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アクセスログを営業活動に活かすための困難なハードル

2012年2月 8日(水)

取締役常務執行役員 遠藤美加【文責】

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サマリー

  • 通常のアクセス解析は、リード獲得段階の様々な情報を個人単位で把握することはできない。
  • アクセスログを営業情報や顧客情報と連携して活用する場合、アクセスログの設計の根本的考え方を変える必要がある。

多くの企業にとってアクセスログは、ここ数年の間に、サーバーに勝手にたまっているものから、積極的に「取得するもの」へと変貌した。これには、無 料で高機能なGoogleアナリティクスの普及が大きく貢献しているのは言うまでもないだろう。Googleアナリティクスは、サービス開始の2005年からずいぶん機能拡張を遂げ、今や数多の有料アクセス解析ツールと比べて遜色ないレベルへ進化している。
アクセスログが能動的に「取得するもの」になり、アクセスログの活用自体も大きく変化した。とりあえずサイトの現状を把握したり、SEOやリスティ ングの効果を確認するといった段階から、Web戦略を設計し仮説を検証するといった、攻めの視点でPDCAに取り組む企業が増えている。Webサイトの成 果を上げるためには、KGI(重要目標達成指標)を明確化し、KGIに至る中間指標(KPI)を設定し、PDCAを継続的に回していくといった考え方もあ る程度、定着してきた。
一方、企業の組織内ではここ10年程の間にIT化が進み、大量に電子化された書類や情報が蓄積されている。特に、従来、個人のスキルに大きく依拠し てきた営業活動の分野において、SFA(Sales Force Automation)と呼ばれる営業支援情報システムや、CRM(Customer Relationship Management)といった顧客関係管理のソリューション導入が進み、データ蓄積が進んでいる。最近ではこれらのデータとアクセスログをヒモ付ける試 みも行われている。
営業情報もしくは顧客情報と、アクセスログをヒモ付けることによって何がわかるのか?例えば、Web経由で資料請求のあったお客様が、過去にWeb サイト上で、どんな事例を閲覧しているか、また事例がたくさんある場合は、どのような条件で事例を検索し、絞り込んでいるか等、これまで把握できなかった 営業フォローに役立つ見込み情報を把握することが可能になる。こういったアクセスログの活用は、従来のWebサイトの動向をページ単位で把握するという考 え方ではなく、個人単位の行動履歴を継続的に蓄積することが必要となり、これまでのアクセスログの設計思想とは大きく異なる。

具体的にいくつか見てみよう。

  • Webを通じてのリード(見込み客情報)獲得については、リスティング広告が活用される場合が多い。リスティングの分析では、リスティングの管理 画面からは、出稿キーワード別にインプレッション数、クリック数・単価、コンバージョン数・単価といった広告効果は検証できるが、獲得した個人のリード情 報として、どのようなキーワードで検索して来たのかという情報は把握することはできない。
  • リスティングは、アクセスログを組み合わせることで、ページ誘導後の直帰率をキーワード別に把握し、ランディングページの改善(LPO)につなげ ることは可能だが、個人のリード情報として、どのページの場合は直帰し、どのページの場合は複数ページ回遊したかという情報は決して把握できない。
  • 最近では、複数の媒体効果を検証するアトリビューション分析が注目されているが、これも個人のリード情報として、どの媒体と接点を持ち、何回目に資料請求に至ったのかといった情報を個別に把握することはできない。

といった感じだ。

現状、多くの企業で、リード獲得段階の情報が、獲得後のリード育成段階には引き継がれていないケースが多い。短期的に受注が決まる商材の場合は、 リード獲得後は営業が刈り取りして終わりということでよしとしても、受注まで時間がかかる商材や、購買プロセスの川上から入り込む必要がある大型案件の場 合は、リード獲得段階の情報が個人単位の行動履歴として蓄積され、営業が把握できることは非常に重要である。

以下、リード獲得後の課題を図1~4でまとめたものだ。
※クリックすると拡大表示されます。

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今後、SFAやCRMとアクセスログを連携する取り組みは増えてくると思われる。弊社でも現在、いくつかの案件が進行中だ。アクセスログがWebサ イトの動向把握から、個人単位の行動履歴の把握へとフェーズが移った時、冒頭にあげたKGIやKPIの考え方も大きく異なってくるのは言うまでもないだろ う。このあたりについては、機会をあらためて言及したいと思う。

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    取締役常務執行役員遠藤美加
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