事例

カスタマージャーニーから、中長期のマーケティング実行計画を策定

ビジネス形態
BtoB
業種
BtoB会員サービス
部門
マーケティング
規模
100名未満
導入前の課題
退会者増加、新規会員獲得の伸び悩みに対するてこ入れ
成果
調査により会員に対する解像度が上がり、施策推進のコンセンサスが取りやすくなった
利用サービス

クライアントの課題

退会者増加、新規会員獲得の伸び悩み

BtoB会員サービスの退会者がここ数年増加、新規会員獲得も伸び悩んでいました。離脱防止策や入会金免除キャンペーンといった単発の施策は実施していましたが、大きな効果は出ていませんでした。

解決⽅法

中長期の会員活性化計画を作成

現会員がサービスに対して、どのように感じ、何を求めているかについて、アンケート調査を実施。会員の声を把握し、問題点の棚卸を行い、優先順位を明確化。それをふまえて中長期の会員活性化計画を整理しました。

具体施策

カスタマージャーニーマップをワークショップで明確化

1)会員アンケート調査実施

会員向けにWebアンケートフォームを準備し、メールで告知。約2500人の回答を得て分析をかけました。主な設問は「入会の理由・きっかけ」「学会を知ったきっかけ」「会員サービスの認知、利用状況、満足度」「要望」です。これに会員セグメントを掛け合わせることで、どの会員セグメントの満足度が低く、その要因は何かを把握しました。

2)会員ヒアリング調査実施

アンケート調査結果をふまえ、各会員セグメントに該当する会員10人に1時間のインタビューを実施しました。10人の中には、退会した元会員も含まれています。インタビュー項目は上記のアンケート項目と同様とし、会員一人ひとりのライフスタイルや価値観を確認しながら、より具体的に学会サービスの利用状況や満足度、要望を深堀しました。

3)優先セグメントの明確化と課題整理

上記2つの調査を通じて、ターゲットとするべきセグメントが明確になり、優先的に取組むべき課題、具体策が見えてきました。 課題1 離脱防止に向けたカスタマーサクセス体制の構築
・企業所属会員への価値提供
・会員の興味分野に応じたサービス提示
・無料会員のサポート

課題2 新規リード獲得
・イベント後のフォロー、ナーチャリング
・小中高校への認知拡大

課題3 サービスの見直し
・Webサービスのユーザビリティ向上
・有料サービスの見直し
・紙媒体とオンライン提供の見直し

4)ワークショップによりカスタマージャーニーマップを作成

プロジェクトメンバーを2チーム(1チーム、3~4名)に分け、2回にわたってワークショップを実施しました。重点セグメントを2つに絞り、1回1セグメントずつ検討を行いました。ペルソナを設定し、関心事やニーズ、情報収集方法等について調査結果もふまえてディスカッションしました。スタートである「入会」からゴールである「会員登録の更新」までの想定される会員のアクションと接点を整理し、どんな情報、サイトコンテンツを見ているのか、どのような意思決定をしているのか等を深く話し合いました。

5)実施施策の洗い出し

ペルソナのアクションを「ポジティブ」「ニュートラル」「ネガティブ」の3つの心理的な側面に分けて整理しました。何を楽しみにしているのか、どんな不安や疑問を抱えているのか等を想定し、「ポジティブな思いをさらにポジティブにする」「ネガティブな思いをどのように取り除くか」といった視点で、やるべき施策をオンライン、オフライン問わず列挙しました。

6)実行計画の策定

施策の優先度を確認するために、「影響度」と「難易度」を軸にマトリックスを作りました。4つの象限の中で、「影響度」が高く「難易度」が低い施策が最も優先的に取り組むべきものです。優先度をふまえて、来期の施策実行計画に落とし込みました。(図表1参照)

結果

カスタマージャーニーにより会員の解像度がアップ

データに裏づけされた戦略、施策設計が実現でき、実行フェーズへの士気も高まりました。 調査データはプロジェクトメンバーの共通言語となり、施策推進のコンセンサスが取りやすくなりました。

担当コンサルタントの声

会員アンケートによる定量調査と、会員ヒアリングによる定性調査の両方を実施することで会員の実態を深く理解することができました。それによって、ターゲットの明確化、課題整理、施策の落とし込みまで、スムーズに進めることができました。ワークショップはオンラインとオフラインで1回ずつ実施しましたが、いずれも両チームとも活発な議論が交わされました。オンラインでのワークショップは初めてでしたが自信がつきました。現在、実行フェーズに入っており、着実に計画を進行中です。

山田 俊也

マーケティングコンサルタント

山田 俊也

マーケティング戦略策定

BtoB企業を中心に、マーケティング戦略設計から施策の実行までサポート。Marketo Engageを使ったコンサルティングの実績を多く持つ。
社外に向けた無料・有料セミナーの企画、講師も担当。のべ50回以上の登壇実績。Adobe社が提供するMarketo Core Concepts Ⅱの講師を勤める。
育児のための長期休暇を取得、仕事復帰後は子育て奮闘中。

TOP