コラム

エンゲージメントカードでチームの価値観を言語化してみた

マーケティングコンサルタント 松實 美樹【文責】

2021年11月16日、パワー・インタラクティブ大阪オフィスにて事業開発部のリアルミーティングを開催した。これまでオンラインでの開催だったが今回はリアルで集まることができた。

事業開発部は新規事業の企画開発とサービスの提供を担う部門で、年齢やバックグラウンドも異なるメンバーが集まっている。2021年4月に部門が発足したものの、リモートワークのため部員7名が一同を介することはなかった。
そうした背景を踏まえ、ミーティングの目的はチームワークを発揮するための相互理解となった。
この部門でチームワークを発揮していくため、ミーティングでは個人の価値観をチームの価値観に統合するワークショップを「エンゲージメントカード」を使って行った。

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ワクワクする最高のチームをつくるエンゲージメントカード

「エンゲージメントカード※」は様々な価値観が描かれたカードを通じて、自分や相手の価値観を発見・共有するためのカードだ。例えば野望、家族などイメージを想起させるカードが多かった。このカードでお互いの価値観を共有することで相互理解が深まり、心理的安全性を高めることができる。
※開発会社:株式会社トリプルバリュー
製品サイト:https://engagement-card.com/index.php

エンゲージメントカードでは下記の流れでお互いの価値観を共有し、チームの価値観へと統合していく。

写真1:ワークショップの様子

①個人の価値観の共有
カードをランダムに7枚ずつ配り、残ったカードは山にしてテーブルの真ん中に伏せて置く。
自分の価値観と合わないカードを手放しながら、カードの山がなくなるまで山・捨て札から引いては捨てていく。
その後、最後に残った7枚を残した理由や解釈を説明し、お互いに質疑応答を行う。

②チームの価値観の創造
前のワークで発表した価値観から、似た価値観や合わせられそうなものをグルーピングしていく。
整理した価値観の中から、チームとして大切にしたい価値観を3-5つ程度に絞り込み、それぞれの解釈や意味をチームで話し合ってチームとしての価値観に統合する。

部内の共通価値観は、心と身体のバランスが取れた専門家

ゲーム開始当初は淡々と進行していたが、選べる捨て札が充実してくると徐々に賑わい始めた。手札が揃いだすと、その人らしいカード群に意外なカードが混じっていたりと人となりが見えてくる。
また、カード選択時に「野望を捨てて自由を得ます」など個性的な発言が飛び交い盛り上がった。
山札を崩し終わった後、各々が手元に残したカードについて説明していく。
人によりその価値観を選んだ理由は異なり、仕事の中で大切にしていること、最近になって意識し始めたことなど様々な内容を話した。
その後グルーピングを行い、最終的に事業開発部の5つの価値観は下記に絞り込まれた。

①根気・忍耐力(一つの物事を途中で投げ出さず我慢強く行う力)
新規事業を生み出す部門であるため、投げ出さずにやりつづける

②遊び心(ゆとりや、洒落っ気、ユーモアにあふれていること)
新しい発想を生みだすには遊び心・好奇心が不可欠である

③プロフェッショナル(専門性を持ち、一流の仕事をするその道のプロ)
エンジニア・オペレーターとして専門知識を持つべき

④ウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態)
身体的・精神的にゆとりを持って仕事に取り組みたい

⑤ロジック・論理(物事や考えを順序立てて説明する道筋)
サービス提供・研究開発に時間を割くため、合理的に無駄を省く

他部門でも同様にエンゲージメントカードを行い、コンサルティングサービスを提供する部門では「信頼」「感謝」、自社マーケティング・セールスを担う部門では「好奇心」「コミュニケーション」など部門によっても特徴があった。

事業開発部の価値観の中では「プロフェッショナル」、「ウェルビーイング」に重点を置いていた。今後はこれらの価値観を意識しながら、サービスの企画開発やサービス提供に取り組んでいく。

メンバーの理解を深め、チームワークに繋げる

ゲーム感覚で和気藹々と楽しみながら、メンバーの考えを知ることができた。皆が専門性に関わるカードを掲げていたため、私もプロ意識を高めていきたい。また、リモートワークが続いているが、自分自身もチームも、最高の状況で仕事に臨んでいけるようサポートしたい。

エンゲージメントカードはカードを残した理由などを説明するだけで良いため、難しく考えることなく自己分析に取り組むことができる印象を持った。メンバーがどのようなカードを残し・捨てたかも見えるため、メンバー自らの価値観説明だけでなくワーク全体がチームメンバーを知ることのできる機会になる。新チームの発足や新入社員が加わるタイミングで、チームワークを深めることのできるワークショップ「エンゲージメントカード」を行ってみてはいかがだろうか。

写真2:集合写真

松實 美樹

マーケティングデータアナリスト

松實 美樹

Googleアナリティクスの計測設定、アクセスログ分析

2018年にパワー・インタラクティブに入社し、アクセスログ分析やリスティング広告運用などを通じてデジタルマーケティング支援に携わる。現在はGoogleアナリティクスの設定支援や、アクセスログを用いたWEBサイト分析、ダッシュボードの設計・作成を中心にアナリストとして従事。趣味は映画鑑賞。好きなジャンルはアクション、ホラー・スリラー。

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