2014年7月 3日(木)
マーケティングデータアナリスト 正木 洋介【文責】
Googleアナリティクスで複数ドメインを跨ぐ計測を行う際、「クロスドメイントラッキング」の設定をしなければなりません。一度設定をしようと思われた方はご 存知かと思いますが、この「クロスドメイン」設定ってややこしいですよね。サイトによっても書いてあることが違って、結局どの方法でやればいいのかわから ない...。と、私もよく混乱していました。
「サイトによって書いてあることが違う」ということが起こるのには原因があります。それは「トラッキングコードの設定方法は1つではない」からなの です。Googleアナリティクスのバージョンがユニバーサルアナリティクスなのか、従来のアナリティクス(非同期タイプ)なのかで方法は変わりますし、計測したいドメ インが全くの別ドメインなのか、サブドメインなのかでも変わります。
そこで、どのバージョンのアナリティクスを使っていて、どんなドメインの時に、何をすればいいのかをまとめてみました。
Googleアナリティクスのバージョン別、さらにクロスドメインを行いたいドメイン別で6つのタイプに分類しました。当てはまるものを選んでいき、該当のタイプのボタンを押すとそれぞれの設定方法が表示されます。
例)www.aaa.jpとwww.bbb.com をまとめて計測する
1.両サイト全ページのトラッキングコードを以下のように書き換える
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ga( 'create' , 'UA-XXXXXXXX-X' , 'auto' , { 'allowLinker' : true }); <!-- ←書き換え--> ga( 'require' , 'linker' ); <!-- ←追記--> ga( 'linker:autoLink' , [ 'aaa.jp' , 'bbb.com' ]); <!-- ←追記--> ga( 'send' , 'pageview' ); |
2.Googleアナリティクス管理画面からビューの設定を行なう
3.参照元の除外設定を行なう
例)www.aaa.jpとsub.aaa.jp をまとめて計測する
1.Googleアナリティクス管理画面からを行なう
(トラッキングコードを書き換える必要はありません。)
例)www.aaa.jpとsub.aaa.jpとwww.bbb.comをまとめて計測する
1.全サイト全ページのトラッキングコードを以下のように書き換える
1
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3
4
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ga( 'create' , 'UA-XXXXXXXX-X' , 'auto' , { 'allowLinker' : true }); <!-- ←書き換え--> ga( 'require' , 'linker' ); <!-- ←追記--> ga( 'linker:autoLink' , [ 'aaa.jp' , 'bbb.com' ]); <!-- ←追記--> ga( 'send' , 'pageview' ); |
2.Googleアナリティクス管理画面からビューの設定を行なう
3.参照元の除外設定を行なう
例)www.aaa.jpとwww.bbb.com をまとめて計測する
1.両サイト全ページのトラッキングコードを以下のように書き換える
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4
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_gaq.push([ '_setAccount' , 'UA-XXXXXXXX-X' ]); _gaq.push([ '_setDomainName' , 'none' ]); <!-- ←追記--> _gaq.push([ '_setAllowLinker' , true ]); <!-- ←追記--> _gaq.push([ '_trackPageview' ]); |
2.ドメイン間を跨ぐ全てのリンクを書き換える
3.Googleアナリティクス管理画面からビューの設定を行なう
例)www.aaa.jpとsub.aaa.jp をまとめて計測する
1.両サイト全ページのトラッキングコードを以下のように書き換える
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3
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_gaq.push([ '_setAccount' , 'UA-XXXXXXXX-X' ]); _gaq.push([ '_setDomainName' , 'aaa.jp' ]); <!-- ←追記--> _gaq.push([ '_trackPageview' ]); |
2.Googleアナリティクス管理画面からビューの設定を行なう
例)www.aaa.jpとwww.bbb.com をまとめて計測する
1.トラッキングコードを以下のように書き換える
www.aaa.jpとsub.aaa.jpに貼り付けるトラッキングコード
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_gaq.push([ '_setAccount' , 'UA-XXXXXXXX-X' ]); _gaq.push([ '_setDomainName' , 'aaa.jp' ]); <!-- ←追記--> _gaq.push([ '_setAllowLinker' , true ]); <!-- ←追記--> _gaq.push([ '_trackPageview' ]); |
www.bbb.comに貼り付けるトラッキングコード
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_gaq.push([ '_setAccount' , 'UA-XXXXXXXX-X' ]); _gaq.push([ '_setDomainName' , 'none' ]); <!-- ←追記--> _gaq.push([ '_setAllowLinker' , true ]); <!-- ←追記--> _gaq.push([ '_trackPageview' ]); |
2.ドメイン間を跨ぐ全てのリンクを書き換える
3.Googleアナリティクス管理画面からビューの設定を行なう
トラッキングコード設定までした段階で、ドメインを跨いだ計測がGoogleアナリティクス画面に現れますが、ビューの設定をする必要があります。標準の設定では、ドメイン以下のURLのみ表示されるため、ファイルのパスが同じ場合、自動で合算されてしまいます。
例)
http://www.aaa.jp/index.html 3PV
http://www.bbb.com/index.html 2PV
↓
ドメイン以下、index.htmlというファイルのパスが同じであるため、index.htmlに5PV、という結果が表示されます。
そこでドメイン別で表示させるよう、フィルタの設定を行います。
ユニバーサルアナリティクスでクロスドメインを行う場合、参照元の除外設定が必要です。設定をしていない場合、参照元の多くが自分のサイトからになり、本当の参照元がわからなってしまいます。以下の方法で、参照元を除外する設定を行います。
設定方法は以上になります。タグを全て張り替えたり設定を触らなければならなかったり、最初の作業は少し煩雑ですが、ドメイン間遷移の分析や成果の正確な計測が可能になるなど、面倒な設定を行なう価値がクロスドメインにはあります。
このコラムを読んで、わかりにくい設定を少しでもスムーズに進めていただけたら幸いです。
弊社ではクロスドメイン設定をはじめ、Googleアナリティクスを活用する<設定>マニュアルと、基本的な操作を解説した<使い方>マニュアルもご用意していますので、そちらも一度ご覧ください。