コラム

企業属性データを付与してMarketo活用を押し進める

「デジタルマーケティングを推進すべくAdobe Marketo Engage(以下、Marketo)を導入したものの、データが足りずやりたい施策を実行できない」

インサイドセールスとしてお客様の話を聞くなかで、このような悩みを耳にする。Marketoを有効活用するうえで豊富なデータは欠かせない。データがあるからこそ、パーソナライズされたコミュニケーションを実現できる。

しかし、自力で豊富なデータを収集するには膨大な時間と労力を要する。データの蓄積を待っている間に時間が過ぎ去ってしまうだろう。

そんな悩みを抱えている企業のために、2023年2月1日より新サービス『企業情報解析ツールplus』をリリースした。当ツールをMarketoと連携すると、約80項目の企業属性データ、企業の特徴を定義した約1,000項目の『ストーリー』など、様々なデータを各リードに付与できる。

パワー・インタラクティブでは企業情報解析ツールplusのデータを用いて、Marketo施策を実行している。本コラムでは、実際に自社でどのように活用しているのかを解説する。

※関連ナレッジ資料※
マーケティング成果に直結させるGA4分析のポイント をダウンロード

データ不足がMarketo活用を滞らせる

Marketoのデータ不足が引き起こす問題

Marketoを導入してしばらくすると、綺麗で潤沢なデータの必要性に気付くだろう。Marketoで実現できるパーソナライズされたコミュニケーションは、データがあってこそのものである。

Marketoを運用していて、このようなことを感じたことはないだろうか。

・属性データが足りず、セグメントしようにもできない
・CRMと連携できておらず、営業活動に直結するデータをMarketo施策で扱えない
・今からフォームに項目を追加しても、元々保有しているリードにデータを付与できるわけではない
・同じ企業のデータが複数に分かれており、分析できる状態にない

データが不足していたり、誤ったデータが含まれていたりすると、Marketo活用を思うように進められなくなってしまう。

Marketoのデータ不足・データの汚れに対する解決策

データ不足やデータの汚れによる悩みは、Marketoに企業属性や最新の動向などといったデータを付与することで一掃できる。前述の悩みは、以下の通りに解消されるだろう。

悩み①:属性データが足りず、セグメントしようにもできない
→業種や従業員規模など、約80項目の企業属性データが付与される。また、企業の特徴を定義した約1,000項目の『ストーリー』も付与される。ストーリーには企業の動向を表す情報が含まれており、見込み度の高いセグメントを抽出して施策を実行できる。

悩み②:CRMと連携できておらず、営業活動に直結するデータをMarketo施策で使えない
→本来なら個別にヒアリングしないと得られないような情報もストーリーとして付与される。ストーリーとして付与される企業の動向は、ホットリード創出を目指すうえで有効に活用できるだろう。

悩み③:今からフォームに項目を追加しても、元々保有しているリードにデータを付与できるわけではない
→企業情報解析ツールplusはハウスリスト全件(※1)にデータを付与する。そのため、データが不足しているリードに対しても等しくデータが付与され、有効にアプローチできるようになる。

悩み④:同じ企業のデータが複数に分かれており、分析できる状態にない
→同じ企業でも微妙な表記ゆれから、別の企業のリードとして格納されてしまっていることがあるだろう。企業情報解析ツールplusは企業名、代表電話番号、本社所在地の情報をもとに企業を特定し、正式な企業名をデータとして付与する。付与されたデータで企業を識別すれば、別々の企業として認識されていたリードを名寄せできる。

*1 企業を特定できたリードのみ

さらに、企業属性データをMarketoに付与することで、以下のようなメリットもある。

・フォームでたくさんの情報を聞く必要がなくなる
・営業が欲しがるリードを抽出するためのスコアリングにも活用できる
・営業がアプローチする際に必要な情報をマーケティング部から提供できる

営業が欲しがる情報やリードを渡せるようになれば、マーケティング部と営業部の溝は次第に埋まっていく。企業情報解析ツールplusによるデータ付与は、組織の壁を壊すのにも役立つだろう。

