

多くの企業にとってアクセスログは、ここ数年の間に、サーバーに勝手にたまっているものから、積極的に「取得するもの」へと変貌した。これには、無料で高機能なGoogle Analyticsの普及が大きく貢献しているのは言うまでもないだろう。Google Analyticsは、サービス開始の2005年からずいぶん機能拡張を遂げ、今や数多の有料アクセス解析ツールと比べて遜色ないレベルへ進化している。
アクセスログが能動的に「取得するもの」になり、アクセスログの活用自体も大きく変化した。とりあえずサイトの現状を把握したり、SEOやリスティングの効果を確認するといった段階から、Web戦略を設計し仮説を検証するといった、攻めの視点でPDCAに取り組む企業が増えている。Webサイトの成果を上げるためには、KGI(重要目標達成指標)を明確化し、KGIに至る中間指標(KPI)を設定し、PDCAを継続的に回していくといった考え方もある程度、定着してきた。
一方、企業の組織内ではここ10年程の間にIT化が進み、大量に電子化された書類や情報が蓄積されている。特に、従来、個人のスキルに大きく依拠してきた営業活動の分野において、SFA(Sales Force Automation)と呼ばれる営業支援情報システムや、CRM(Customer Relationship Management)といった顧客関係管理のソリューション導入が進み、データ蓄積が進んでいる。最近ではこれらのデータとアクセスログをヒモ付ける試みも行われている。
営業情報もしくは顧客情報と、アクセスログをヒモ付けることによって何がわかるのか?例えば、Web経由で資料請求のあったお客様が、過去にWebサイト上で、どんな事例を閲覧しているか、また事例がたくさんある場合は、どのような条件で事例を検索し、絞り込んでいるか等、これまで把握できなかった営業フォローに役立つ見込み情報を把握することが可能になる。こういったアクセスログの活用は、従来のWebサイトの動向をページ単位で把握するという考え方ではなく、個人単位の行動履歴を継続的に蓄積することが必要となり、これまでのアクセスログの設計思想とは大きく異なる。
具体的にいくつか見てみよう。
といった感じだ。
現状、多くの企業で、リード獲得段階の情報が、獲得後のリード育成段階には引き継がれていないケースが多い。短期的に受注が決まる商材の場合は、リード獲得後は営業が刈り取りして終わりということでよしとしても、受注まで時間がかかる商材や、購買プロセスの川上から入り込む必要がある大型案件の場合は、リード獲得段階の情報が個人単位の行動履歴として蓄積され、営業が把握できることは非常に重要である。
以下、リード獲得後の課題を図1~4でまとめたものだ。
※クリックすると拡大表示されます。
今後、SFAやCRMとアクセスログを連携する取り組みは増えてくると思われる。弊社でも現在、いくつかの案件が進行中だ。アクセスログがWebサイトの動向把握から、個人単位の行動履歴の把握へとフェーズが移った時、冒頭にあげたKGIやKPIの考え方も大きく異なってくるのは言うまでもないだろう。このあたりについては、機会をあらためて言及したいと思う。