コラム

Googleアナリティクスからのメールが届かない!?【セミナーでは教えてくれないGA運用のコツ】

Googleアナリティクスの設定や運用に関して、アナリスト・テクノロジストが実際に経験したケースを元に、"Googleアナリティクスのセミナーなどでは大きなトピックとはならないが、現場での運用においては押さえておきたい"コツや注意点をご説明する。
今回は、「Googleアナリティクスで使うメール配信機能」について検討する。

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ケーススタディから

メール配信機能を設定して、実際に運用していただいた際に起こった事例をピックアップしてみる。

事例1:メールレポートが届かない!
Googleアナリティクスの各レポートやカスタムレポートを定期的にメールで配信する「メールレポート」機能。

指定したメールアドレスに、PDFやExcelでレポートのエクスポートデータが送られてくるので、状況を共有したり、リマインダとして使ったりするなど、応用範囲は広い。

カスタムレポートをPDFにエクスポートしたレポートを添付したメールを定期的にWeb担当者・営業担当者に配信されるように設定。

しかし、運用開始間もなく担当者から連絡があり、メールが配信されなくなったとのこと。
状況を担当者に確認すると、そのメール受信を意図せず拒否されていた。

再度メール配信の設定をしようとしたがそのままでは復活できず、最終的に「送信設定をするログインアカウントの変更」という設定で対応した。

事例2:インテリジェンスイベントの通知が届かない!
Googleアナリティクスのレポート画面内に「インテリジェンスイベント」という項目がある。
数値の変化やその原因をモニタリングしている機能である。「カスタムアラート」として任意で条件を作成することもでき、集客施策の実施時や、異常値の検出などに使われる。

さらに、カスタムアラートで設定した条件を満たした際に、通知メールを配信することもできる。

カスタムアラートと通知メール配信を併せて設定してテストを実施。設定を担当したテクノロジストには通知メールが届いたが、一部の担当者は受け取れなくなったとのこと。

状況を確認すると、メール受信を意図せず拒否されていた。

設定を削除して正式な設定を別途行うことに。

「意図しない受信拒否」にご注意

いずれの機能も、企業内でアクセス解析を行っていくに当たっては非常に便利ではあるが、Googleの提供するインターフェースに拠って「意図しない受信拒否」が起こっている。

Googleから送られてくるメールの中で、「受信拒否設定」に遷移するリンクや、そのリンクからアクセスされる受信拒否設定画面内のボタンがとても目立っており、ついクリックしてしまうのである。

また、これらのメールや設定画面内の記述にカタカナの専門用語や英語が含まれていたり、ボタンに「Yes」が含まれていたりするなど、「このリンクを辿っていけばレポート画面に遷移するのだろう」と思ってしまう要素が多く含まれている。

事例1の場合

事例2の場合

これらは、「受信拒否に関するリンクやボタンをクリックしないようにする」という注意点を予め知っておかないと防ぐことが難しいと考えられる。

メール配信設定時の社内周知が重要

Google側が不親切なのではなく、「オプトアウト=受信拒否」関連の設定を容易に行えるようにという配慮と考えられるので、その意図は理解しておきたい。

しかし、事例で紹介したようなケースが起こりうることを、メール配信の設定と併せて受信する担当者に周知したり、教育マニュアルに組み込んでおくのが望ましい。

受信拒否をしてしまうと、Google側の仕様として「メール配信設定を行った管理者のログインアカウント(メールアドレス)からのメールを、拒否したメールアドレスに二度と送信しない」という形で処理されてしまう。
そのため、再度配信設定を行うには、「メール配信設定を行う管理者を変える」必要があるなど、設定作業の時間が必要となってしまうので注意が必要だ。

仕様を把握して怖がらずに活用を

このように、少々"癖のある"メール共有機能だが、冒頭でも書いたように応用の幅の広い機能である。
また、今後はWeb担当者以外の部署や担当者ともアクセス解析のデータを共有するのが当たり前のこととなってくる。
運用時の注意点を念頭に置きつつご活用いただきたい。

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