事例

情報通信機器メーカーX社様がMarketo導入コンサルティングのQuick Start Packを採用。お客様のサービス利用状況に合わせた情報提供を実現。

ビジネス形態
BtoB
業種
情報通信機器
規模
18000人
成果
Marketo基本操作の習得。イベント事務局作業の効率化。Webサービスのフリープランから定額プランへの移行率が改善。
利用サービス

1. X社の目標と課題

情報通信機器メーカーX社は、コンシューマ向けとして発売された製品Aを、BtoB市場へと対象を拡大。併せてBtoB専用に製品Aに付随したWebサービス事業を開始。Webサービスはフリーミアムモデルで、お試し用のフリープラン(無料)と、さらに便利な機能を選べる定額プランを提供している。 サービスを開始して約1年、フリープランの登録数は、商材の認知拡大や販売台数に付随して順調に伸びている一方、定額プラン会員は業務提携等による一部の大規模ユーザーに限られており、フリープランから定額プランへの引上げが課題となっていた。フリープランから定額プランへの移行率は数パーセントという状況で、まずは10%越えが当面の目標だった。

2.現状のマーケティングプロセスと問題点

X社ではこれまで、フリープランの登録数が増えることに重きをおいており、定額プランへの引き上げを促進するような施策は特に打っていなかった。唯一、フリープラン向けに定期的に開催している「使い方セミナー」で、定額プランの紹介を行っている程度だった。

3. パワー・インタラクティブの支援内容と改善施策

Webサービスを立ち上げて1年が過ぎ、なかなかスケールしないフリーミアムモデルの状況を打破するため、当事業担当部門が主体で、マーケティングオートメーションツールMarketoを導入。成果を少しでも早く出すため、パワー・インタラクティブの導入コンサルティングメニュー「Quick Start Pack(QSP)」を利用。約3カ月間、毎週コンサルティングセッションを行い、短期集中でマーケティングオートメーションツールの導入を推進した。 パワー・インタラクティブは、Marketoの「イベント管理」機能を使い、X社が全国で開催しているセミナーの業務負荷の軽減を行うと同時に、「収益サイクルモデラ」機能を使って現在蓄積されている会員のステージ定義を進めた。

3-1.サービスの利用頻度によって、お客様をいくつかの段階(ステージ)に分ける

X社のWebサービスの会員区分は無料会員と有料会員の2つに分かれている。無料から有料に至るプロセスを「サービスの利用頻度」により、いくつかの段階に分けることで、ユーザーの状況に合わせて適切な施策を打つことができるよう検討を行った。 具体的には保有していた3000件のリードを、「リード」「フリー(無料)」「フリー(無料)活用」「有料」「有料活用」「フリー休眠」「有料休眠」「解約直前」「解約」「対象外」の計10のステージに分け、それぞれの状態を定義した。 例えば、「リード:企業名、個人名、メールアドレス取得」「フリー:フリープランアカウント開設済み」「フリー活用:画像〇枚以上のアップロードもしくはツアーを〇個以上制作している」「有料:有料プランの契約済み」「有料活用:有料プランを契約中かつ、月〇回以上サービスを利用している」といった具合だ。 しかし、ここで壁にぶつかる。Webサービスのシステムの制約により、サービスの利用回数をマーケティングオートメーション側で取得できないことが発覚する。取得できるようにするには別途システム開発が必要となり、予算的な負荷に加え、スケジュールに大きな影響を及ぼしてしまう。いったんプロジェクトは暗礁に乗りかけたが、サービス利用回数の代わりに「ユーザーがログインした回数」で代替することを提案し合意を得た。

3-2.あるステージから次のステージに進んでもらうための施策を検討

10のステージの定義を明確化することで、あるステージから次のステージへと会員に進んでもらうためには、何が問題でどうすれば会員の問題を解決できるのかといった仮説が検討しやすくなり、具体的な施策に落とし込みやすくなり、さまざまなアイデアが出るようになった。 例えば、「無料会員登録したばかりのユーザーに対しては、まずはサービスを使ってもらうため、使い方をレクチャーする電話会議システムへの誘導をメールで行う」「一定回数以上配信を行い、反応のないユーザーは「休眠」ステージとし、しつこくメールがいかないようにする」「電話会議に参加して基本的な操作を学んでもらった後は、セミナー参加を促す」等々、Webサービスへのエンゲージメントを高めることで、有料会員へと育成していく狙いだ。

3-3.お客様の育成プロセスを見える化する「成功パスアナライザ」を使用

定義した10のステージは、Marketoの「成功パスアナライザ」機能を使い設定を行うことで、ステージごとのリードの件数や推移がわかるようになる。 例えば、今月「フリー活用」から「有料」へ移行した会員は何人いて、そのうち同月内に「有料活用」まで進んだ会員は何人なのか、といった定義したステージごとの流入、流出がわかる。 すなわち、成果がでている育成プロセス、成果が出ていない育成プロセスが判明し、施策を見直すべき育成プロセスがわかる。 一般的にステージの定義は、カスタマージャーニーのように概念的なものになりがちだが、Marketoでは「収益サイクルモデラ」「成功パスアナライザ」機能を使うことで、ステージをベースにお客様の育成のプロセスを見える化することが可能になる。このステージをいかに設計し、実際の施策と連動させるかが、マーケティングオートメーション活用の重要なポイントになる。

3. パワー・インタラクティブの支援内容と改善施策

4. 成果

当初、フリープラン登録から定額プランへの移行割合は数パーセントという状況だったが、導入半年で目標の10%を越え、その後も順調に伸びている。 X社の当プロジェクトのリーダーは、「数値的な目標のクリアはもちろん重要だが、Marketoを導入し、ステージを10に分けることで、会員の状態が見える化し、施策アイデアが生まれやすくなり、マーケティングを戦略的に進めている実感を持てるようになったことが何よりの成果」という。 X社では、現在、フリープランから定額プランの移行促進に加え、定額プラン移行後のサービス利用の活性化施策や、解約防止施策など、新たなシナリオを追加し、次に向かっての効果検証を進めている。

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