コラム

Googleアナリティクスに異常あり?と思った時の切り分け方

Googleアナリティクスを使っていて、「このデータはおかしいのではないか?」「アクセス量が減っているのではないか?」といった異常を感じた際に、どのように解決していけば良いのだろうか。今回はGoogleアナリティクスでのデータ取得がおかしいのでは? と思った時にどのように解決していくか、「原因の切り分け方」を紹介する。

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はじめに

Googleアナリティクスのレポート画面や管理画面を闇雲にあちらこちらと確認したり、調べ回ったりしていると無駄が生じるだけでなく、自己判断の結論が結局違って調査時間を無駄にしてしまった...ということも起こり得る。また、外部パートナーに異常を調べてもらう際にスムーズ&スピーディに原因究明をしてもらうためにも、「明らかにおかしい」「ここはおかしくない」といった事象・事実を予め準備しておくのがお勧めだ。順序良く確認していくことで、原因や、自分自身で状況が把握できる箇所に辿り着きやすくなる。

ステップ1:Googleアナリティクスのバグが起こっている/いたかどうかを確認

まずは「Googleアナリティクス自身がきちんと動いている/動いていたか」を確認しよう。

G Suite Status Dashboard

https://www.google.com/appsstatus#hl=ja&v=status&ts=1479394799000

このWebサイトはGoogle社が自社のサービスのバグ・サービス停止状況を一覧化しているサイトだ。
「G Suite サービスレベル契約の対象外のサービス」セクション内に「Google Analytics」も記載されているので、データの異常がある/あった日時のサービス障害状況を確認しよう。ここにGoogleアナリティクスのバグ・障害が記載されていたら、データ異常の原因となる。該当の日時に何も記載されていなければ、ステップ2以降に進もう。

ステップ2:Googleアナリティクスのタグが正常に設置・動作しているかを確認

続いて、「Webサイト上でGoogleアナリティクスのタグ(トラッキングコード)が正常に動作しているか」を確認していく。
Googleアナリティクスは、HTML内に設置されたタグ(トラッキングコード)が正しく読み込まれ、Google社のサーバと通信を行わないとデータを蓄積できない。そのため、タグ(トラッキングコード)の設置状況や動作状況を確認する必要がある。
タグ(トラッキングコード)の設置方法に拠って確認ポイントは異なる。

Googleタグマネージャなど、タグマネジメントツールを使用してタグを配信している場合

・タグマネジメントツールのプレビュー機能を使ってタグが発火していることを確認する

タグ(トラッキングコード)をWebサイトのHTMLに直接記述している/外部ファイルに記載している場合

ブラウザにChromeを利用できる場合、Google社が提供するタグの動作状況を確認できる拡張機能「Google Tag Assistant」を使って動作状況を確認する

「Google Tag Assistant」のダウンロード・設定はこちら

ブラウザのデベロッパー(開発者)ツールを使い、タグの通信状況を確認する

Googleアナリティクスのリアルタイムレポート機能を確認

特定のページにアクセスし、ページビューが正常に発生しているかを確認する

ステップ3:Googleアナリティクスのタグをカスタマイズしていないかを確認

・直帰率・セッションのタイムアウト時間を修正していないか
・クロスドメイン分析を開始・停止していないか
・複数プロパティの並行運用を開始・停止していないか

ステップ4:Googleアナリティクス管理画面を確認

・プロパティ設定で変更がないか確認
・ビュー設定で変更がないか確認
・フィルタ設定で追加・変更・削除がないか確認

特にデータの異常に関連するのがフィルタ設定の追加・変更・削除だ。自分で設定していない場合、他の担当者や関係者が設定していることもあるので、アカウント欄の「変更履歴」から確認してみよう。
※「変更履歴」機能を閲覧できない場合は権限が不足しているので、管理者に確認する。

ステップ5:流入施策・状況の確認

ステップ4まで確認して異常につながりそうな設定の追加・変更・削除がない場合、実際の施策や外部要因がアクセス数に影響を与えていると考えられるので、下記の観点で確認していく。

集客施策に変化があったかどうかを確認

・広告の出稿量を増やした・減らした/停止したか
・広告のリンク先ページを別ドメインのサイトに変更したか

SNSや外部サイトでの施策状況を確認

・自社SNSに流入を増加させるような投稿をしたか

意図せず拡散・炎上などがなかったかを確認

・ニュースサイトやソーシャルメディアにリンクが設置されていないか
・共有や拡散が行われていないか

ステップ6:サイト内施策の確認

最後に、大幅なWebサイトの改修を行ってユーザーの行動が変わってないかを確認する。

・サイト内での導線変更・改善、コンテンツの削除や追加などを行ったかどうかを確認

まとめ

このように、データの異常があった場合、まずはバグないかを確認し、設定側を見直し、集客施策・意図しない流入などの有無を確認し、サイト内の改善や更新状況を見直す...といった、「マクロ⇒ミクロ」に向かってステップを踏んで行くと良いだろう。

設定に関しては、自社内で一括集約したり、他者が設定変更をしたという場合でも共有できるように仕組みにしておくなど、常に設定状況を誰もが把握できる形にしておくのが理想的だ。

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