コラム

入社3ヶ月の新人が全社員に向けて自社サイトの分析・改善提案をした結果

私は2022年7月にパワー・インタラクティブに入社し事業開発部に配属された。弊社では入社後3ヶ月のオンボーディング期間の集大成として、全社員の前で自社サイトのアクセスログ解析・改善提案のプレゼンを行う文化がある。 また、リモートワークが中心だが、年に2回全社員がオフラインで集まるAll Meetingの場が設けられている。幸運な事に私の入社3ヶ月終了のタイミングとAll Meeting実施のタイミングが重なった。そのため、オフラインの場にてデジタルマーケティングの専門家である社員達に向けて自社サイトの分析・改善提案を行う形となった。とても緊張し、準備が難航したのはいうまでもない。本稿では、私が自社サイトのサイト診断として行った内容の他、当日のプレゼンからの学び・反省、準備したことについて記述していく。

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サイト診断概要

自社サイトのサイト診断を行うにあたり、以下の3つの軸から分析し改善提案を行った。

1.アクセスログ分析
2.競合診断
3.SEO診断

それぞれの内容について説明していく。

写真1:当日の様子

アクセスログ分析

アクセスログとは、自社サイトに訪問した人の人数や行動履歴のことを指す。Googleアナリティクス(UA・GA4)を通じて確認することができる。今回は2020年度と2021年度のデータを元に、流入・回遊・成果の観点で比較検討を行った。その結果、課題としては以下の3点が明らかとなった。

1.アクセスを集めているページの情報が古くなってきており更新が必要であること
2.直帰率の高いコンテンツが多く、回遊させるための施策が必要であること
3.全社的に力を入れている領域のコンテンツへのアクセス数が少ないこと

競合診断

競合診断では、以下の6つの観点からパワーインタラクティブと競合する2社を比較した。

1.認知獲得
2.課題解決
3.サービス理解
4.企業理解
5.営業連携
6.デジタルマーケティング環境

各項目について、一定の基準で点数づけを行った。これを行うことで自社の強みや弱み、他社の強みや弱みを相対的に評価することができる。診断の結果、パワー・インタラクティブは認知獲得・営業連携は他社と同等以上の点数であることに対して、課題解決・サービス理解・企業理解についてはやや劣る結果となった。

SEO診断

Semrushというツールを用いて、以下の観点から診断を行った。

1.パワー・インタラクティブと競合他社の間で重複している検索キーワードの量
2.獲得しているバックリンクの量
3.競合サイトへのアクセス状況

同業他社5社との比較をしてみると、想定よりも競合しているキーワードの量は少なかった。後から知った事ではあるが、WEB上では競合だと認識している企業とあまりキーワードが重複しない事がある。もちろん、想定していない企業が(WEB上で)競合となっている場合もあるので定期的にチェックを行う必要がある。 また、自社はバックリンクの量は多いが、参照ドメイン数が少ないこと、コンテンツの量が他社に劣る点が課題であった。

改善提案

上記の結果を踏まえて以下の3つの観点から改善策を提案した。

1. コンテンツ作成

自然検索からの流入を目的としたコンテンツとバックリンクを獲得することを目的としたコンテンツを分けて作成する。前者は検索ボリュームが一定数以上あるキーワードかつ検索順位が1位を狙えるようなもの、後者は他社事例の紹介や他社との共催セミナー等が当てはまる。

2. 回遊

関連の強いコンテンツの内部リンクを設置することでユーザーの悩みを解決できるような仕組みを作る。また、悩みの解決方法として自社サービスの提案およびサービスページへの内部リンクの挿入を行う。

3. 成約

条件つきで一部資料を閲覧できるような仕組みを導入する事でマーケティング活動に必要な情報を収集する。

分析レポートのプレゼン

社員20名ほどが集まる中、プレゼンを行った。始まるまでは緊張していたが、始まってしまえば伝えたい内容をどう話したら伝わるか、という点に意識が集中し緊張が解けていた。

写真2:発表

当日までの準備・反省

最終的にプレゼン資料は60枚ほどのスライドとなった。制作期間は概ね2週間程度であるが、プレゼン当日までメンターにチェック依頼・細かい修正を行うなど作成スケジュールに余裕は持てなかった。資料の完成が遅れた事でメンターや上長からのフィードバックを得る機会や、よりよい資料にするための提案をもらう機会が減少した。今後は資料作成に必要な時間の見積もりに想定よりも多めのバッファを持たせるようにしていく。

先輩社員からのフィードバック

プレゼン中の質疑応答はもちろん、終了後も個別に先輩社員達から意見・アドバイスをもらえた。そのおかげで私自身の自社サイトへの理解が足りていなかった部分に気が付くことができたり、先輩社員の方々がどういう視点でサイトを見ているのか、という点でとても勉強になった。こういうレベルの高い方々と今後も一緒に仕事をしていけることがとても楽しみでもある。

また、自分があまり問題意識を持てていなかった部分についての鋭い指摘をしてくれた先輩社員に対しては「こういう人になりたい」という気持ちを抱いた。背中を追いかけるだけではなく対等な立場で議論ができるように今後も自己研鑽に励んでいく。

写真3:サイトの方向性について意見を交わした

まとめ

オンボーディング期間に学んだことの集大成として、自社サイトのアクセスログ分析・競合診断・SEO診断および改善提案を行った。本件を通じてサイトの分析の流れやそれにかかる工数を把握することができた。また、先輩社員からの指摘によって自分の中でのサイト分析の引き出しを増やすことができた。「こういう人になりたい」と後輩社員に感じてもらえるように、日々の業務に精一杯取り組んでいこうと思う。

土原浩平

マーケティングデータアナリスト

土原浩平

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