コラム

【Braze関西初のオフラインイベント】変化を先取りする力:消費者動向とCX戦略の最前線 in 大阪をレポート

文責:マーケティングコンサルタント 佐野 陽子

2025年6月25日(水)、御堂筋沿いのホテル「W 大阪」で、Braze社は関西初開催となるカンファレンス「変化を先取りする力:消費者動向とCX戦略の最前線 in 大阪」を実施しました。会場には約100名のマーケター、DX部門などの専門家が集まり、パープルとオレンジのBrazeカラーで彩られた会場は、CXの最新潮流を学ぼうとする熱気に包まれていました。
2020年に日本上陸、100社以上の国内企業に導入されているBraze。次世代ツールとして期待されるBrazeの可能性を感じるイベントとなりました。

パワー・インタラクティブのメンバーは、Brazeパートナー企業として、本イベントに参加しました。本稿では、当日のイベントの内容をレポートします。

顧客エンゲージメントのキーワードは「信頼」

本イベントは【「データ」と「感性」を融合させた次世代の顧客体験(CX)戦略】をテーマに、4つのセッションで構成されました。全編を通して、Braze社からのメッセージとして述べられていたのは、「顧客エンゲージメントの強化が重要」であること。顧客エンゲージメントを高めるためには、顧客からの信頼を得ることが求められます。Brazeの活用で、それをどう実現していくのか。AIの発展に伴う消費者行動の変化に、Brazeの機能で対応することで、さらなるビジネス成長が可能になると感じられたイベントでした。

Braze社 水谷篤尚社長は開会挨拶で「初の大阪イベント開催に一抹の不安があったが、100名弱の参加者にお集まりいただけた」と話し、顧客起点こそがブランドを強化するとBrazeの将来性について語りました。

会場の照明はBrazeのブランドカラーであるパープルとオレンジに統一され、大型スクリーンと前面ステージが視線を一手に集めます。Braze社の方々が参加者を温かく迎え、Brazeロゴの入った保冷バック、水、Braze解説書がアメニティとして配布されました。
録音は禁止でしたがほとんどのセッションで撮影は許可されており、参加者はスクリーンに投影された登壇資料をスマートフォンで撮影しながら真剣にメモを取っていました。最先端のCXマーケティング、リアルタイムコミュニケーションを学ぶ高いモチベーションが伝わってきました。

当日のイベントセッションをレポート

セッションは、以下の4つで構成されており、AIの登場で変化する消費者行動、リアルとデジタルの融合、Braze活用で顧客エンゲージメントを向上する取り組みについて、登壇者の発表がありました。

■13:50 - 14:30 AIエージェントと暮らす時代の購買行動はどう進化する?
~新購買行動モデル「DREAM」で考えるショッパーインサイトの変化~
株式会社 博報堂 博報堂買物研究所研究員 飯島 拓海 氏

■14:30 - 15:00 イオンモールの挑戦:Braze連携で実現するリアル店舗のDX戦略 ~データ活用による顧客体験向上と未来展望~
イオンモール株式会社 営業統括部 マーケティング部 マーケティンググループ マネージャー  木村 鷹 氏
イオンモール株式会社 営業統括部 マーケティング部 マーケティンググループ 清水 瞳 氏

■15:15 - 15:45 顧客と長期的に繋がる!Braze で実現するエンゲージメントマーケティング
Braze株式会社 ⽇本市場製品責任者 新田 達也 氏

■15:45 - 16:30 OMO時代の外食(中食)&レジャー体験:リアルとデジタルの融合
【パネリスト】
株式会社ほっかほっか亭 総本部 経営企画本部 マーケティング部 IT課 課長 築山 信也 氏
湯快リゾート株式会社 マーケティング本部 マーケティング部 CRM課 課長 梅村 洋介 氏
【モデレーター】
Braze株式会社 シニアカスタマーサクセスマネージャー 石本 恭久 氏

