営業送客の壁を超える!BtoB企業のための実践的TIPS集
パワー・インタラクティブ マーケティング推進室(文責)
はじめに
「リードは十分に獲得しているのに、営業に引き渡した後の商談化率が伸びない…」そんな悩みを抱えていませんか?多くのBtoB企業が直面するこの課題の背景には、マーケティングと営業の“連携不足”があります。
マーケティング部門がせっかく集めたリードも、営業が適切なタイミングでフォローできなければ商談にはつながりません。
本コラムでは、Adobe Marketo Engageを活用した具体的なユースケースをもとに、営業とマーケの効果的な連携による商談創出の成功事例をご紹介します。
営業送客を成功に導く10のTIPS
TIPS1:営業視点の「意欲判断スコアリング」を導入する
営業部門が求めるリード情報を明確化し、それに基づいてスコアリングを再設計します。例えば、製品資料ダウンロードで+20点、オンラインセミナー参加で+30点、アンケートで「3か月以内の購入予定」と回答した場合には+40点を付与します。また、行動データの詳細(どのコンテンツを閲覧したか、どのページに長く滞在したか)も営業に共有。これにより営業が優先的にアプローチすべきホットリードを即座に特定でき、結果として商談化率が約1.5倍に向上しました。
TIPS2:営業用ダッシュボード構築&通知の自動化
SalesforceとAdobe Marketo Engageを連携し、営業がリアルタイムでリードの行動を把握できるダッシュボードを構築します。例えば「製品Aの特設ページを3回以上閲覧した場合」や「重要なメールをクリックした場合」に自動で営業に通知が送られる仕組みを導入。また、通知が多すぎて無視されるのを防ぐために通知頻度を調整し、重要なアクションに絞って通知します。
この仕組みにより営業が迅速に対応でき、商談化率の向上に寄与しました。
TIPS3:セミナーや展示会後の即時フォローとリード育成
展示会やウェビナー後のリードフォローを迅速に行うため、Adobe Marketo Engageを活用してイベント専用のナーチャリングキャンペーンを自動化します。例えば、イベント終了後すぐにお礼メールを送信し、1週間後にフォローアップメールを送るなどのステップを設計。また、ABM(アカウントベースドマーケティング)を活用して重要なターゲット企業のリードには優先的にスコアを付与し、即座に営業に通知します。
このアプローチにより、商談創出率が約3倍に向上しました。
TIPS4:オンラインセミナーとMarketoで営業への橋渡しを強化
オンラインセミナー後のフォローアップを自動化し、参加者の行動データ(滞在時間、Q&Aでの質問内容など)をもとに、リードの優先度を判定します。例えば、セミナー参加後のアンケートで「導入意向あり」と回答したリードには即座に営業をアサインし、興味が低いリードにはナーチャリングメールを送る仕組みを構築。
この体制により、営業の負担を軽減しながら商談化率を向上させました。
TIPS5:ホワイトペーパー&メールナーチャリングでアップセルを促進
既存顧客へのアップセルを効率化するため、契約更新時期や利用中の製品情報をAdobe Marketo Engageに連携し、ホワイトペーパー(応用事例集、導入効果資料など)を段階的に送付します。反応が良い顧客(クリック、ダウンロードが多い)にはスコアを高め、一定の閾値を超えた時点で営業に通知します。
このプロセスにより、購買意欲の高い顧客を的確に特定し、追加ライセンス販売の成約率が約20%向上しました。
TIPS6:リードの検討度合いに応じた個別コンテンツ配信
リードのウェブサイト上での行動履歴(閲覧ページ、滞在時間など)をもとに、自動的に適切なコンテンツを配信します。例えば、採用関連のページを多く閲覧しているリードには「採用支援サービス」の事例集を送付し、価格シミュレーションページの滞在時間が長いリードには営業に優先的に通知。
この個別最適化されたアプローチにより、商談化率の向上とリード育成コストの約30%削減を実現しました。
TIPS7:ABMでターゲット企業を深耕
Adobe Marketo EngageのABM機能を活用し、ターゲット企業内の複数部門に対して最適化されたアプローチをおこないます。例えば、開発部門向けには技術仕様書、購買部門向けにはROI資料を提供し、それぞれの部門に最適な情報を届けます。
このプロセスにより、1社あたりの接触担当者数が2倍以上に増加し、商談リードタイムが約20%短縮されました。
TIPS8:営業担当者が簡単に使える「Marketo Sales Insight」で接触の質を向上
営業が日々の業務の中で簡単にリード情報を確認できるよう、Salesforce内に「Marketo Sales Insight」を表示。これにより、Webページ閲覧やメール開封、イベント参加などの最新アクティビティがリアルタイムで把握できます。
また、「Interesting Moments」機能を活用して重要な行動変化(例:高額商品の資料ダウンロード)を一目で確認できるようにし、商談数が約25%増加しました。
TIPS9:営業×マーケの定期ミーティングで高速PDCAを実現
営業とマーケの定期的なミーティングを実施し、リードスコアの見直しや施策改善を迅速に行います。例えば、営業のフィードバックをもとにスコアリング基準を調整し、週次で「リード数」「商談化数」「失注理由」などを可視化。
この継続的な改善プロセスにより、リードの質が向上し、商談化率の継続的なアップに貢献しました。
TIPS10:マルチチャネル連携(広告・SNS・オフライン)のシームレス化
オンラインとオフライン施策をAdobe Marketo Engageで統合管理し、リード情報の一元化を図ります。例えば、LinkedIn広告のクリックデータや展示会で収集した名刺情報をAdobe Marketo Engageに連携し、営業がリードの全体像を把握できるようにします。
これにより、イベント参加リードの商談化率が1.8倍に向上し、マーケティング施策の最適化も実現しました。
TIPSまとめと次のステップ
ここまで紹介してきた10のTIPSから明らかになるのは、営業送客の成功には単なるMAツールの導入だけでは不十分であり、営業との連携をいかに精緻に設計するかが鍵であるということです。
第一に、営業目線での情報提供が不可欠です。リードの行動データやスコアリングの根拠を可視化し、営業が「今、誰にアプローチすべきか」を明確に理解できる仕組みを作ることで、営業活動の質とスピードが向上します。
第二に、継続的なPDCAサイクルの実行が成功のカギとなります。週次・月次のミーティングで営業からのフィードバックを収集し、それをもとにスコアリングや引き渡しルールを柔軟に調整することで、常に最適な状態を維持できます。
第三に、段階的な高度化のアプローチが重要です。ABMやオンラインイベント連携といった高度な機能を最初から全て取り入れるのではなく、優先度の高いターゲットやイベントから段階的に適用し、効果を検証しながら拡大していくことで、無駄なリソースを抑えつつ効果を最大化できます。
まずは自社の営業部門と協力して現状の課題を洗い出し、この記事で紹介したTIPSの中から即実践できる施策に取り組んでみましょう。こうした一歩一歩の積み重ねが、最終的に営業送客の成功と商談創出の加速につながります。
さらに営業送客の課題をより深く解決するためには、専門的なサポートが不可欠です。パワー・インタラクティブのAdobe Marketo Engage支援サービスでは、導入から運用、最適化まで一貫したサポートを提供しています。Adobe Marketo Engageを活用したデータドリブンな営業連携を通じて、商談創出の効率化と成果向上を実現しましょう。さらに、貴社の課題に合わせたカスタマイズ支援も可能です。
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パワー・インタラクティブ マーケティング推進室(文責)