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若者の車離れは止められるのか

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若者の車への関心は

若者の車離れが言われ続けていますが、車に対する関心がなくなってきているのでしょうか?ソニー損保の「新成人のカーライフ意識調査2012」によ ると、1000人の回答者のうち、8割が「自分の車を所有したいと思う」と回答しており、ここ3年間の同調査では、免許取得者はいずれの年も半分を超えて います。 若者の車への関心がなくなってきているわけではなさそうです。
ただし、国税庁の「民間給与実態統計調査」のデータによると、20代から30代前半の平均給与はピーク時の1997年から2010年の間に大きく減 少してしまい、20~24歳では28万減、25歳~29歳では38万減30~34歳では、66万減となっています(表1参照)。

表1:年代別平均給与

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※出所:国税庁「民間給与実態統計調査」

車に関心がないわけではないが、所得が減少してきている現状では、お金の使い方も合理的に考えざるを得なくなっていると思われます。

減税対策の若者への影響

そんな中、2009年度から施行された「エコカー減税」「グリーン化税制」は、若者の車購入促進に一役買ったと見られます。 内閣府の「消費動向調査」によると2011年3月の乗用車の世帯別普及率では、「30~59歳」が83.6%と最も高く、次いで「29歳以下」が 64.1%と「60歳以上」の普及率63.5%を超える結果となっています。「29歳以下」の乗用車普及率は、2008年3月までは減少傾向にありました が、以降は上昇が続いています(図1参照)。

図1:世帯単位の乗用車普及率

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※出所:内閣府「消費動向調査 主要耐久消費財等の普及・保有状況」

また、「29歳以下」に絞って、性別に乗用車普及率の傾向を見ると、2011年3月は男性は新車が上昇、中古車が下降、女性は逆に中古車が上昇、新車が下降傾向になっています。 特に男性の新車普及率は、前年より10ポイントもアップしており、29歳以下の新車普及率は、主に男性によって持ち上げられていることがうかがえます(図2参照)。減税を期に若者、特に男性の車所有への意欲が高まったと想定されます。

図2:29歳以下性別乗用車普及率

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※出所:内閣府「消費動向調査 主要耐久消費財等の普及・保有状況」

内閣府の「国民生活に関する世論調査」(平成22年6月実施)によると、今後の生活において、特にどのような面に力を入れたいと思うかの質問では、 20~29歳の男性では、「所得・収入」が50%を超え最も高いものの、他の世代に比べ「自動車、電気製品、家具などの耐久消費財」も20%と、男性平均 より10ポイント以上高くなっています。一方、20~29歳の女性においては、「資産・貯蓄」や「所得」が50%前後を占め、その後に「レジャー・余暇生 活」が続き、「自動車、電気製品、家具などの耐久消費財」は10%を割っています。新車購入は男性が伸びているのもうなづけます。
一方、同調査で興味深いのが現在の生活に対する満足感です。性・年齢別にみると、男性、女性いずれも20~29歳の満足度は高く、男性は65%で70歳以上に次ぐ高さ、女性においては75%と最も満足度の高い世代になっています。
最近の若者は、収入が少ないため、生活に満足していないと考えがちですが、現在の生活に大きな不満は持っていないように見られます。生活の力点は、収入や貯蓄に置きつつ、無理をしない程度に買い物やレジャーを楽しむ身の丈に合った消費行動が推測されます。
先に紹介したソニー損保の「新成人のカーライフ意識調査2012」においても男性の車の購入意向については、新車の購入意向の増加と同じくらい「購 入する予定はない」と回答した人も6ポイントほど増えています(図3参照)。「若者の車離れ」と言っても、欲しくても買えなかった層と、買わないと割り 切っている層の2極化が想定されます。また、「わからない」と回答した人も2割以上存在し、どう転ぶかわからない層も少なくありません。

図3:車の購入意向

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※出所:ソニー損保「新成人のカーライフ意識調査2012」

今年1年、エコカー減税の延長やエコカー補助金の復活により、新車購入の動きは続くと期待されます。日本自動車販売協会連合会などが発表した 2012年3月の新車販売台数ランキングでは、トップは、10ヶ月連続でトヨタの「プリウス」が4万5496台(前年同月比230.9%)、2位はホンダ 「フィット」で3万4161台(同153.3%)、3位はダイハツ「ミラ」で2万9721台(同357.2%)と、いずれもハイブリッドあるいは低燃費性 をアピールしている車種が前年同月を大きく超える幅で販売台数を増やしています。
各メーカー揃ってエコカーをアピールし、また、維持費が安くすむ軽自動車市場の強化も見られますが、無理をしない堅実な消費行動を行う若者に対して は、中古車やカーシェアリング、さらに電動自転車なども脅威となることが想定されます。単にカッコイイから、安いからではなく、いかに生活にメリットをも たらすものであるかを伝えることが必要であり、改めて、車の価値が問われています。

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