コラム

最初の難関を最速で完了! ~タグ設置・サーバー設定~【Marketo導入日記-3】

マーケティングコンサルタント 山下 智【文責】

第1回ミーティング(キックオフミーティング後)に、最初に行った設定は、以下の3つです。

1. ユーザーアカウントの作成
2. トラッキングコードのWebサイトへの埋め込み
3. サーバーの初期設定
今回は大きく3つのカテゴリーに分けて説明いたします。

※関連ナレッジ資料※

ユーザーアカウントの作成

Marketoにログインできるユーザーを作成します。ユーザー数に制限はありません。

氏名とメールアドレス、権限を登録すると自動的にメールアドレスに招待メールが届きます。各ユーザがパスワードを登録することでログインが可能になります。パスワードは8文字以上かつ半角英数字を混在が必要です。また3ヶ月毎のパスワード変更の自動設定が可能です。

権限の設定は、デフォルトで以下の種類があります。

・アドミン
 管理セクションを含めたアプリケーション全体

・標準ユーザ
 管理セクションを除いたアプリケーション全体

・マーケティングユーザ
 管理セクションを除いたアプリケーション全体

・アナリティクスユーザ
 アナリティクスセクションのみ

・デザイナーユーザ
 デザインスタジオのみ

マーケティング部門には標準ユーザを、役員や上長にはアナリティクスユーザの権限をというように、自社にあった設定が可能です。また、Standard以上(※1)であれば権限の詳細をカスタマイズすることも可能です。

正規サポート連絡先を設定

MarketoにはWebサイトから問い合わせができるカスタマーサポートサイトが用意されていて、そのサイトに登録する場合は管理者登録が必要となります。

MarketoサポートからMarketoへ最初のログイン情報のメールが届いている管理者にメールが来ていて、カスタマーサポートサイトにログインし、その他のメンバーも質問が出来るように登録することができます。

作成できるサポート連絡先の数は、エディションによって異なります。登録数はマルケトサポートからのメールに記載されています。

トラッキングコードのWebサイトへの埋め込み

Marketoで使用するトラッキングコードはMunchkin(マンチキン)と呼びます。このトラッキングコードをデータを取得したいすべてのページに設置します。Munchkinを設置することで、Webサイトへの訪問者の行動履歴が取得できるようになります。複数サイトからの取得も可能です。

以下が、Munchikin(マンチキン)です。余談ですが、マルケトのプログラムコードは「オズの魔法使い」の登場人物の名称がつけられているそうです。



  • <script type="text/javascript">

  • (function() {

  •   var didInit = false;

  •   function initMunchkin() {

  •     if(didInit === false) {

  •       didInit = true;

  •       Munchkin.init('◯◯◯');

  •     }

  •   }

  •   var s = document.createElement('script');

  •   s.type = 'text/javascript';

  •   s.async = true;

  •   s.src = '//munchkin.marketo.net/munchkin.js';

  •   s.onreadystatechange = function() {

  •     if (this.readyState == 'complete' || this.readyState == 'loaded') {

  •       initMunchkin();

  •     }

  •   };


  •   s.onload = initMunchkin;

  •   document.getElementsByTagName('head')[0].appendChild(s);

  • })();


(〇〇〇には契約アカウントごとの変数が入ります。)

トラッキングコードには3種類あり、弊社はJqueryも使用しているため非同期タイプを選択しました。(JqueryとはWebサイトで使用されることが多いJavaScript用のライブラリのことです。)

・簡易タイプ
 Jqueryを必ず読み込む。Jqueryのバージョン違いなどで動かない場合があるため毎回読み込むので、既に読み込んでいる場合はページが重たくなる可能性有り

・非同期タイプ
 Jqueryを読み込む記述があれば読み込まない

・非同期 Jqueryタイプ
 絶対にJqueryを読み込まない

弊社はGoogleタグマネージャを導入しており、タグマネージャを使用しトラッキングコードを全ページへ配信しました。
タグマネージャ、外部ファイル読み込み、CMSテンプレート化等の対応が行われていない場合は、トラッキングコードを全ページに貼る作業が発生します。社内で対応がむつかしく外部パートナーに依頼が必要な場合は、別途費用が発生する可能性がありますので、事前に確認しておいたほうが良いでしょう。