企業属性データの活用例

ここでは、パワー・インタラクティブで企業情報解析ツールplusをどのように活用しているかを解説する。パワー・インタラクティブでは、4つの施策において企業情報解析ツールplusを活用している。

・セグメントメール配信
・エンゲージメントプログラム設定
・スコアリング設定
・企業属性をもとにした施策分析

セグメントメール配信

Marketoで最も基本的な施策である『セグメントメール』で企業情報解析ツールplusのデータを利用している。

図1:セグメントメールでの活用例

パワー・インタラクティブではターゲット企業を社名で指定しており、ターゲット企業向けにセミナーを開催することがある。しかし自社データは名寄せされていない場合も多く、適切に企業を抽出できない。

そこで、企業情報解析ツールplusのデータを利用して、社名を指定してスマートリストでリードを抽出する。抽出されたリードに対してセミナー案内をおこなうことで、リードの興味関心に合ったセミナー案内を実現している。

ほかにも、業種や従業員数などといった属性情報や、企業としてのマーケティング関連情報への関心度合いを表すストーリーなどを使ってセグメントする場合もある。活用方法は各社の事業内容によって大きく変わるだろう。

エンゲージメントプログラム設定

パワー・インタラクティブではMQL(Marketing Qualified Lead)創出を活性化させるために、エンゲージメントプログラムを複数設置している。エンゲージメントプログラムにも、企業情報解析ツールplusのデータは有効活用できる。

当社はマーケティングツールの活用をサポートする事業特性上、タグの情報を頻繁に利用する。Marketoユーザーとの接点を強化するべく、Marketoタグを利用してMarketoユーザーを抽出し、エンゲージメントプログラムを回している。

図2:エンゲージメントプログラムでの活用例

スコアリング設定

企業情報解析ツールplusで付与したデータはスコアリングにも活用できる。パワー・インタラクティブでは、ツールの利用状況や従業員規模、業界などのデータをもとにスコアを付与している。

どんな企業にも、優先的にアプローチしたいターゲットがあるだろう。ターゲット企業を抽出するようなスコアリングを実装することで、インサイドセールスが効率的に動けるようになる。

企業属性をもとにした施策分析

企業情報解析ツールplusのデータは、実行した施策の分析にも活用できる。施策を実施した後、このような検証をしたくなる場面に直面したことはあるだろうか。


・配信したメールへの反応はセグメントによって違いがあったのか
・エンゲージメントプログラムでストリームを遷移した人の割合はセグメントによって違いがあるのか
・MQL化したリードはどのセグメントに該当することが多いのか

企業情報解析ツールplusのデータをもとにセグメントすると、このような分析も実施できる。分析結果は施策の改善につなげられる。

企業属性データ付与サービス『企業情報解析ツールplus』の紹介

パワー・インタラクティブでは、Marketoのリードにデータを付与するサービス『企業情報解析ツールplus』を提供している。当サービスには、3つのプランがある。

MAへの企業属性付与プラン
SFA/CRMへの企業属性付与プラン
Googleアナリティクス(以下、GA)への企業属性付与プラン
本コラムではMarketoへのデータ付与を中心に解説したが、SFA/CRMやGAにもデータを付与できる。

デジタルマーケティングを推進するうえで、豊富なデータは大きな力になる。自社だけでデータ収集、データクレンジングすることに限界を感じたときは、当サービスの利用を検討してみてほしい。

詳しくはこちら

岩野 航平

コンテンツ編集長

岩野 航平

コンテンツ戦略策定

新卒で株式会社ネオキャリアに入社し、新規オウンドメディアの立ち上げに従事。ネオキャリアを退職し、数カ月間飲食店で働いた後、パワー・インタラクティブに入社。マーケティング、インサイドセールスを担当したのち、コンテンツ編集長に就任。パワー・インタラクティブで発信するコンテンツ全般の企画やコンテンツ計画策定などをおこなう。

TOP