コラム

シナリオ設計でWebの引き合いの質を上げる

今回は弊社サービス「ウェブ営業力有効度診断」を通じてBtoB企業のWebサイトを改善した事例をご紹介します。
サイト訪問者の特性に合わせたシナリオを設計することにより、引き合いの数だけでなく、質を高めることに成功しました。

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マーケティング担当者の悩み

システム会社A社にとってのWebサイトの役割は、契約獲得に向けて、引き合いを取り営業担当者へ引き渡すことでした。しかし、現状のWebサイトにおいては、「引き合いの数はあるものの、引き合い獲得後の成約率が低い」という問題を抱えていました。

そこでWebサイトからの引き合いの成約率を高めていくために、現在のWebサイトのどこが問題なのかを把握したいというご相談をいただきました。

診断から見えてきた問題点

事前にA社へヒアリングを行った結果、以下の点が確認できました。

●営業現場では、従業員100人未満と100人以上の規模別にターゲットを分けている。
●従業員100人未満の企業に対しては、価格メリットが強く他社と比較しサービスの競争力がある。
●従業員100人以上の企業に対しては、課題解決に向けた提案力・営業力に自信がある。

その後、ウェブ営業力有効度診断を実施したところ、診断軸5軸のうち、特に下記3つの軸において問題を確認しました。

戦略軸

企業規模別にニーズを把握していたものの、Webサイトにはそれぞれのターゲットを意識したシナリオが設計されていない。

コンテンツ軸

課題解決に向けたノウハウ系のコンテンツは充実しているが、サービス紹介ページと連携した自社の強みを理解させるコンテンツが用意されていない。

営業連携軸

ホワイトペーパーダウンロード、資料請求、見積もり依頼といった確度の異なる引き合いに対して、全て同じような営業対応を行っており、優先順位がつけられていない。

診断結果をふまえた改善ポイント

1.従業員100人未満の企業に対してのシナリオ設計

従業員100人未満の企業においては、比較的決裁権限を持っている担当者の訪問が多く、契約獲得に近い状況にあります。訪問者は、価格比較して発注 先を決めようとしているにもかかわらず、自社の強みである豊富な機能や価格メリットに関する情報が不足しており、ほとんどの成果が資料請求どまりとなって いました。
そこで、競合他社との比較コンテンツを活用し、自社の強みをしっかり訴求し、「相談申込み」へ引き上げる流れをつくりました。

2.従業員100人以上の企業に対してのシナリオ設計

従業員100人以上の企業においては、課題解決に向けたノウハウ系のコンテンツに関心があり、興味付けはできていたのですが、誘導先がホワイトペーパーのダウンロードとなっており、サービスの理解促進ができていない状態でした。
よって、ノウハウ系コンテンツからサービスページへ誘導し、サービスを理解させたうえで、見積もり依頼やお問合せへ誘導する導線設計を行いました。

Webサイトの戦略を考える上で、ターゲットを明確にし、ターゲットのニーズを理解したうえでWebサイトに反映させることが必要です。今回の事例は、従業員数100人未満と100人以上のサイト訪問者を切り分けて考え、それぞれのターゲットに対してシナリオを設計することで、引き合いの質を高めました。 営業現場ではターゲットによるニーズの違いを把握していても、Webサイトには反映されていないケースを多々見かけます。ターゲットの視点に立って一歩踏み込んだシナリオを設計してみると、ターゲット側から近づいてくれるのではないでしょうか。

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