朝活マーケティングの可能性:早起き習慣が開く新たな市場

朝活を取り入れる人々の生活スタイルには、独自のリズムと価値観があります。この「朝活層」をターゲットにしたマーケティングは、これまでにない可能性を秘めています。本記事では、朝活ユーザーの購買行動や、彼らに響くマーケティングアプローチを具体的にご紹介します。
実は私自身も、3人の子ども(小学生と幼稚園児)の育児とフリーランスでのフルタイム勤務に追われる中でも、朝活を続けています。その経験をもとに、朝活を楽しむコツや実践的なヒントもお届けします。

朝活とは?

2008年頃から人気

経済ジャーナリストの池田千恵さんが提唱した「朝活手帳」や、朝の時間を利用して勉強会やワークショップを行う「朝活コミュニティ」が広がりました。これにより、朝の時間を仕事や自己啓発、趣味などに活用する人が増えていきました。*1

2023年のクロス・マーケティング社の調査によると、日本国内で朝活をしている人の割合は13.3%で、過去に経験がある人を含めると24.3%になります。
特に女性の20代と30代では朝活に対する意向が高く、4割以上が朝活に興味を示しています。
一方で、男性の20代では37.3%が朝活経験者で最も多いとされています。*2

朝活市場拡大の要因

コロナ禍もあり、近年働く人々のライフスタイルは大きく変化しました。テレワークが増えたことで通勤時間を別のことに使える人が多くなったり、健康志向が高まったりしたことが朝活の活発化を促したと言えるでしょう。

2021年の総務省による社会生活基本調査結果では、「学習・自己啓発・訓練」の行動者率は39.6%で、2016年と比べ2.7ポイントも上昇。男性は3.3ポイント、女性は2.1ポイント上昇しています。年齢別で見ると30~34歳で7.1ポイント、35~39歳では6.6ポイントそれぞれ上昇しており、30代の上昇幅が大きくなっています。*3

なぜ朝活をするのか?

集中できるから

朝は静かなので、何といっても集中できる、というのが大きなメリットです。
特に小さいお子さんがいらっしゃるご家庭などでは、子どもたちが寝ている間というのは貴重な時間になります。
シーンと静まり返った家の中だと、頭もクリアになっている気がします。
「集中できるから」と早朝3時くらいに起きて仕事をしてる人もいます。

体調が整うから

「早起きは三文の徳」とはよく言いますが、早く起きて日光を浴びる、というのは健康にとてもよいそうです。
また朝の時間に軽い運動をすることによって身体も目覚めるので代謝が上がりますし、その日1日を快適にすごすことができます。

1日が充実したものになるから

「早起きをした」「朝からやりたいことをやった」という満足感を朝活で得ることができます。この満足感はその日1日の充実感にも影響します。
朝活をすることで自分を褒めてあげることができます。大人になるとなかなか人から褒められることも少なくなってくるかと思いますが、自分で自分を褒めることはとても大切です。

朝活を続けられる人の特徴とは?

健康意識が高い

朝活では一般的に健康維持やメンタルヘルスの向上、生活の質の改善を目的として行われることが多いです。 具体的な朝活の内容は「散歩・ウォーキング」、「お茶やコーヒーを嗜む」「ジョギング・ランニング」、「モーニングカフェに行く」、「読書や趣味の勉強」などが多いようです。
特に50~60代では「散歩・ウォーキング」をしている、もしくはしたいという人が多くなっています。*4

時間管理の意識が高い

朝活を行うには早起きや生活スケジュールを見直すことが必要です。そのため朝活を続けられる人は時間管理や計画性が高い方が多いと推察されます。

仕事や子育てをしながらでもできる朝活継続のヒント

実は私も参加している2つのコミュニティで半年くらい朝活を続けています。
トレーナー仲間と一緒に骨格を整えるトレーニングをして、自主練で表情筋のトレーニングをしています。
ママさん向けのコミュニティの朝活では、手帳にタスクを書いたり、子どものいいところを書いたり、読書やヨガをしている人もいます。

