コラム

新しい市場を見つける手法アイデア

代表取締役 岡本 充智【文責】

 新しい市場を開拓していくことは企業にとっての宿命である。現有市場や現有顧客は永久に存続するという保証はない。そこで新しい市場を見つける手法アイデアについてご紹介したいと思う。

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新しい市場の見つけ方

 まず大きく分けて虫の眼で捉えるか、鳥の眼で捉えるかということである。虫の眼とは、自社の持っている情報やデータから新しい市場の可能性を探索することである。例えば、現在の顧客をニーズや抱えている問題で細かくセグメントしてみる。そこにもし自社で解決できるニーズや問題があれば、それは顧客は同じでも新しい市場創造になりうる。あるいは自社の保有している技術と他社の保有しているリソースと結び付けてみる。そこに新しい価値が生れれば新しい市場を開拓していく可能性が生れてくる。出来れば自社のコア技術ならば、自社の存在価値が高くなるのでなお良い。まさにイノベーションである。イノベーションとは新結合であり、インベンションの発明とは一線を画する。あるいは、自社が抱えている課題は競合他社の課題でもある事が多い。もしこの課題が解決できれば、いままで競合であった会社を顧客にすることさえ可能になる。ヤマト運輸が昨年スタートした顧客の不在時の再配達を減らすオープン型宅配ロッカーは、まさに宅配業界の問題を解決したものである。ユーザーはIDとパスワードで開錠することができる。ヤマト運輸は複数の宅配業者が共同で利用できるようにした。これからの生活インフラになりうる問題解決策である。

 鳥の眼とは、自社にこだわらずに広い視点で考えてみようということである。まずは成長市場を見てみるというのはとても分かり易い視点であろう。様々な所でオープン情報として紹介されている成長市場には次のようなものがある。もちろんこの他にも山のような成長している市場がある。この中で自社でも対応できそうな市場をリサーチしてみるというのはいかがだろうか。

 多くのビジネスパーソンは日経新聞や日経電子版を購読されていると思うが、新しい市場を探索している諸氏には日経産業新聞がお勧めである。各ページのカテゴリーも、総合、アジア・グローバル、デジタルBiz & Tech、デジタルトレンド、先端技術、フロンティアビジネス、環境・エネルギー、ものづくり、生活・サービス、新製品、中小・ベンチャー、ひと・組織と発想力を鍛えるのに適した構成になっている。記事の中で自社が関われそうなテーマも毎日一つ二つ出てくる。試しに一ヶ月ほど定期購読されてはいかがだろうか。あるいは最近、話題としてよく取り上げられるソーシャルビジネスも新市場の宝庫である。ソーシャルビジネスは元来、社会的課題の解決を意図したもので収益の視点が弱い。これもビジネス視点でいかに収益化して行くかということを考えられれば、魅力的な社会性のある成長市場になる。

 新しい市場を見つける切り口はこのようにいろいろとある。では、どのような視点で新しい市場を選定していけばいいのだろうか。それは成長市場や新しい市場と自社との親和性である。顧客タイプや競合タイプやコスト構造など自社との類似性があれば、勘も働き易いしいままでのノウハウも活かすことができる。また自社のチャネルやサプライヤーも活用することができれば、双方にとってWin-Winの関係づくりをすることも可能である。

 このように新しい市場を見つける手法アイデアは多様に存在している。最後に一般的に新しい市場の場合は、どこに顧客がいるかよく分からないケースが大半である。営業もどこに行けばよいか分らない。そこでマーケティングオートメーションを有効に活用したい。自社で解決できるテーマをコンテンツ化して、課題解決を探し求めている未知の顧客との出会いを待ちたい。マーケティングオートメーションについては以下のサイトが分かり易い。では新しい市場を見つける旅に出よう。

岡本 充智

代表取締役

岡本 充智

中期ビジョン策定支援

京都⼯芸繊維⼤学繊維学部卒業。株式会社アシックス⼊社。アスレチック部⾨の商品開発・販売促進を担当。新規ブランド⽴ち上げやブランドマネジャーを歴任。その後、住友ビジネスコンサルティング株式会社に転じ、マーケティング分野のコンサルタントとして戦略デザインの構築・実⾏⽀援に数多くの成果を上げる。1997年2⽉、株式会社パワー・インタラクティブ設⽴。代表取締役に就任。現在に⾄る。

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