クライアントはマーケティングオートメーション(以下、MA)やセールスフォースオートメーション(以下、SFA)のツール商材を提供する企業で、ツール導入後の顧客支援や価値訴求を重要な事業課題としていました。しかし、次のような具体的な問題を抱えていました。
1.視覚的な訴求力の欠如
提供していたダッシュボードでは、リード数、メール開封率、クリック率といった基本的な指標に限られており、ユーザーがマーケティング活動の成果を一目で理解できる内容ではありませんでした。特に、ユーザーが直面する課題に具体的なアプローチを提案するためのデータに基づいた裏付けが不足している点が課題として挙がりました。
2.データの断片化
MAやSFAから取得されるデータが複数のプラットフォームに散在し、それらを統合して有効活用するための基盤が構築されていませんでした。この状況では、マーケティング活動の全体像や収益への貢献を包括的に把握するのが困難でした。
3.社内の非効率性
データの分断により、営業部門とマーケティング部門間の連携が十分に取れておらず、意思決定プロセスが複雑化していました。これにより、施策の効果検証や改善案の策定に時間がかかる状況が発生していました。
パワー・インタラクティブは、これらの課題に対応するため、以下のアプローチを採用しました。
クライアントが求めるダッシュボードの理想像を具体化するために、詳細なヒアリングを実施しました。その中で、顧客提案において重要なKPIや分析軸(チャネル別、営業担当者別、部門別など)を明確にし、これらを可視化するための仕様を設計しました。さらに、テンプレートとして実装可能な内容に精査し、データの収集から活用までの流れを最適化しました。
1.データ基盤の設計と構築
BigQueryを活用し、クライアントの要件に基づいたデータマートを構築しました。このデータマートは、必要なデータを効率的に統合し、加工することで、分析やダッシュボード表示に必要な柔軟性を確保しました。具体的には、以下のようなデータ構造を設計しました。
・MAやSFAから収集される商談データの統合
・固定フィルタや条件付き表示を実現するデータセットの作成
・サンプルデータを活用した検証と改善
2.ダッシュボードテンプレートの提供
顧客が直感的に操作できるダッシュボードをBIツール上で開発しました。このダッシュボードには以下のような機能が含まれます。
・チャネル別の商談件数や成果の可視化
・営業担当者ごとの商談・受注実績のトラッキング
・部門別の商談・受注状況の比較分析
また、テンプレート形式で提供することで、クライアントが短期間で活用を開始できる仕組みを構築しました。
クライアントは課題を解決したことで、以下の成果を実感しています。
1.顧客提案の質の向上
新しいダッシュボードを活用することで、クライアントは顧客にツールの価値を視覚的かつ具体的に伝えることが可能になりました。これにより、顧客が提案内容をより深く理解し、導入後の成果をイメージしやすくなったため、契約率の向上が期待されています。
2.内部業務の効率化
営業部門とマーケティング部門の間で共通の指標を基に連携が強化され、データ共有の透明性が向上しました。これにより、意思決定のスピードが上がり、マーケティング施策の実行力が向上しました。
3.迅速な基盤構築と運用開始
BigQueryを活用したデータ基盤の構築により、短期間でプロジェクトを完了。これにより、クライアントはすぐにダッシュボードを利用し、マーケティング活動の効果測定や施策の改善を進めています。
今回のプロジェクトを基盤に、クライアントの今後の展開は、以下の通りです。
1.商材の進化
ユーザーのフィードバックを反映し、ダッシュボード機能のさらなる拡張が計画されています。具体的には、追加指標の表示やリアルタイムデータのモニタリング機能の導入が予定されています。
2.自社でのマーケティングデータの戦略的活用
統合されたデータを活用し、より精緻なターゲティング施策やパーソナライズされた顧客対応を可能にするマーケティング戦略の構築を目指しています。
3.他部門への展開
データ活用の成功例として社内の他部門にも横展開し、組織全体のデータ活用スキルの向上を促進する計画を作成中です。
この事例は、パワー・インタラクティブの「マーケティング・データマネジメント推進支援サービス」の一例です。本サービスでは、クライアントのデータ統合や可視化を支援し、マーケティング活動の成果を最大化する環境を提供します。
詳しくはサービスページをご覧ください。
マーケティング・データマネジメント推進支援サービス
マーケティングデータの統合やダッシュボード構築に関心がある方は、ぜひお問い合わせください。
このプロジェクトを通じて、クライアントのデータ基盤の課題を解決できたことに加え、顧客への提案力向上や部門間の連携強化に寄与できたことを大変うれしく思います。特に、クライアントが『顧客にツールの価値を明確に伝えられるようになった』とおっしゃった時は、この仕事の意義を強く感じました。今後も定期的なレビューを通じて、ダッシュボードの進化と運用支援を続けていきたいと考えています。
マーケティングデータアナリスト
八木 耕祐
Web行動履歴やアプリデータによる顧客行動分析
アナリストとして、50社のアクセスログ分析に携わる。現在は、データ設計、データマート構築などの基盤づくりから、ダッシュボード作成、分析まで、データ活用を極めている。セミナー登壇は50回以上、満足度90%以上のセミナーも多数。
リモートワークになり、海の近くでマリンスポーツをエンジョイ中。

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