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2009年09月11日
文責:岡本充智(パワー・インタラクティブ 代表取締役)
『フェラーリと鉄瓶― 一本の線から生まれる「価値あるものづくり」』
著 :奥山 清行
出版:PHP研究所
価格:1,365円
なぜ美しいデザインが必要なのか。
「美しいものは売れるということ。人間は本来美しいものが好きであるということ。」
フェラーリのデザインを担当しているイタリアのピニンファリーナ社の会長がデザイン工房のスタッフたちに、「美しいモノは正しい。俺たちは正しいことをしているんだ。」と言い続けたことが、スタッフに大いなる励ましになったとのこと。
原理原則に基づいたシンプルな言葉が、チームに勇気を与え、チームの結束力を強くしていくんだと言うことに気づかせられました。
著者の奥山清行氏は、このピニンファリー社のデザインディレクターを努められた方です。デザイン分野は、自動車だけでなく、家具・インテリアやロボット、都市計画など多岐に亘っています。氏のイタリアでのビジネス経験から、日本のデザインとものづくりについて『最高の価値』と言う視点からハッとするような意見が盛り込まれ、矜持を保つことの出来る書です。
ビジネスの世界では、コミュニケーションは大きなウエイトを占めています。
デザインの世界でも、コミュニケーションはデザインの是非を決定付けます。
「デザイン作業の最初の三分の一は、正しい人を探して、正しい情報を引き出すこと。次の三分の一は、その人のためのデザイン作業。最後の三分の一は、出来たものの情報を正しい人に正しく伝えること。この最初と最後の三分の一ずつは、デザイナーのコミュニケーション能力にかかっています。」
相手のことをよく知り、自分たちの強みも把握しておく。それが、コミュニケーションの前提になるんだということを気づかせられます。
私は、日頃よく考えることがあります。
プロとアマの差って一体なんだろうかと。
この書で、そのヒントをつかみました。
「プロと呼ばれる人たちは、アイデア出しにかける時間が長かったり、膨大なバリエーションから選んだりするところが、アマチュアと違っているのだと思います。アマチュアの人に欠けているのは、そのプロセスです」
アイデアを磨く時間と深さが違うということです。
コンサルティング会社にいた時代に、先輩から、「プロとは答えの無い問いを問い続けることが出来る人だ。」ということを教えられたことがあります。
プロとアマは紙一重というならば、それは最後のひと絞りが出来るか出来ないか。
その差ではないかと思います。そのような気持ちで、仕事に臨みたいものです。
あとがきで、奥山氏は、ものづくりの基本について、こう書かれています。
「すべてのものは、人のために作られます。それも、昨日や今日の誰かではなく、明日の人のためにものを作るのです。」
ものづくりだけでなく、すべての行動がそうありたいと考えさせられた一冊です。
フェラーリと鉄瓶―一本の線から生まれる「価値あるものづくり」
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