ユニバーサルアナリティクスならではの機能【UA移行の知っておきたいポイント-2】
ユニバーサルアナリティクス(UA)への移行に関して、第1回では
●ユニバーサルアナリティクスへの移行状況の確認方法
●ユニバーサルアナリティクスへの移行方法と注意点
●ユニバーサルアナリティクスと従来Googleアナリティクスの主要な違い
について説明した。
第2回では「ユニバーサルアナリティクスでないとできないこと」を中心に、「どのようなことができるようになったか」「どう導入するか」について説明する。
※関連ナレッジ資料※
これだけは押さえたい!Googleアナリティクス4(GA4)データ計測設定マニュアル をダウンロード
ユニバーサルアナリティクスならではの機能
従来のGoogleアナリティクスから移行し、これまで同様にアクセス解析ツールとして使っていく。
この運用に加え、ユニバーサルアナリティクスから使用できるようになった、より応用的な分析手法が存在する。
Google社公式の下記ヘルプ
https://support.google.com/analytics/answer/2790010?hl=ja
上記ヘルプページにも記載されているように、下記の機能が使えるようになる。
※それぞれ、タグ(トラッキングコード)の改修や管理画面での設定が必要。
User ID
●カスタムディメンション・カスタム指標
●拡張eコマース
●メジャメントプロトコル (Measurement Protocol)
●データインポート
各機能の概要
User ID
■概要
●会員IDを付与しているWebサイトで、ログイン状態にあるユーザーであれば、アクセスするデバイスが異なっても一人のユーザーと看做して分析できるようになる。
●一人のユーザーがパソコン・スマートフォン両方からアクセスすると、別々のアクセスと扱われていたものが、UA側で自動的に「一人のユーザー」として集計するようになる。
■導入を勧めるWebの種類
●ECサイト
●メディアサイト
●広告のアトリビューション分析の精度を高めたいサイト
■導入条件
●開発:必要
●タグの記述追加:必要
●管理画面設定:必要
●その他:会員サイトであることが必須
カスタムディメンション・カスタム指標
■概要
●自社独自のデータ項目や指標を追加できる。
■導入を勧めるWebの種類
●ECサイト
●アクセス解析データと会員データの各項目を組み合わせて分析したいサイト
●デフォルトの項目や指標以外のものを付け加えたいサイト全般
■導入条件
●開発:必要
●タグの記述追加:必要
●管理画面設定:必要
拡張eコマース
■概要
●より詳細なEコマース分析が可能に。下記は一例。
●どの一覧画面の、どの場所に表示された商品のコンバージョン率が高いか?
●商品ジャンル単位や、商品のバリエーション単位での分析
■導入を勧めるWebの種類
●ECサイト
■導入条件
●開発:必要
●タグの記述追加:必要
●管理画面設定:必要
●その他:下記条件に当てはまるECサイトのみ
●自社開発EC
●拡張eコマース設定や、個別のカスタマイズに対応しているECのASP
メジャメントプロトコル (Measurement Protocol)
■概要
●従来は「WebサイトのHTMLにタグ(トラッキングコード)を設置し、その動作に拠ってのみアクセス解析データを収集する」という形だったものが、タグ(トラッキングコード)を設置できない場合でもデータを取得することができる。
●下記は一例
●HTML形式のメルマガの開封率・クリック率計測
●アプリ内の利用状況計測
●オフライン連携
●想定される事例
●店舗の人感センサーと組み合わせ、UAにデータを飛ばしてアクセス解析のデータと連携させる
■導入を勧める事例
●メルマガやアプリなどWebサイト以外のデジタルプラットフォームを多用している
●オフラインのデータもアクセス解析データと連携したい
■導入条件
●実施内容に拠って開発や設定の範囲・ボリュームは異なる
データインポート
■概要
●自社で持つデータベースのデータをユニバーサルアナリティクスにインポート=取り込み、分析の幅を広げる。
●下記は一例
●購入回数が多い顧客はそうでないユーザーに比べてWebサイト内の行動が異なるか?
■導入を勧めるWebの種類
●ECサイト
●会員システムがあり、各会員の属性データを持つサイト
●CRMと連携したいサイト
■導入条件
●開発:実施内容に拠って異なる
●タグの記述追加:実施内容に拠って異なる
●管理画面設定:必要
●その他:インポートするデータの準備
導入に当たって
実施のためにプログラム開発が必要
各機能はタグ(トラッキングコード)に記述を付け加えるだけでなく、プログラム開発を行って動的に指定の内容をHTMLに吐き出すようにする必要がある。
そのため、プログラム開発を行うスタッフ・担当者・外部協力会社を手配する。
実施内容が自社のプライバシーポリシーやセキュリティポリシーに沿っているかを事前に確認しておく
カスタマイズすることで、アクセス解析データに加えて様々な情報を取得することが可能になる。
現在のプライバシーポリシーやセキュリティポリシーに対して実施内容が逸脱していないか、予め確認しておくのが良いだろう。
仕様や制限事項を予め確認しておく
「やりたいこと」と実際の仕様が合致しているか、制限事項に懸念はないかなど、予め確認しておこう。
まとめ
ユニバーサルアナリティクスに移行することで、アクセス解析以上のデータ分析が行えるようになる。
その場合、移行作業に留まらず、開発も含めた導入作業や検討が必要になることは念頭に置く必要はある。
それらを織り込み、Webサイトの課題抽出や、Webサイトに訪れる顧客・見込み客の育成に有用なデータを収集・活用できるようになるメリットを検討すると良いだろう。
UA移行の知っておきたいポイント:連載一覧
第1回:ユニバーサルアナリティクスとは?移行するにはどうすれば良い?
第2回:ユニバーサルアナリティクスならではの機能