コラム

会員データ+ログデータで「個人ユーザー」攻略法が見えてきた

ログ分析だけでは具体的な人の動きがわからないと、物足りなさを感じている方も少なくないでしょう。しか しながらログイン後にサイト内にアクセスを行うしくみの会員制のサイトであれば、会員データとログイン後のアクセスログデータをヒモ付けることにより、ど んな属性の会員が、いつ、何回訪問し、どんなページを見ているのか、具体的興味関心・行動を把握することができます。
今回は、業務用文具のECサイトにおいて、今後個人ユーザーへも別途サイトを立上げ積極的展開していくために、現サイトでも一部存在する個人会員のアクセス動向を分析、個人ユーザー向けサイト構築の施策を見出した事例をご紹介します。

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ログ分析から見えた「個人会員」の行動

会員データとログデータのヒモ付けを行うことで、個人会員と法人会員の動きの違いが見えてきました。主な内容は以下のとおりです。

 ●購入率は、共に3割程度と個人会員も法人会員同様の購入率となっている。個人会員の購入意欲も高い。(図1参照)
 ●法人会員では、11月が購入の大きな山となっているのが特徴的であるが、個人会員では11月のみに特化するのではなく、5月、9月にも購入の山があり、季節ごとに需要期が見込まれる。(図1参照)
 ●個人会員の6割強が年間訪問回数5回以下であり、1回のみの訪問も2割近い。法人会員ほど個人会員は頻繁に訪問するわけではない。(図2参照)
 ●一方、訪問した際の閲覧ページ数では、個人会員が法人会員の1.5倍ほどあり、商品への興味・関心は高いと想定される。
 ●個人会員の製品別の閲覧は、法人向けに企画している製品のアクセスが高い傾向にある。

個人向けサイト構築時のポイント

以上の分析結果より、個人向けサイト構築において留意するべき点が見えてきました。
以下、主なポイントです。

 ●法人会員では定期的に訪問している人が想定されるが、個人会員は催事やイベントをきっかけに訪問してくると想定される。ただし、何度も訪問してくれる期待ができないため、必要なときに必要なものがすぐに見つかるよう離脱を防ぐ導線設計が必要である。
 ●また、1回の訪問で多数のページを閲覧しており、商品情報探しの意欲は高い。単に商品を売るだけでなく、使い方の提案も重要。
 ●個人使用ではあっても、プロ向けの商材に惹かれる人も多いと想定されるため、プロが使っていることのアピールや、プロの技の伝授等、これまでの業務用対応のノウハウを活かしたコンテンツを準備する。
 ●3ヶ月に1回くらいのペースで購入の山ができると想定されるため、ソーシャルメディアやメールを通じて、積極的に催事のタイミングに応じた情報提供を行ったり、使用シーンに関連したテーマでコミュニケーションづくりを行っていく必要がある。

今回の事例のように、会員属性データとアクセスログデータをヒモ付けて分析することにより、市場調査を行わずともターゲット層の動きを把握し、施策に活かすことができます。
顧客や会員の動きがつかめない、ターゲット層に対し今後どんな施策を打てばよいかわからない、といった悩みをお持ちでしたらぜひ一度、気になる会員属性のサイト訪問動向を分析してみてはいかがでしょうか?

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