コラム

Adobe Marketo EngageとLINEの連携で、LINEメッセージをパーソナライズする

消費者向け事業でAdobe Marketo Engage(以下、Marketo)を利用していると、こんなことを考えることもあるだろう。

「MarketoのデータをつかってLINEのメッセージを出し分けしたい」

本記事では、MarketoとLINEを連携することで得られるメリット、MarketoとLINEを連携してできることなどを解説する。

※関連ナレッジ資料※

MarketoとLINEを連携することで得られるメリット

LINEでのセグメント施策を高度化できる

LINE単体で利用できるデータは、あくまでLINEで取得できたデータのみである。Marketoにも多くの顧客データを蓄積しているにも関わらず、それをLINEでは使えないことに歯がゆさを感じることもあるだろう。

MarketoとLINEを連携すると、Marketoに蓄積した顧客データをMarketoから配信するLINEメッセージで利用できるようになり、より高度なセグメント施策を実行できるようになる。これまで以上にパーソナライズしたLINEメッセージ配信を実現できれば、反応率の向上やブロック率の低下といった成果につなげることもできる。

1年以上前の顧客行動データをセグメントに利用できる

LINE公式アカウントは、メッセージ履歴の保管期間が最長1年となっている。つまり、直近1年間でのコミュニケーションをもとにしたセグメント施策しかおこなえないことになる。

参考:LINE公式アカウントでトーク履歴のバックアップを取る方法

Marketoはデータの種類によって保管期間が異なるものの、LINEよりも長期にわたって保存されているデータも数多くある。Marketoに蓄積した顧客行動データを利用すると、より長期的なナーチャリングをLINEでも実現できるようになる。

複雑なシナリオを実行できる

複雑な設定でシナリオを実行できるのは、Marketoの持ち味のひとつだ。緻密なコミュニケーションを設計してエンゲージメントプログラムに実装することで、よりよい顧客体験を提供できる。

一人ひとりに合わせたコミュニケーションを実現できれば、おのずと成果は上がるだろう。

MarketoとLINEを連携してできること

MarketoとLINEを連携してできることは主に2つある。

MarketoからLINEメッセージを配信できる

MarketoとLINEを連携することで、MarketoからLINEメッセージを配信できるようになる。Marketoでは、以下のLINEメッセージを送信できる。

・テキスト
・スタンプ
・画像
・動画
・イメージマップ
・テンプレートメッセージ
 ・ボタン
 ・カルーセル
 ・確認
 ・画像カルーセル
・FLEXメッセージ
 ・レストランレコメンド
 ・チケット
 ・レシート
 ・レストランメニュー

参考:メッセージタイプ|LINE Developers

高度なシナリオ作成

LINEにもステップ配信機能は搭載されているが、Marketoではより自由にシナリオを設定できる。実装できるシナリオの例として、以下のようなものが挙げられる。

・直近1カ月の間に特定のページを閲覧した人に対してLINEメッセージを配信する
・しばらくアクションがない人に対してクーポンを配信する
・メールに反応がない人にはLINEでメッセージを配信する

このようなシナリオを実行することで、より高い成果を生み出せるようになる。

MarketoとLINEを連携する際の留意事項

MarketoでLINEメッセージを配信する際は、以下6点に留意しておく必要がある。

・LINEメッセージ配信用のレポート機能はなく、スマートリストで確認する必要がある
・LINEメッセージ配信ではトラッキングリンクを生成できないため、Marketoでリンククリックの判定はできない
・LINEの分析APIを叩くと、メッセージ開封数やクリック数などのデータを取得できる
・LINE内ブラウザでフォーム送信した場合はLINE内ブラウザ、外部ブラウザでフォーム送信した場合は外部ブラウザのcookieとメールアドレスが紐づく。その後のアクセスログについては、cookieが紐づいているブラウザのみ取得できる
・1回のリクエストで送信できるメッセージオブジェクトは最大5つまで
・LINEの契約プランにより、月間メッセージ送信数の上限がかわる

MarketoとLINEの連携方法

MarketoとLINEは、LINE Messaging APIとMarketoのWebhook機能を利用して連携する。連携の流れは以下の通りだ。

1. LINE側設定
 1-1. LINE Developersアカウント作成
 1-2. プロバイダー作成
 1-3. ログインチャネル作成
 1-4. Messaging APIチャネル作成
2. Marketo側設定
 2-1. カスタムフィールド作成
 2-2. フォーム・LP作成
 2-3. Webhook設定
 2-4. 連携用スマートキャンペーン作成
 2-5. 動作確認

図表1:MarketoないリードとLINEアカウントの紐づけイメージ

MarketoとLINEをAPI連携したうえで、Marketoで作成したフォームでメールアドレスを入力してもらう。そうすると、MarketoのリードデータにLINE IDが紐づき、MarketoからLINEメッセージを配信できるようになる。

MarketoとLINEの連携完了後は、リッチメニューやメッセージでメールアドレス入力を促し、MarketoからLINEメッセージを配信できるユーザーを増やしていく必要がある。

MarketoとLINEを連携し、高度なパーソナライズを実現する

本記事では、MarketoとLINEを連携することで得られるメリットや生じるデメリット、連携するとできることなどを解説した。MarketoとLINEを連携させると、より顧客の関心にあったLINEメッセージをMarketoから配信できるようになる。

マーケティングを通じて顧客と良い関係を築き続けるには、高度なパーソナライズが必要不可欠である。この機会に、MarketoとLINEの連携に挑戦してみてほしい。

岩野 航平

コンテンツ編集長

岩野 航平

コンテンツ戦略策定

新卒で株式会社ネオキャリアに入社し、新規オウンドメディアの立ち上げに従事。ネオキャリアを退職し、数カ月間飲食店で働いた後、パワー・インタラクティブに入社。マーケティング、インサイドセールスを担当したのち、コンテンツ編集長に就任。パワー・インタラクティブで発信するコンテンツ全般の企画やコンテンツ計画策定などをおこなう。

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