コラム

マーケティング・オートメーションのスコアリングとは?スコアリング初心者におすすめのスコア設計方法

マーケティングコンサルタント 山田 俊也【文責】

スコアリングはマーケティング・オートメーションを代表する機能の一つです。特定の行動履歴や属性に対してあらかじめスコアをつけます。それを集計することで、顕在化している見込客(ホットリード)を抽出することができます。例えば、以下のように、スコア対象やリード抽出条件を設定します。

スコアリング例

スコアリングという機能については浸透してきていますが、「スコアリング設計がうまくできていない」「設定はしているが自信がない」などの声をよくお聞きします。本コラムでは、高いスコアを設定すべき属性や行動履歴を見極める方法についてご紹介します。

※関連ナレッジ資料※

高いスコアを設定すべき属性

抽出したホットリードをフォローする営業部に、部としてフォローしたい人の属性をヒアリングします。その属性(例:部長以上、従業員数が1000名以上、製造業 等)に対して高いスコアをつけます。

このようにすることで、営業部がフォローしたい属性を持つ見込み客がホットリードとして抽出されやすくなります。

高いスコアを設定すべき行動履歴

高いスコアを設定すべき行動履歴を見極める方法を2つご紹介します。

①過去お問い合わせや資料請求があった人の行動履歴を確認する

過去にお問い合わせや資料請求をしてきた人の行動履歴を複数名分確認します。複数名の行動履歴を見ていると、コンバージョン前の共通する行動履歴がぼんやり浮き出てきます。

■コンバージョン前の共通する行動履歴の例
 ●商材ページを閲覧
 ●1週間に何回もサイトに訪問
 ●自然検索経由で自らサイトに訪問  等

この共通する行動履歴こそ、顕在化している見込客特有の行動履歴と言えます。逆算して、これらの行動履歴に対して高いスコアを設定することで、ホットリードを抽出することができます。

注意点として、ある程度の行動履歴のログを貯める必要があります。マーケティングオートメーションツールを本格運用する前の段階であっても、各ページにマーケティングオートメーションツールのタグを、早めに設置することをおすすめします。

②自分が資料請求をした時の履歴を確認する方法

自社へのお問い合わせや資料請求数が少ない場合、おすすめする方法です。お客様として、企業サイトで資料請求や問い合わせした時の行動を振り返ります。

■自分が資料請求する前にとった行動履歴の例
 ●資料請求の前に、商材ページはもちろん、サポートページを見た。
 ●問い合わせする前に、その会社の事業内容や業績のページを見た。
 ●その会社が主催するセミナーに参加していた。

自分を"顕在化している見込客"とみなして、自分の行動履歴を振り返ります。

自分が問い合わせた商材と、自社が売りたい商材は異りますので、そのまま当てはめることは難しいですが、自分が顕在化した時の行動履歴も、高いスコアを設定すべき行動履歴を見極めるための重要なヒントになります。

スコアリングは「商談を創造する」というマーケティングオートメーションの使命に直結する重要な機能です。スコアリングは初期設定を終えたら終了、ではありません。実際に運用して、営業部からのフィードバックを参考に、スコアの微調整を繰りかえすことが非常に重要です。

初期の設定は悩み過ぎず、まずは設定を行い、そこからいかにPDCAを回しながら自社なりの最適化をしていくか。そこにこそ時間をかけるべきだと思います。

山田 俊也

マーケティングコンサルタント

山田 俊也

マーケティング戦略策定

BtoB企業を中心に、マーケティング戦略設計から施策の実行までサポート。Marketo Engageを使ったコンサルティングの実績を多く持つ。
社外に向けた無料・有料セミナーの企画、講師も担当。のべ50回以上の登壇実績。Adobe社が提供するMarketo Core Concepts Ⅱの講師を勤める。
育児のための長期休暇を取得、仕事復帰後は子育て奮闘中。

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