代表 岡本の考えるコンサルタントとは
「相談相手」ではなく「背中を押す人」。その真意は…

岡本 充智 Okamoto Michitoshi

大学卒業後、アシックスに入社。マーケティング本部に所属し、海外担当として世界を飛び回る。
その後、住友ビジネスコンサルテイング株式会社(現:株式会社日本総合研究所)に入社し、
マーケティング分野のコンサルタントとして従事。
独立後、1997年2月に株式会社パワー・インタラクティブを設立。代表取締役に就任。

パワー・インタラクティブを設立しようと思った
理由を教えてください。

住友ビジネスコンサルテイング株式会社を卒業した後、「私にできるのはやはりコンサルティング事業だろう」と思い、コンサルタントとして独立しました。ありがたいことに順調な滑り出しで、2年目にはすでに会社設立を思い描いていましたね。その頃には「クライアントにもっと満足してもらうには、チームを組むことが最善策だ」と考えるようになっていました。

というのも、クライアントはそれぞれ違う事業を展開していて、強みも弱みも環境だって違うにもかかわらず、当時は私ひとりでコンサルティングしていたのです。事業内容の異なる複数のクライアントに対していろいろな形でコンサルティングをし、結果として自らは成長できたものの、ひとりでこのまま続けることによるクライアント側のメリットはありません。でも、チームを組んでさまざまな人がそれぞれの視点からコンサルティングをすれば、より最適なサービスを提供できるのではないかと考えるようになりました。

考えを実現する決心をしたのは、2年目に入った1996年夏のことです。ちょうどWindows95やIntel Pentium Chipなどが登場し、シリコンバレーのIT技術に世界が注目していた頃でした。8月の後半に2週間ほど夏休みを過ごした、アメリカでの経験が背中を押してくれたのです。実はその前から「これからはインターネットの時代が来るのではないか」と思っていたのですが、実際にシリコンバレーで時代の最先端をいくIT技術に触れたことで、確信に変わります。

「これからインターネットインフラになっていくはずだ。新しいマーケティングの形、『デジタルマーケティング』をやっていこう」と。

半年後にパワー・インタラクティブを立ち上げました。

設立して20年以上が経ちました。
今後はどのように事業を展開する予定ですか?

元々パワー・インタラクティブはグローバルを意識して設立した会社なので、“グローバル”に展開していく予定です。外国人のメンバーが入ってくるのもいいと思いますし、海外拠点をひとつかふたつ作っていけたらと考えています。日本にはすでに東京・大阪と2拠点あるので、次に進出するならベトナムのホーチミンでしょうか。世界のトレンドは今、ASEANに移っています。その中でも人口が多くて、産業が圧倒的に盛んなホーチミンが第一候補ですね。そこをベースとし、日本企業の現地でのマーケティング活動を支援していくことが今後の展望です。コンサルティングをするにあたり、現場を知らないと分からないことがたくさんある。だからこそ、現場に立脚したコンサルティング活動を行っていきたいです。

社長自身がコンサルタントとして
大切にしているスタンスは何ですか?

基本的に、アドバイスをしすぎず自らで考えてもらうように意識しています。

私は、いくつかの大学の客員講師をしているのですが、そこでも同じスタンスなんです。全員が講義に参加できる空気を作り、一人ひとりが主体的に考えられる機会を設けるようにしています。

例えば以前ベトナムで実際に行った講義では、全員にキットカットを配ることからスタートしました。授業でキットカットを配ることなんて普通はないでしょう?そこで生徒の心を引き付けておいて
「このパッケージのデザインから、ネスレジャパンが伝えたかったことは何だと思う?」
と質問するのです。グループを組んでもらってディスカッションもしてもらいます。そうすることで、生徒たちが主体的に考えてくれるのです。

一方で生徒から
「これはどういうことですか?」
と聞かれても
「ごめん、分かれへん」
と答えちゃうこともある(笑)。そうすると生徒が自分で調べてくれるようになるんです。「岡本先生は頼りないけれど、でも岡本先生だからこそ勉強する気になった!」と思ってもらえたらうれしいですね。

コンサルタントも同じです。アドバイスしすぎず自ら考えて課題に気付いてもらうことで、知的好奇心をくすぐり、モチベーションを高めます。結局のところ実行するのはクライアントで、いくら私たちが「こうしたらいい」と伝えても、担当者本人がやる気になってくれなければ何も変わりません。事業を展開するにはさまざまな困難が待ち受けているからこそ、多少の困難があってもやり遂げたいと思えるようなやる気や情熱、モチベーションを持ってもらうことが大切です。

コンサルタントにはどういった意義や役割があると考えますか。

コンサルティングとは語義的には「相談にのること」という意味です。そのため一般的には、企業の悩みに対してアドバイスすることがコンサルタントの仕事だと思われがちですが、私の認識は違います。

私たちは何かの商品を作って売っているわけではありません。例えば食器を作っている会社であれば、商品を使い続けてもらう限り、会社の存在価値や職人の魂が残ります。でもコンサルタントは、クライアントと永久的に仕事をするわけではなく、契約が終われば去る存在です。契約が終わった時点で、クライアントにとってそのコンサルタントは“必要なくなる”ということですよね。

そういう存在だからこそ、コンサルタントの意義・役割は『クライアントが行動を起こせるよう背中を押すことにある』と考えています。コンサルティング自体ではなく、我々がコンサルティングを行うことで、クライアントが新しいことにチャレンジする気持ちを持ってくれたり、何か壁にぶつかっているクライアントが自ら壁を突破し、前に進んで行ってくれたり。そういった支援ができることに、コンサルタントの存在価値があると思うのです。

パワー・インタラクティブで働く社員に
求めていることは何ですか?

社員全員に健康でいてほしい。それが第一です。年に2回開催している東京・大阪2拠点合同のオールミーティングで、みんなが笑顔で集まってくれるとうれしくてたまりません。あとは、会社側から提示する事業計画はあるけれども、新しいコンサルティングの“種”みたいなものを社員が生み出してくれたらうれしいですね。

コンサルタントとしては、クライアントからの質問に答えることはするけれど、それよりもパワー・インタラクティブ側からクライアントのマーケティング課題を積極的に提案した上で、お客様ではなく自ら主体となって解決に導いていける存在でいてほしいです。生み出した渦にお客様を巻き込んでいけるような、それも強引にではなく自然とお客様を巻き込めているようなコンサルタント会社でありたい。ツールやテクノロジーの最先端を追うのではなく、“マーケティング”の最先端を作っていくことに我々の存在価値があるのではないかと考えています。

また、自分のフィールドを広げるために他の会社へ転職したり、自ら会社を立ち上げたりすることも大歓迎です。私は元々、起業を支援する“インキュベーター”のような役割を、パワー・インタラクティブで担いたいと思って立ち上げました。もちろん会社としても成長しなければいけないので、新しいマーケティングの“種”を見つけながら、同時にインキュベーターとしての役割も果たしていきたいです。

最後に、パワー・インタラクティブで
働いてほしい人物像を教えてください。

仕事をする上で大切なのは、自分で考えて自分で決めることができる能力です。具体的には、自らが決めたことは責任をもって実行し、なぜそう決めたのかを自分の言葉できちんと説明できるスキルを意味します。チームワークというのは、本来一人ひとりが自立しているからこそ成立するもの。ラグビーや野球などと同じように、一人ひとりが自立し、きちんと役割を果たし、能力を持って行えるからチームができるのです。そういった“強さ”を全員が意識して身に付けていってくれると、社長としては心強いですね。

私たちは、新たな仲間を待っています。- Join Our TEAM-

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