コラム

BtoB向けデジタルマーケティング戦略策定の手順

コロナ禍でテレワークが当たり前になり、BtoB企業の営業活動は大きな変化を強いられた。これまで通りのやり方では電話がつながらない、訪問ができないといった問題が生じている。

こうした環境下において、デジタルマーケティングの必要性はこれまで以上に高まっている。しかし、デジタルマーケティングをどのように推進していくべきかと頭を抱えている方も多い。

2022年7月13日、『BtoB向けデジタルマーケティング戦略策定の手順』をテーマにしたセミナーを開催した。講師を務めたのは弊社マーケティングコンサルタントの久道 真之介。当日のセミナー内容を本コラムで紹介する。

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BtoBデジタルマーケティングの定義

このセミナーでは、BtoBデジタルマーケティングを「オンライン/オフラインを含めた顧客情報、顧客行動、マーケティング/営業活動のデータを集約。集約したデータを活用して、リードの量と質を高め、案件創出に貢献する一連の活動」と定義する。

BtoBデジタルマーケティング戦略策定の進め方

デジタルマーケティング戦略策定には、大きく分けて3つのフェーズがある。

・現状把握
・方針検討
・実行計画策定

現状把握の工程では、主に3つの要素を重点的に把握する。

・自社(マーケティング・営業活動のプロセス、データフロー、既存ツール)
・競合(どんな動きをしているのか)
・顧客(既存顧客)

方針検討の工程では、4つの観点から顧客像の明確化をおこなう。

・顧客セグメントとターゲット
・購買プロセス整理
・営業/マーケティングプロセス
・顧客ニーズ

これら4要素を考慮し、カスタマージャーニーマップを作成する。
作成したカスタマージャーニーマップをもとに施策を検討し、コンテンツ計画を立て、データマネジメント設計をおこなう。
これらを集約すると、大枠のデジタルマーケティング戦略が出来上がる。

BtoBデジタルマーケティング戦略策定での5つのポイント

ターゲット設定

デジタルマーケティングを推進するうえで生じる問題の多くは、「対象商品・サービスのターゲットが定まっていないこと」に起因する。ターゲット設定の必要性は理解していても、具体的に落とし込めていないという現実がある。

商品・サービスのターゲットは、以下3段階のプロセスで明確化する。

・その商品・サービスはどのような顧客課題を解決するのに優れているのか
・その課題はどのような企業で発生してるのか
・課題解決に対する起案を誰がおこない、誰が商品・サービスを選定するのか

「ターゲットはどこですか?」と聞くと、2つめのプロセスである企業属性で回答されることが多い。ターゲットを定める上で、解決できる顧客課題を考える工程は欠かせないが、これまでの受注実績から決めてしまうことがある。ターゲットを明確にするには、上記3つのプロセスを順に踏んでいくことが欠かせない。

購買プロセスの整理

ターゲットをさらに具体化するために、「お客様はどのようなプロセスで商品・サービスを購入するのか」を考える。

BtoB企業は、複数人が関係して購買を進める。
情報収集段階では担当者、課題認識段階では部長というように、購買プロセスのステージごとにキーマンが異なる。そのため、「誰が」「どこで」「どんな情報を」といった観点で購買行動を整理する必要がある。
購買プロセスを整理することで、各プロセスごとにどのようなコンテンツが必要なのか、自ずと明確になる。

購買プロセスに沿った施策の落とし込み

購買プロセスが整理出来たら、具体的に施策を棚卸しする。各プロセスごとに異なるキーマンにアプローチするため、最適な施策を割り当てる。
様々な施策を棚卸したうえで、どの部門がどの施策を担当するのかを明確にする。

競合との戦い方

ターゲットを明確にする際、以下3段階のプロセスを踏む。

・その商品はどのような顧客課題を解決するのに優れているのか
・その課題はどのような企業で発生してるのか
・課題解決に対する起案を誰がおこない、誰が商品・サービスを選定するのか

ここで検討した内容に、競合の動きと社内状況を加える。

たとえば、競合と比較して価格面では劣るものの、商品・サービス力に強みがある。営業リソースにも余力がある。この場合、購買プロセスの前工程からアプローチするのが望ましい。

営業リソースは劣るものの、価格面での競争力が強い。この場合、購買プロセスの後工程にあたる「比較検討」段階からのアプローチに特化するのが望ましい。

このように、購買プロセスと競合の動き、社内状況を複合的に検討したうえで、顧客に選ばれるための戦い方を組み立てることが重要である。

デジタルマーケティングの体制づくり

デジタルマーケティングを推進するためには、営業部門や事業部門、カスタマーサクセス部門と連携して進めることが必要になる。

これらの部門との連携を実現するためには、データ連携が不可欠になる。デジタルマーケティング推進のエンジンはデータの集約化だ。

マーケティング部門で管理するデータと営業部門で管理するデータを集約すると、リードの遷移状況を把握できるようになる。これによってPDCAを早く回せるようになり、営業成果の向上に繋がる。

デジタルマーケティングが進んでいる企業では、部門を横断したマーケティング活動を調整する「マーケティングオペレーション」の役割を設けているところがある。

適正な施策への予算管理と検証。そして施策をナレッジ化して共有するキャンペーン管理。各リソースを把握し、パイプラインの調整をおこなうレベニューマネジメント。部門を横断してデータを活用できる環境を構築するデータマネジメント。

こういった部門と部門、機能と機能をつなぐ役割を担う人やチームを置くことで、デジタルマーケティングを円滑に進められるようになる。

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デジタルマーケティング戦略策定コンサルティングの紹介

「デジタルマーケティングを推進することになったが、どのように進めるべきなのか誰かに相談したい」

こんなご要望に合わせて、パワー・インタラクティブではデジタルマーケティング戦略策定のコンサルティングを提供しています。

パワー・インタラクティブのデジタルマーケティング戦略策定は、以下5つのステップに沿って進めていきます。

現状評価に基づく戦略方針の定義
顧客体験・シナリオの設計
コミュニケーション方針の設計
デジタルマーケティング基盤の整備
デジタルマーケティング計画の策定
デジタルマーケティング戦略策定でお悩みの方は、お気軽に弊社へご相談ください。

■デジタルマーケティング戦略策定コンサルティング
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