MR1人当たりの業務量が増える中、医療従事者へ適切な情報を提供し、生産性の高い活動ができているのか、上層部は懸念を抱いていました。さらに、コロナ禍によりMRの医療施設への訪問が厳しくなったため、訪問以外の情報伝達手段を考える必要がありました。
営業部をはじめとする関連部署を巻き込んだMarketo導入プロジェクトを立上げ、Marketo導入の目的や役割を共有。定期メルマガやイベント案内メールを配信していきました。また、Marketoと顧客管理システムを連携させ、医療従事者の行動履歴や関心分野をスコア化しMRに共有することで、タイムリーな製品提案ができるしくみを作りました。
Marketo導入プロジェクトを立ち上げる際、実際に手を動かすマーケティング部だけでなく、医療従事者と密接に関わっている営業部や製品部、さらに情報システム部からも担当者を選出し、マネージャー・部長クラスにも導入趣旨を説明しました。社内全体がMarketo導入に対するイメージと役割を認識した上でキックオフを行い、導入をスタートしました。
医療従事者へ最新の業界情報を届けようと、2週間に1回の定期的なメルマガ配信をルーティン化しました。さらに、学会や講習などのオンライン・オフラインイベントの案内メールも送りました。イベント案内メールは、時間帯による開封率の違いなどを確認しながらより最適な配信タイミングを検証しました。
医療従事者のウェビナー参加や、アンケート回答状況、ウェブサイトの閲覧などの行動履歴をスコア化し、閾値を超えたら担当MRへアラートメールを出すよう自動化しました。また、行動だけではなく、興味のある注力製品もスコアで把握できるようにし、興味を持った製品のリード育成が行えるよう設計しました。
営業プロセスの前段階をマーケティング部が担うことで、MRはスコアの高い、より商談に近い医療従事者に注力できるようになりました。これまでコンタクトしたことのなかったスコアの高い医療従事者にMRが直接コンタクトをとり、商談に繋がったケースもあります。
Marketoの導入・活用を成功させるためには、導入前が肝です。まずはお客様の課題や現状を整理・把握して、その解決策を年間スケジュールに落とし込みます。そして、営業部・マーケティング部・システム部・製品部などの関連する部署の担当者からマネジャーまで幅広く招集します。事前に関係者と共通の認識を持ち、同じベクトルに向けることが必要です。弊社では、企業一体となってMarketo導入・活用を進める体制作りをサポートします。
マーケティングコンサルタント
山下 智
マーケティング戦略策定
Webコーダー/Webデザイナーからキャリアをスタート。その後、Webディレクターとして数多くの企業サイトの企画~設計~制作を手掛ける。
2014年に自社へのMarketo導入の推進をきっかけに、マーケティングオートメーションを専門とするコンサルタントへキャリアチェンジ。
現在は、事業会社のマーケティングDXの支援や、データマネジメントの仕組みや組織体制づくり、人材育成まで、データを活用したマーケティングの幅広い伴走コンサルティングを得意とする。特に、製薬および医療機器メーカーの支援に強みを持つ。
無類のクラフトビール好き。 No Beer! No Life!
2024.07.01
2024.06.21
2024.06.17