ページ内を移動するためのリンクです。
ここからメインコンテンツです

こつこつマーケティングブログ カテゴリー一覧

  • 企業経営
  • マーケティング
  • Webマーケティング
  • アクセスログ解析
  • SEO
  • Web制作
  • その他

2011年03月11日

パワーの本棚:『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』

著:辻野晃一郎
出版社:新潮社
価格:1575円

いやはや生々しい心情が披露されている。

辻野氏はソニーVAIOの生みの親であり、一時はソニーの顔であった。
その後、経緯があって、グーグル日本法人の社長に就任。
現在は、ソニー元社長の出井伸之さんと一緒にコンサルティング会社を立ち上げられた。

週刊ダイヤモンド2/12号で辻野氏が語っているのに興味を持っていたので、
東京からの帰路、丸の内の旭屋書店で見つけたときには迷わず手にした。
気がついたら、降車駅の京都であったというおまけがつく。

辻野氏がソニーで大きな壁にぶち当たっていたときに、当時話題になっていた
日産自動車のカルロス・ゴーン社長に面談を申し入れたシーンがある。

ゴーン氏が日産に来たときにとにかく問題だらけだった。
通常ならば、大変なところに来たと思うところだが、彼は、

potential of progress

を感じたという。

著書では改善の余地とあるが、私は前進できるポテンシャルエネルギーとでも
受け止めた。いずれにしても何とポジティブな思考であろう。
社内改革において抵抗勢力がいたと思うがそれにはどう対応したかには、
ただ無視するのみという。これも確固たる自信の裏付けである。

そして、辻野氏の御礼メールに対するゴーン氏の返信には
経営者が常に心しなければならないエッセンスが籠められている。

Your open mindness,your determination and your innovative thinking
should be very valuable assets to help you overcome the difficulties.

開かれた心、固い意志、イノベイティブな思考力があればきたるべく困難は
必ず乗り越えられるであろう。



また、随所に柔軟な発想がうかがえる。

家電メーカーはテレビを量産販売して粗利益率いくらで終わりではなく、
テレビの画面を土地と見なして広告主に土地を使わせているのだと考える。
テレビCMを選択する機能をテレビ機器が持っていて、使った時間に応じて
土地代としての広告料を徴収すればいいのだという発想は、
収穫逓増モデルを理解するときのいい気づきになる。

ビジネスモデルといえば、辻野氏は知識集約型の事業モデルについて、
労働集約型と比較して、事業や商品・サービスの成熟に伴う過当競争の視点から
その有用性を事例を通して述べている。

一つひとつ取り上げれば、枚挙にいとまがないくらいである。


グーグルの採用面接で彼はグーグルの採用基準は大きく四つの要素に分かれている
と婉曲に述べている。

1.地頭の良さ。知識などよりも未知の課題に対して答えを導き出す道筋を論理的に構築できるかどうか。

2.これまでの職務経験や社会貢献の具体的な内容。きちんと結果を出す人かどうか。

3.チームやプロジェクトを率先して牽引する能力があるかのリーダーシップ。

4.グーグルのカルチャーに合うかどうか。どんなに能力があっても一緒にいて
 楽しくない人、高飛車な人、コミュニケーション能力が低い人などは原則
 ここでふるいにかけられる。


これからの採用の判断基準として参考になろう。


私は辻野氏の新会社である株式会社アレックスの行動指針に彼の生き様が
反映されている様に感じた。

株式会社アレックス 行動指針
http://www.alex-x.com/about/code.html

1. 最初から世界市場へ
2. 日本経済の新陳代謝を加速
3. 経営スタイル、企業カルチャー、ビジネス慣習の刷新
4. 少数精鋭、パートナー重視
5. 群衆の叡智の積極活用
6. 20世紀的にならない
7. 常識を疑う
8. 10年早く、10倍速く
9. 人にフォーカス
10. 天真爛漫



美辞麗句を並べたのではなく、この著書を読むとこの行動指針は
彼の人生そのものであると強く感じる次第である。

人は会社を愛すれば愛するほど、変革しようとして耐え切れない社内との摩擦の
渦中に投じられるものだと改めて思い知った。

「愛する」の反対語は何かと問われて「憎む」と答えたが、
実は、「無関心」だとのこと。確かに。

愛すれば愛するほど、裏切られたときには憎くなるのであれば、
確かに反対の概念にはならない。

辻野氏は誰よりもソニーを愛し、そして今も愛されていることが今回の本棚で
よく理解した。

もっともっと会社を良くしていこう。
それは、会社をどんどんとあるべき姿に変えていこうとする強い意志と行動であろう。

ピーター・ドラッカーは、「リーダーシップとは『意思決定』と『実行』である。」
とどの著書でも書かれていたのをふっと思い出した。

生々しい辻野氏のソニーとグーグルでのビジネス人生を拝読して
改めて身の引き締まる想いである。

いい時間をいただいた。

【投稿者:岡本充智】

投稿メンバーのおすすめ本

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた
著:辻野晃一郎
出版:新潮社
価格:¥1,575