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2011年07月27日

パワーの本棚:『イノベーションと企業家精神―実践と原理』

著:P.F.ドラッカー 
翻訳:上田惇生、佐々木実智男
出版社:ダイヤモンド社
価格:2,100円

経営をしていると時々、原点に戻りたいときがある。

私の原点は、ピーター・ドラッカー「イノベーションと企業家精神」である。
原題は、「Innovation and Entrepreneurship」

20年前にコンサルティング会社に奉職していた時、様々な企業の経営者とお会いする中で、企業家精神、アントレプレナーシップを持った経営者になりたいという目標が萌芽してきた。それは、手に取ったドラッカーのこの本がそのきっかけを与えてくれた。

企業家精神について、彼はマクドナルドを引き合いに出してわかりやすく説いている。

--------------------P.34
マクドナルド・ハンバーガーは企業家である。たしかに、マクドナルドは、何も発明してはいない。その製品は、レストランと名のつく所ならば、昔からどこででも売られているものである。しかしマクドナルドは、消費者にとっての価値について分析し、製品を標準化し、工程と設備を再設計し、個々の作業の分析結果にもとづいて従業員を訓練し、仕事の標準を定めることによって、すなわち経営管理の概念と手法を適用することによって、使用する資源からあげる収益を大幅に引き上げた。これが企業家精神というものである。


この時、どのようなビジネスでも「顧客の価値とは何か」を問いただせば、希望は見えてくるものだという確信を持つに至った。

彼が断言している、
--------------------P47
企業家たる者は、イノベーションを行なわなければならない。
イノベーションこそ、企業家に特有の道具である。
イノベーションとは、資源に対し、富を創造する新たな能力を付与するものである。
資源を真の資源たらしめるものが、イノベーションである。


に強く触発された。彼は一言も、企業家は利益を上げなさいとは言っていない。
彼は、

--------------------P.48
経済における最大の資源は、購買力である。この購買力にしても、企業家が創造すべきものである。


理系の私はイノベーションを技術的な用語だと勘違いしていた。社会的な仕組みを変えていくこともイノベーションのもつ役割なのだと気づいたとき、パッと視野が開けたように感じたものだ。

本書では、イノベーションの機会は七つの領域で存在していると指摘している。
その七つの領域とは、信頼性と確実性の大きな順に、

  1. 1) 予期せざるものの存在
  2. 2) 調和せざるものの存在
  3. 3) プロセス上のニーズの存在
  4. 4) 産業と市場構造の変化
  5. 5) 人口構成の変化
  6. 6) 認識の変化
  7. 7) 新しい知識の獲得

知識の獲得が信頼性が高いわけでもなく、成功の確率が高いわけでもないというくだりは、アインシュタインが言った、「想像は知識に勝る」と重なる部分もあり、組織のトップに立つものは常に想像力を磨く重要性を感じた。

彼が言う、もっともイノベーションの機会が存在しているという「予期せざるものの存在」はどのようにして掴むのか。いたってシンプルな解答を述べている。

----------------------P.78-79
予期せざる失敗が要求しているものは、外へ出て、よく見、よく聞くことである。
(中略)
ということは、分析を行なえるほどにはまだ分かっていない。だから調べよう。出かけていって、見て、質問して、聞いてくることにしようと言わなければならないということである。

----------------------P.91
しかし、イノベーションの機会というものは、幸運やカンによって手に入れられるものではない。意識してイノベーションを求め、意識してイノベーションのために組織し、意識してイノベーションのために経営管理することによって、はじめて実を結ぶのである。
----------------------

経営者は常に意思決定を迫られる。彼は、意思決定の本質は不確実性であり、その不確実性にどう向き合うかが企業家としての本質でもあると言う。

----------------------P.40-41
そして、意思決定の本質は不確実性である。
ということは、いかなる種類の意思決定にも直面することのできる性格の人は、学ぶことによって、企業家たることも、企業家的に行動することも可能だということである。
企業家精神の特性とは、性格の問題ではなく、行動様式の問題である。しかし、企業家精神の基礎となるものは、直感的な能力ではなく、じつに論理的かつ構想的な能力なのである。


改めて行動することの重要性を再認識した次第である。

時に、自分の中の原点の書物に立ち戻ることは、いまなぜここにいるのかを考え直させてくれるいい機会でもある。

本当に良き書物に出会えたことは幸せである。

【投稿者:岡本充智】

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著:P.F.ドラッカー 
翻訳:上田惇生、佐々木実智男
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