AIエージェントと暮らす時代の購買行動はどう進化する?~新購買行動モデル「DREAM」で考えるショッパーインサイトの変化~

博報堂 買物研究所の飯島拓海氏は、生成AI・AIエージェントの普及が購買行動モデルを「AIDMA/AISAS」から“対話(Dialogue)・推奨(Reccomended)・体験(Experience)・確信(Assuarance)・管理(Management)”のループ型モデル「DREAM」へと変革すると提唱しました。検索が対話へ置き換わり、体験段階の重みが増す未来。商品選択は、「自分で決める」から「AIエージェントと決める」ことになるだろう、と予測しました。また、「2040年の生活者にインタビュー」という発想で、買物変化をバーチャル生活者を通じてシミュレーションし、商品選択から購入までのプロセス変化のイメージを具体化。企業はAIエージェントがパートナーとなる時代に適応し、マーケティング戦略を変化させることが不可欠になると結論づけました。

顧客と長期的に繋がる!Braze で実現するエンゲージメントマーケティング

Braze社 日本市場製品責任者の新田達也氏は、顧客エンゲージメントの強化がビジネス成長の鍵であると述べ、「透明性による信頼」「メッセージの適切な配信」「AI活用」の3つのトレンドを解説しました。Brazeは平均的な顧客が1日に接触するタッチポイントは14以上のデバイス、プラットフォーム、チャネルに接していると紹介。トレンドを押さえつつ、「何を」だけでなく「いつ」「どのチャネルで」「どのような文脈」で伝えるか(4つのRight)が重要と語り、データプライバシーへの配慮と高速実験環境の両立が、次世代エンゲージメントの鍵であると強調しました。

BrazeにはAI機能があります。AIはリアルタイムパーソナライズを可能にする一方、プライバシー侵害の懸念があることも事実です。それらをクリアにすることは、顧客との信頼関係を結ぶことにつながります。

OMO時代の外食(中食)&レジャー体験:リアルとデジタルの融合

湯快リゾートの梅村洋介氏とほっかほっか亭 総本部の築山信也氏が、Brazeを活用した施策を披露しました。梅村氏は週末限定の空室情報を案内するメールを居住地別に自動配信し、CVRを約3倍に伸長させた事例を共有。築山氏はポイント連携によるセグメント施策と店舗/アプリの統合CRMで再来店率向上を図っていると語りました。両社に共通するのは「顧客の行動データを即時に反映し、体験の熱を冷まさず次の接点へつなぐ」運用哲学でした。
対談形式で進行した本セッション。進行役はBraze社の石本氏。大阪万博の話も交えたユーモアのある進行で、終始和やかなムードでした。

ネットワーキングパーティーで交流

セッション後は立食形式の懇親会が開かれ、登壇者をはじめBrazeユーザー企業やパートナー企業、導入を検討している企業の交流の時間が設けられました。Braze社の方々の、ユーザー同士が繋がりを持ち、輪をひろげてほしいとの想いからセッティングされたこの時間。Wホテル特製のスペシャルフードとドリンクが会話を和らげ、Brazeトークに花が咲きました。

Brazeユーザー同士で「新メンバーにBrazeの操作を教えることが難しい」「スキルアップのために何をしたらいいか」など、課題の共有もでき、Brazeという共通の話題を通して楽しいネットワーキングの時間となりました。

まとめと所感

大阪初開催となった今回のカンファレンスは、「データ×感性」が生む没入型CXの可能性を関西マーケターに提示した一日でした。現代のビジネスパーソンの共通の話題である生成AI。AI時代には消費者の購買行動そのものの変化が予想されます。マーケティングは日々進化しており、変化を先取りした構想や戦略設計は必須です。Brazeのデータドリブンな活用事例は、消費者行動の深い理解と変化への迅速な対応を実現するヒントとなると感じています。

また、こうしたリアルイベントに参加するたびに、オフラインでの接点を持つことの重要性を感じます。人との感情的なつながりを持つことは、まさしく「エンゲージメント」を高めることであり、今後もオフライン接点も大事にしたいところです。

本イベントでのセッションについては、後日詳細のレポートとして公開する予定です。お楽しみに!

佐野 陽子

マーケティングコンサルタント

佐野 陽子

コンテンツマーケティング

BtoB事業会社のインハウスWebチームリーダーとして、コンテンツ制作やWebサイトの運用改善、SEOなどを中心にコンテンツマーケティングを推進。その後、パワー・インタラクティブに参画し、現在は自社コンテンツのディレクションを担当。クリエイティブ分野への深い造詣とビジュアルデザインの知見を活かし、より魅力的なコンテンツづくりに日々取り組んでいる。

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