コラム

追加開発なし!Brazeのカタログ機能で新商品をレコメンドする

Brazeのカタログ機能は、追加の開発が不要で、マーケターが技術的なハードルを感じずに使用できます。外部データを簡単に取り込み、リアルタイムで更新可能なデータベースをBraze内に作成することで、パーソナライズされたメッセージを簡単に作成できます。
多様な業界で活用でき、顧客との効果的なコミュニケーションをサポートします。

Brazeのカタログ機能とは

Brazeのカタログ機能は、CSVファイルなどで外部データを簡単に取り込み、それらの情報をメッセージに動的に挿入できる機能です。
この機能が追加される前は、ユーザーの非属性情報などの外部データは、Brazeから外部データベースを参照する必要がありましたが、カタログによってデータベースとしてBrazeの中に持たせておくことができるようになりました。商品データベースとの連携に必要な開発が不要で、商品情報を差し込んだパーソナライズメッセージングキャンペーンを効果的に実施することができます。

カタログ機能を使ったユースケース例

Eコマース:最新の製品情報、在庫状況、価格をメッセージに反映
メディア:新着コンテンツや人気コンテンツの推奨
旅行業:季節や目的地に応じたパッケージツアーの提案
飲食業:日替わりメニューや地域限定メニューの告知

Brazeのカタログ機能の特徴

データの集約

カタログ機能を使用することで、製品情報、サービス詳細、コンテンツメタデータなど、さまざまな種類のデータを一元管理できます。これにより、マーケティングチームは必要な情報に簡単にアクセスし、キャンペーンに活用することができます。

パーソナライズ

カタログデータを活用することで、ユーザーの興味や行動に基づいて、高度にパーソナライズされたメッセージを作成できます。例えば、ユーザーが最近閲覧した製品カテゴリーに関連する商品をレコメンドしたり、ユーザーの好みに合わせたコンテンツを提案したりすることが可能です。

リアルタイム更新

カタログデータは定期的に更新することができ、最新の情報を常にキャンペーンに反映させることができます。これにより、在庫状況や価格変更などのリアルタイムな情報を含むメッセージを配信することが可能になります。

カタログ機能を利用する-CSVファイルの準備

シンプルなCSVアップロードで、技術者以外のユーザーも利用可能

カタログ機能の大きな利点は、技術的な知識がなくても簡単に利用できることです。マーケターやコンテンツ管理者は、CSVファイルを使ってデータをアップロードするだけで、カタログを作成・更新できます。

idは必須

CSVファイルを作成する際、各行に一意のID(識別子)を設定することが必須です。このIDは、特定のアイテムを参照したり、更新したりする際に使用されます。

今回は、アパレルの商品データ100件をカタログで入れるためのデータをCSVで作成しました。項目は下記の通りです。

・id
・Product Name
・Description
・Category
・Gender
・Size
・Color
・Price
・Rating
・ImageURL

無料版の制約

カタログの無料版を使用している場合、以下の制約があります:

・最大500フィールド(列)
・フィールド(列)名の最大文字数は250文字
・ワークスペース単位でCSVファイル合計で最大100MB(無料)
 ※弊社の環境では約2万件程度のデータが入る計算になります。
・5,000文字の最大フィールド値(セル)
・ヘッダー値には、文字、数字、ハイフン、アンダースコアのみ使用可能
プロ版にアップグレードすると、最大CSVファイルサイズが2GBまで対応可能になります。自社のプランが無料か有料プランかは、Brazeの管理画面からカタログページのストレージ詳細画面で確認できます。

カタログ機能を利用する-データのインポート

複数のデータ型に対応

Brazeの管理画面>データ設定>カタログ>新しいカタログを作成 からCSVファイルをインポートします。インポートするデータは、文字列、数値、ブール値、時刻のデータ型に対応しています。これにより、さまざまな種類の情報を柔軟に取り込むことができます。
ただし、以下の点に注意が必要です:
・フィールド列名は英語、数字、ハイフン、アンダースコアのみ対応しています。スペースが入っている場合もエラーになるため注意。
・データ型はカタログ作成後に編集できません。

カタログ名の制約

カタログ名を設定する際は、英語、数字、ハイフン、アンダースコアのみ使用できます。また、カタログ作成後にカタログ名は編集できません。
CSVファイルをアップロードした後は、すべての列と行が正しく入力されていることを必ず確認してください。データの整合性を保つことで、効果的なキャンペーン運用が可能になります。

データをカタログにインポートすることが出来ました。

メッセージでのカタログの使用

カタログデータをUIから更新する

Brazeの管理画面から直接又は追加のCSVアップロードでカタログデータを簡単に更新することができます。これにより、最新の情報を常にキャンペーンに反映させることができます。
例えば、製品の価格変更や在庫状況の更新などを簡単に行うことができます。

カタログデータでメッセージをパーソナライズ

カタログデータを活用して、メッセージを高度にパーソナライズすることができます。
Brazeのメッセージ作成画面の「個人用設定を追加」から、カタログアイテムを選択し、対象のカタログ、カタログアイテム(最大3つまで)、表示する方法を設定し、Liquidで動的に挿入することができます。これにより、ユーザーごとに最適化されたコンテンツを提供することが可能になります。

今回は、新作のTシャツの入荷を案内するプッシュ通知を作成します。プッシュ通知のメッセージには、商品名と金額を表示させます。

今回メッセージに挿入したLiquidのソースコードは下記の通りです。
{% catalog_items Sampledata_01 29 35 56 %}
{{ items[0].ProductName }} ¥{{ items[0].Price }}
{{ items[1].ProductName }} ¥{{ items[1].Price }}
{{ items[2].ProductName }} ¥{{ items[2].Price }}

メッセージのプレビューとテスト

カタログデータを使用したメッセージを作成した後は、プレビュー機能を使って実際の表示を確認することができます。また、テスト配信を行うことで、実際のユーザー環境でのメッセージの表示を確認することができます。
本番前には必ずテスト配信を行い、間違いがないか確認するようにします。

実際に作成したプッシュ通知をテスト配信したところ、正常にメッセージが表示されました

以上、Brazeのカタログ機能について説明しました。この機能を活用することで、マーケターは技術的な障壁を気にすることなく、高度にパーソナライズされたキャンペーンを展開することができます。データの集約、リアルタイム更新、柔軟なメッセージング機能を組み合わせることで、顧客エンゲージメントを大幅に向上させることができるようになる便利な機能ですね

<参考文献>
Braze公式ドキュメント: https://www.braze.com/docs/user_guide/personalization_and_dynamic_content/catalogs/

川西佑奈

マーケティングコンサルタント

川西佑奈

マーケティングオートメーション活用支援

新卒で営業、BtoB向けのデジタルマーケティング支援業務を経験した後、2022年にパワー・インタラクティブに入社。オペレーション支援も含めたAdobe Marketo Engage活用コンサルティング、Braze活用支援に従事。
地元の神戸を愛しています。

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