2012年2月24日(金)
マーケティングデータアナリスト 高月 大輔【文責】
今回は家具メーカーの営業部長がアクセスログの分析結果を実営業施策に活用した事例をご紹介します。
S営業部長のミッションは、全国の家具販売店を通じて自社商品の販売数アップを目指し、営業スタッフをマネジメントすること。
特に「A商品」は主力商品であるため、力の入れようも大きくなります。A商品購入者の傾向として「9月頃から情報収集を開始し、12月末に購入のピークを迎える」という購買行動をとることがわかっており、早めに店頭で商品をアピールしてもらうよう営業スタッフに指示するものの、なかなか徹底されないという状況でした。
そうした中、「A商品」のWebプロモーションの効果測定報告を受ける機会ができました。
A商品購入者が「9月頃から情報収集を開始し12月末に購入のピークを迎える」という動きは以前から把握されていましたがアクセスログ分析と照らし合わせることで、より具体的な購入検討者の動向が見えてきました。
<図1:9月~12月における主要コンテンツの訪問回数割合>
利用者の声は、9月、10月、12月がよく見られている
店舗紹介系コンテンツは11月に最もよく見られている
と、各コンテンツごとに閲覧時期の違いが明確に浮かび上がりました。
アクセスログ分析の結果は、Webサイトのコンテンツやナビゲーションの改善、次回のWebプロモーション企画等に活用されていますが、S営業部長はWebだけでなく実営業に活用できるポイントを読み取りました。
特に、「2.店舗紹介系コンテンツは11月に最もよく見られている」という結果から、これまでの営業指示では「早めに動くように」といった曖昧な指 示しか出せなかったのが、数字の裏付けによって、「10月末までに対応」といった具体的な期限を指示できるようになっています。
購入前にWebで情報収集/検討することが当たり前となっているため、アクセスログ分析を通じて購入検討者の動きを察知することが可能になってきて います。実営業の課題と照らし合わせながらアクセスログデータを読み取ることで、具体的な営業施策が見えてくるのではないでしょうか。