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Webガイドラインの変容と新たな可能性

2012年3月16日(金)

執行役員/大阪コンサルティング事業部部長 友田彰宣【文責】

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サマリー

  • 震災およびソーシャルメディアの伸長が、Webガイドラインのあり方自体を問うきっかけとなっている。
  • Webサイトは、各部門(現場)のすべてが何らか関わるメディアとして、活発かつ自由に活用する必要性が高まっている。

最近、自社のWebサイトおよびその周辺の運営方針(以下、Webガイドラインと記す)の見直しのご相談を受ける機会が増えている。
きっかけの1つは昨年の東日本大震災だ。大震災のような想定を越える災害や事故が発生し、多くの連絡手段が寸断された時に、Webサイトを利用して、お客様はもちろん社員含めた関係者へいち早く情報伝達するため、不測の事態に備えてどのような運営方針を整備しておくべきかというBCP(事業継続計 画)的な視点からだ。
もう1つのきっかけはソーシャルメディア対応だ。これまで企業が対外的に情報発信するのは広報や宣伝という一部の部署の人だった。これが Facebook、Twitter等が急速に浸透する中、社員個々が実名や所属する組織名を明かしたかたちで、情報を発信するケースが急増しており、たと え個人のプライベートな発信であっても、企業として何らかのラインを明示しておく必要が出てきている。

従来のWebガイドラインからイメージするのは、Web制作に関わるデザインやコーディングのルールが細かく既定されたものだ。こういったWebガ イドラインは、Webの専門知識に詳しくない発注側の担当者と外部委託業者間のコミュニケーションを円滑にすることが主な狙いだ。これが、前述した震災や ソーシャルメディアの影響もあり、Webに関わる組織としての行動指針およびポリシー的なものを包含するようなものへとWebガイドラインが拡張・変容し つつある。Web制作に関わる部分についても、外部委託業者とのコミュニケーションのためというより、むしろ社内のWebに関わる様々な部署と共有化する 指針やルールに重きが置かれてきている。

ここであらためて「ガイドライン」を辞書で調べると、「指針」ということばが出てくる。さらに「指針」を調べると、「物事を進めるうえで頼りとなるもの。参考となる基本的な方針、手引き」とある。ガイドラインは規則・規定を指すルールや、手引 書・手順書を指すマニュアルとは異なるものとある。

  • 指針
    企業としての理念や守るべき原則を明確にしたもの。
    あくまで方向性を示すものなので、目的達成までの具体的な手順や規則は明示されてない。
  • ルールやマニュアル
    制限事項が細かく定義されたもの。ルーティンワークを効率的に行うことを目的としているため、使用者は、それが何のために作りだされたかという本質を考える必要はなく、定められた規則に沿って行動することで、結果として目的を達成する。

昨今のWebガイドラインの変容、つまり細かいルールを規定したものから、指針を示すものへと変わりつつある流れは、Webが専門部署で管理する時 代から、各部門(現場)のすべてが何らか関わるメディアとしての権限委譲が進みつつあるとも読み取ることができるだろう。一定の守るべき制限をベースに、 目的を達成するために、各現場が自由に知恵を絞りながら、Webを活用するための指針と捉えると、ガイドラインに新たな可能性が拡がってくる。

企業のWebサイト構築・運用の仕事に携わっていると、様々なWebガイドラインに触れる機会を得るが、企業によってその内容は様々だ。Webガイドラインはある意味、その企業のWebサイトへの理解や活用の度合いを映し出す"鏡"であるとも言えよう。

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    執行役員/大阪コンサルティング事業部部長友田彰宣
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