キックオフが4月1日だったのですが、そこから3営業日以内に全ページへの配信が完了し、担当コンサルタントには「最速記録です!」との言葉をいただきました。

サーバーの初期設定

デフォルトではMarketoで作成するページやメール内のリンクはすべてmarketoドメインで生成されてしまいます。自社のドメインで使用するために下記の設定が必要となります。

ランディングページURL CNAME変更

ランディングページに使用するURLのCNAME変更設定を行います。ランディングページ作成機能で作成したページなどのURLに設定したものが反映されます。

基本は自社ドメインにサブドメインを設定します。infoやoffers、pagesなどにすることが多いようで、弊社はpagesを使用し下記のようなURLになります。

https://pages.powerweb.co.jp/
※2 SSL対応については後述

メールデリバラビリティ

Marketoから送信するメールがなるべくファイアーウォールで止まらなく、迷惑メールフォルダにも分類されず、より多くのリードに配信されるために2つの項目を設定します。

■CNAME変更
ランディングページと同じようにCNAMEを変更し、自社ドメインに変更します。変更前はマルケト社のドメインになっており、送信者のメールアドレスと異なるため受信者の設定によっては リードに届くまえに弾かれてしまう可能性があります。ですので、自社のブランドドメイン化の強化と受信者からの信頼の増加のために変更は必須です。弊社ではgo.powerweb.co.jpというサブドメインを指定しました。

■SPF/DKIM
この設定を行うことで、Marketoから送信するメールがスパムではないと保証することができます。Sender Policy Framework(SPF)とDomain Keys Identified Mail(DKIM)を変更します。

サーバ設定の変更に関しては私はある程度知識があり、直接変更依頼を出すことができましたが、知識がない場合や、企業に所属している場合は管理をしている情報システム担当者にお願いすることになります。手順書などは用意されていますが、これらの設定が遅れてしまうと初回タギングメールやフォーム作成、匿名での行動履歴の取得に遅れが出てしまいます。導入が決定したら、予め担当者へこのような作業が発生すると連絡し、リソースの確保が必須となります。

以上のように、Marketoを利用するには多くのシステム設定を終える必要があります。一般企業のマーケティング担当者には難しく苦手意識があるかもしれませんが、実際にツールを利用するにはシステム担当者とこの壁を乗り越えなくてはいけません。

次回はリードのインポートや初期のスコアリング設定、フォーム移行についての流れを説明したいと思います



※1 その他にもエディション毎に使用できる機能に差がありますので、こちらのページからご確認ください。

※2 ランディングページなどのSSL対応について
弊社は個人情報保護マークを取得しており、SSL対応できていないことが指定されました。 マルケト社の別メニューにSSL対応がありますので、そちらを利用することになります。 依頼すると、グローバルチームよりSSL対応がなされ、httpから入っても自動的にhttpsに繋がるようになります。

Marketo導入日記:連載一覧

第1回:急転直下で決まったMarketo導入 ~導入決定の経緯とLaunch Pack申込み~

第2回:短時間で「決めて・進む」 ~社内の役割分担と目標の設定~

第3回:最初の難関を最速で完了! ~タグ設置・サーバー設定~

第4回:スピード優先で進めた本格稼働前夜~リードのインポート・フォーム移行など~

第5回:営業との連携を考える ~Salesforce同期・ライフサイクルステージ~

マーケティングオートメーション導入のプロローグ、Salesforce導入日記はこちらから

HubspotからMarketoへ 自社のマーケティングオートメーション導入の背景

Salesforce導入日記-1:自力でがんばった!1ヶ月足らずでの単独稼働まで



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山下 智

マーケティングコンサルタント

山下 智

マーケティング戦略策定

Webコーダー/デザイナーを経て、Webディレクターとして数多くの企業サイトの企画~設計~制作を手掛ける。
2014年には自社へのMarketo導入を推進、短期間で運用を軌道に載せる。その後、Adobe Marketo Engageのパートナーとして70社以上のMarketo Engage支援を担当。
BtoBはもちろんBtoCまで、幅広い経験値をもつ。
最近はMarketo Engageだけでなく多様なマーテクの活用支援、より難易度の高いテーマを担当している。
無類のクラフトビール好き。 No Beer! No Life!

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