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自社の業務改善事例を公開し、同様の課題をもつ中堅中小の経営層の関心をキャッチ(情報通信グループ会社X社)
コンサルティング事例

自社の業務改善事例を公開し、同様の課題をもつ中堅中小の経営層の関心をキャッチ(情報通信グループ会社X社)

2016年12月14日

システム開発のA社は大手企業向けのオンプレミス型の業務システム開発を得意としてきたが、数年前から中小企業をターゲットにパッケージ型のERPシステムの販売を強化している。

ターゲットが中小企業に広がったことにより、企業サイトとは別に、専用のマーケティングサイトを立ち上げ、マーケティングオートメーションを導入し、中小企業向けのコンテンツを拡充してきた。中小企業の場合、情報システムの専門部署を持つ会社は少ない。システム担当者はいても1~2人で、他業務と兼務の場合もある。

経営層や業務部門の責任者を対象に、専門家コラムや業務改善例、お役立ち情報の発信を続けることで、徐々に成果が出始め、社内的にもWebサイトへの期待が高まっていた。上層部からも、社内的なこの気運をさらに推し進めるために、マーケティング専用サイト経由で、引合い件数を今期中に2倍にするよう指示が出ていた。これを実現するためのコンサルティングをご依頼いただいた。

お役立ちコンテンツと引合いにつながるコンテンツのギャップに課題

今回、コンサルティングをご相談いただいた部署は、デジタルプロモーション推進部で、マーケティング専用サイトの運営を取り仕切っている部門だ。一方、製品サービスページや導入事例ページは、広報宣伝部が主管するコーポレートサイトに掲載されており、社内のルールでマーケティング専用サイトには掲載できない。そのため、デジタルプロモーション推進部では、コーポレートサイトとの回遊を高める改善を継続的に打って来ていたものの、なかなか思うように効果が出ずにいた。

まずは、コンサルティングの現状把握段階で、マーケティング専用サイトのボトルネックを明確化した。

回遊を高めても、マーケティング専用サイト側のコンテンツの流れが出来ていない

→ 専門家コラムや業界情報など、継続してサイトに訪問してもらうためのお役立ちコンテンツは充実していたが、コーポレートサイトにある製品サービスの説明や導入事例につなげていくようなコンテンツが不足していた。

コーポレートサイトに掲載の導入事例が情報システム部門向けの内容になっている

→ コーポレートサイトの掲載事例は、情報システム部門を想定した"システム導入事例"だった。中小企業の経営層や業務部門の責任者が知りたいのは、システムの詳細ではなく、"業務課題をどのように解決したか"であり、ターゲットに合った事例になっていなかった。

マーケティング専用サイトで自社の独自性やノウハウが出せていない

→ 専門家コラムや業界情報といったお役立ちコンテンツは、外部の専門家に原稿提供を依頼しているものが中心となっていた。社員の原稿執筆への協力はなかなかきびしく、自社ならではの独自のコンテンツが掲載できずにいた

自社内にも同様に有る業務上の課題。自社の改善プロジェクトの内容をコンテンツ化してお客様に役立ててもらおうという発想へ。

お客様への導入事例は広報宣伝部の管轄であり手が出しにくい。また、お客様への再インタビューは何名かの担当営業に確認したところ、ハードルが高いという意見だった。そこで、お客様へ取材するのではなく、案件を担当した自社のシステムエンジニアに記事を執筆してもらう方向で検討を進めるが、肝心の社内のシステムエンジニアから協力を得られなかった。理由は2つあった。ひとつは忙しくて時間を取れない、もうひとつは、システム開発の視点であればまだなんとなるが、お客様の経営や業務課題の視点から執筆するには能力不足だという反応だった。

暗礁に乗り上げかけていた頃、デジタルプロモーション推進部のマネジャーが、社内会議に出席している最中、 "社内にはこんなに業務課題の解決例がある、企業規模や業種が違っても、同じような課題はどの企業も抱えている。他社がどのように問題解決をはかったかという情報は参考になるのではないか"と問題意識を持つ。

お客様が知りたがっているのは、どのシステムを入れてどう変わったのかという「システム導入」事例ではなく、課題にどのような背景がありどのようなプロセスを経て解決したのかという「実践」事例ではないか。これまでは「システムを導入して問題を解決した事例」という視点からどうしても離れられなかったが、システムうんぬんではなく業務課題自体に焦点を当てようという発想へ切り替わっていった。

そこから具体的に社内の業務課題の何を取り上げるかついて議論が始まった。最初の事例として、自社経理部門の早期決算化プロジェクトをコンテンツ化することが決まった。

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課題と解決法を提示するストーリーを重視

経理部門へのヒアリングは第三者が行うのがいいだろうと、弊社のコンサルタントとライターが担当した。 決算早期化プロジェクトは、グループ内の組織変更にともない、決算締めを6暦日から4営業日へ短縮することが業務課題となったことが背景にある。 6暦日を5営業日に短縮するのであれば、1日休日出勤をすれば達成は可能な目標だが、4営業日に短縮することは、経理部の作業を効率化するだけでなく、他部門の協力を得なければ達成はできない。他部門をどうやって巻き込んでいったのか、モチベーションをどのように維持しながら通常業務と並行して進めていったのか等々、プロジェクトメンバーに対しインタビューを実施。弊社としては、一連のストーリーとして前後編の記事に落とし込んでいく中、読んだ人が「課題を提示し自分事化してもらう」「解決法を提示し信頼感を得る」というポイントを意識してコンテンツ化を行った。

コンテンツ公開後、メールマガジンでの告知の際は、タイトルに「決算早期化」というキーワードを入れ、配信を行うことで、メールの開封率・クリック率は通常の約3倍の数値となり、高い反応を獲得する結果となった。マーケティングオートメーションでは「紐づけ率(タギング率)」が非常に重要になるが、今回の施策は、紐づけ率向上に大きく貢献した。これは、これまでメールマガジンを受け取っていてもメールをクリックしたことのなかった人が、今回の記事ではじめてクリックしてもらうことが出来たということだ。システム導入事例ではなく、業務課題の実践事例によって掘り起こせたことになる。

また、「決算早期化 事例」というキーワードでも上位にランクインされるなどの集客面での効果も表れており、流入貢献の高いランディングページとなっている。その後、経理部門向けセミナーや勉強会と連動した企画へ発展させており、引き合い獲得につなぐ流れをさらに強化している。

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