朝活を続けている中で、友人との話からも継続のポイントとなった点がいくつかありましたので、ご紹介します。朝活層攻略の切り口の参考になれば幸いです。

グループで取り組む

自分一人ではすぐ怠けてしまったりして朝活を続けることが難しいこともあります。
しかし、同じ目的を持つ仲間や友人と一緒に、グループで朝活をすることで継続につながっていることを実感しています。

明確でワクワクできる目標をたてて、そのために朝活を活用する

朝は静かで集中できるとはいえ、起床時間をこれまでよりも早くするなどの変化が必要になりますが、それを実行できるためには目標が必要です。 そこで重要になるのが目標のたて方です。

Point1 自分がワクワクできる目標にする

Point2 具体的な数値を入れたりするなど、明確な目標にする

※ボディメイクでの例
あまりよくない例)痩せる
よい例)骨格を整えてくびれを作る・脚が細くなってスキニーデニムを履きこなせるようになる・お気に入りの服で友達とランチに行く

この2つのポイントを押さえて、さらにこの目標を紙などに書いて身近なところに貼ったりすることで意識も高まります。

未来の自分の時間を「予約」する

明確な目標を立ててやる気は十分!・・・とはいえ、習慣化させるのはなかなか難しいです。
そこで大事なのは未来の自分に朝活の時間を「予約」すること。
特に朝は色々やらなければならないことが多いと思いますので、朝活の時間を確保することが必要です。
未来の自分に予約をしておけば、朝活の時間に合わせて他のタスクを効率的に進めることができます。

アウトプットをする

仕事などでは報告をしたりされたりすることも多いと思いますが、プライベートでもアウトプットはとても大切であると最近感じています。
読書でもヨガでも散歩でもトレーニングでも、朝活で何かをしたら「する前と後でどんな変化があったか」「どんな学びがあったか」などをぜひ振り返ることが効果的です。振り返りをすることで定着率も高まります。

また、ちょっとしたことでも自分の中の変化を感じられるようになると、「ここが変わった✨」「自分頑張ってる✨」・・・と自分で自分を褒めてあげることができるようになります。
スモールステップ(小さな一歩)でもできた自分を認め、それを続けていくことで自分のご機嫌も取りやすくなっていくのでおすすめです。

まとめ

朝活層は新たなマーケティングターゲット

朝活を行う人たちは健康意識が高く、時間管理にも敏感です。新しい習慣を取り入れることに積極的で、自己成長や生活の質を高める意識が高いことの現れでもあります。このため商品やサービスにも柔軟に対応する受容性の高さがあると考えられます。

また、朝活層は自発的にライフスタイルの改善を志向するため、ポジティブなメッセージに反応しやすい可能性が高いです。プロモーションには希望や成長を感じられるストーリー性を持たせることが重要です。

朝活層の購買傾向を活かす具体例

朝活層の購買意欲を活用するマーケティング施策には、健康志向の商品や早朝特化型サービスが効果的です。例えば、栄養バランスに配慮したプロテインバーや朝活に適した運動用具などが注目されます。これに加え、オンラインセミナーやモーニングカフェでの特別メニューも支持を得やすいでしょう。

朝活市場の成長予測

朝活は一時的なブームではなく、ライフスタイルとして根付いてきています。モーニング文化のさらなる広がりやテクノロジーを活用したサービスの登場が予想される中、企業にとって朝活市場への対応は大きなチャンスとなるでしょう。

この記事を書いた人

齋藤のぞみ

長年、菓子メーカーにてマーケティング(商品企画・宣伝販促)に従事。現在は個人事業主としてMA運用代行および骨格を整えるトレーナーとして活動中。

*1:【2024年度版】今人気の朝活8選!健康的な生活におすすめの朝活とは?|HAPPINESS! magazine(ハピネスマガジン

*2:朝活に関する調査(2023年) | リサーチ・市場調査ならクロス・マーケティング

*3:令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果 結果の概要

*4:朝活に関する調査(2023年) | リサーチ・市場調査ならクロス・マーケティング