

 ・内需主導型企業の業績は陰りがある
 ・地方経済は依然として資産デフレが続いている
 ・雇用の地域格差も改善されていない
 ・PC国内出荷の大手法人市場は不振に終わる
 ・買い替えサイクルは年々長期化する傾向にある
 ・コンシューマー向けパッケージソフトウェアは、店頭の売場縮小が続く

と、ざっと挙げただけでも、かなりの情報量と質だ。

一度、騙されたと思って、決算短信を紐解いてみよう。
未知の世界がきっと開けるだろう。
なぜならば、企業のトップマネジメントとIR分野の精鋭たちは、この決算短信により投資家・株主に自社を信頼してもらえるように、その表現に知恵を絞っているのだから。

そこには、経営のエキスが潜んでいるはずだ。

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