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2013年02月25日

製造業のマーケティングをあらためて考える ~三宅秀道著『新しい市場のつくり方』を読んで。

文責:岡本充智 代表取締役


まず問題です。以下のタイトルを見て気になった項目に✔を入れてください。

□さよなら技術神話
□新しい「文化」を開発する
□「問題」そのものを開発する
□独自技術なんていらない
□組織という病
□「現場の本社主義」宣言
□価値のエコシステムをデザインせよ
□ステータスと仲間をつくれ
□ビジネスの外側に目を向けよ
□地域コミュニティにおける商品開発

もし、5つ以上✔が付けられたら、ぜひこの書をお読みください。
実はこのタイトルはこの書籍の章立てです。

例えば、あなたの会社が技術志向の強いメーカーならば、ぜひ第4章「独自技術なんていらない」をお読みください。

著者の三宅秀道先生は、独自技術がないと事業が展開できないのではなく、独自技術がなくても新しい文化習慣を構想して、提案して、普及させることが出来れば文化的優位を構築して、その上に事業を展開していくことは可能だとおっしゃってます。

そのひとつの分かりやすい例として、学童用水泳帽の普及が取り上げられています。いまはプールでは必ず着用すると思っている水泳帽は実は、1970年頃に体育の先生のプール教育の必要性から生まれたものなのです。この事例を読んで、胸の奥底をツンと突くような衝撃を受けたのをまだ覚えています。その衝撃の答えは本書を読んでいただくとして、三宅先生は、新しい文化の開発に取り組むための起業家精神が会社にあれば新しい市場はつくることができる。と、組織風土の問題へと論は進んでいきます。あっという間に読み進められる稀有な経営学あるいはマーケティングの著書です。

もうひとつ、先生は新しい習慣を前提とする新しい商品を提供することで、新しい市場を創造しようとするときに、既存の産業構造や業界の分業構造は役に立たないということも示されています。まさに閉塞感のある今の時代に最も必要な考え方ではないでしょうか。

私はスポーツメーカーで商品開発に長年携わっておりました。その約10年間は、機能追究に終始した10年でした。いま振り返ってみると文化を開発するという視点は欠如していましたし、まったくそのようなことに思いも至りませんでした。また強固な販売ルートを持っていただけに、新たな販路を開拓する事など夢想だにしませんでした。

新規事業を手掛けた時がありました。商品開発のプロセスには徹底して取り組んだ記憶がありますが、市場創造のプロセスは何たるかが分からなかったように思います。この書を読んで、商品開発と市場創造の両方のプロセスを統合させることが出来れば、もしかしたら新規事業は日の目を見ることが出来たのではないかと・・・。あの頃に戻れるタイムマシンがあればと久しぶりに思いました。

先生はここまでに1,000社以上の企業訪問を重ねその間何度もあきらめようかと思ったことがあったそうです。踏みとどまれたのは、神戸出身の先生が大学三回生の時に阪神淡路大震災に遭遇されたことに端を発しています。被災地を目の前にして、街の復興のためには地域の産業の繁栄しかないと考えられ、ならば技術や資本などを失った被災企業にとってどうすればいいのか。それは問題の開発から新しく手がけようとする商品開発手法が最も適しているのではないか。という問題意識から先生のフィールドワークを軸にした研究人生が始まるのです。

つまりこの書は、「弱者にとっての妥当な戦略」を模索するものであるともいえます。

そのような先見的な視座に強い共鳴を受け、製造技術のデータベースを運営されているイブロス様と共催で、3月6日東京、3月12日大阪で、著書の三宅秀道先生をお招きして「製造業のマーケティングを考えるカンファレンス」を開催させていただきます。多くのモノづくりや市場づくり関わる方々にご参加いただき、これからの製造業のマーケティングのあり方を考えてみたいと思います。ぜひお越しくださいませ。

東京3/16・大阪3/12 カンファレンス開催
「日本の製造業、これからのマーケティングはどうあるべきか」