コラム

自主調査「Webサイトのガイドライン」を読み解く

サマリー

 ●ガイドラインに沿った運用は95%が実施、定期的な更新や見直しは84%が実施、教育や研修は69%が実施とそれぞれ高い実施状況にある。
 ●ガイドラインの必要性は、大企業ほど「アクセスログ等の効果測定のルール」 への意識が高い。

2012年2月に実施したWebサイトのガイドライン策定状況に関する調査結果について考察をします。

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意外にしっかり運用されていたWebサイトのガイドライン!

組織内のコミュニケーションツールとして、Webサイトを戦略化させたい企業にとって不可欠な存在となりつつあるWebサイトのガイドラインです が、当初このWebサイトのガイドライン策定状況に関する調査を企画するにあたって、我々が仮説として想定したのは、まだまだ十分に運用されていない企業 の方が多いのではないかということでした。
しかし、実際に調査を実施しその結果を見ると、意外にしっかりと運用されている割合が高いことに驚かされました。その要因を考えてみると、1つは企業におけるソーシャルメディアの積極的な活用によるリスク管理や昨年の震災などに見られる事業継続計画(BCP)の実現といった観点から企業内においても 見直しが進んでいるのではないかという点です。さらには、調査対象として従業員規模100人未満を除いて実施したことなども影響していると考えられます。 そのように考えると大企業を中心にガイドラインの活用がより浸透している状況が伺われます。
実施状況の項目を見ると、ガイドラインに沿った運用は約9割が実施されていますが、定期的な更新・見直しや教育や研修などに従い実施している割合は 減少する傾向が見られました。これは、継続的に運用していくという点においては、まだ課題が残されている状況にあると考えられます。

Webサイトの効果測定と検証・改善活動によるWebマーケティング力強化へ!

Webサイトに関わる何らかのガイドラインの必要性が高いと感じている項目を見ると、「災害時等の不測事態に関するルール」が最も高くなりました。これは昨年の震災の影響と考えられます。
従業員規模で見ると、規模が大きくなるに従い各項目は高い傾向にあり、従業員規模5000人以上で増加割合が大きいのは、「アクセスログ等の効果測 定のルール」「Webサイトのアクセシビリティ上のルール」「Webサイト全体で統一すべき用語表記」などです。特に、注目したいのは、「アクセスログ等 の効果測定のルール」の上昇が高い点です。1000人未満と比べ5000人以上では、20ポイント以上も高く、効果測定に対する意識は大企業ほど高いと言えそうです。
アクセスログ等の効果測定ルールの必要性の高まりの背景には、効果測定をしっかりと行い効果の検証やPDCAサイクルを通じた改善活動につなげたいとする思いがあると思われます。
Webサイトのガイドラインと言えば品質維持の範囲で終わっているケースが多い中、今後は、Webマーケティング力の向上などWebサイトの戦略的な活用へ展開していこうとする動きがますます強まっていくのではないでしょうか。

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