文責:パワー・インタラクティブ マーケティング推進室
産業用機器や部品の製造・販売を手がけるR社。社員は約1000名在籍しており、主にBtoB領域で事業を展開しています。近年、競合他社との差別化や新規顧客開拓の重要性が高まる中、従来の営業・マーケティング手法だけでは十分な成果を得られなくなっていました。そこでR社は、一度は外部の戦略コンサルタントと協力しながらGTM(Go To Market)戦略を策定したものの、「実際の業務フローにどのように落とし込むのか」という点で課題を抱えていました。
GTM戦略を具体的な施策へと落とし込み、データやツールを活用しながら、部門サイロを解消し、成果につなげていく。 パワー・インタラクティブの支援で、「戦略策定」と「現場実装」の間にある大きなギャップを埋めた事例です。
R社はすでにGTM戦略プレイブックや施策ロードマップは高い完成度でしたが、それらはあくまで戦略策定にとどまっており、現場業務に落とし込むための具体的な運用設計・実行方法は、今後の課題となっていました。
コンサルタントからの提言としては「何をやるべきか」の指針は示されていたものの、「どのようにツールを使い、どんな手順で施策を回していくか」といった部分のノウハウは、R社の内部には蓄積されていませんでした。特にMA(以下、マーケティングオートメーション)の設定や、営業と連携してリードをどう管理するのかといった運用レベルの業務フローが明確にならず、初期段階からつまづきが生じていたました。
R社の営業部門とマーケティング部門は、それぞれ別の管理ツールや運用ルールを持っていました。部門間のデータ統合も進んでおらず、施策を進めようとすると、互いのツールや情報をどのようにつなげればよいのかが曖昧なまま。質問しても戦略コンサルタントからは「大枠の方針」は示されるものの、より具体的な運用設計やツール連携は「自社で検討してください」という回答が多く、手探りの状態でした。
R社は、自社に不足していた「実行面のサポート」を補完するために、新たにパワー・インタラクティブの「GTMアクセラレートコンサルティングサービス」を活用することを決断します。大まかな流れは以下のとおりです。
1.現行ツール・データ確認
まずはR社が利用している営業管理ツールおよびMAの状況を確認し、運用プロセスを整理。どこでデータが分断されているのか、どのような情報を収集しているのかを洗い出しました。
2.連携設計と運用ルール整備
営業 → マーケ → CS(カスタマーサクセス)まで一貫してリードを追跡するフローを新たに設計し、ツール間連携の要件を明確化。データを一元管理しつつ、部門間の運用ルールを統一するための仕組みを固めました。
3.KPIモニタリングダッシュボード構築
経営層、マーケ、営業など、各レイヤーが必要とする指標を整理し、BIツールを使ったダッシュボードを用意。誰でもリアルタイムに重要指標を確認できる環境が整備されました。
1.社内担当者向けトレーニング
リード情報やSQL(Sales Qualified Lead)の基準など、マーケと営業が共通で理解・活用すべき知識をワークショップ形式で共有。加えて、MAを使ったメール配信やスコアリングの基本操作を、具体例を交えながら学習しました。
2.施策実行サポート
キャンペーンやランディングページ(LP)の設定方法をレクチャーし、運用ガイドを整備。月次レポートの作成支援や改善提案も実施し、PDCAを円滑に回せる体制を構築しています。
3.部門横断会議の運営補佐
営業・マーケ・CSが同じデータを見ながら施策やリードの状況をすり合わせる定例会議を設け、その運営を支援。部門サイロから脱却し、共通の目標を追いかける社内文化を醸成していきました。
1.運用代行と内製化のハイブリッド
定常的なメール配信やキャンペーン運用はR社の担当者が主体となって行い、繁忙期や専門性の高いプロモーションなどは外部リソースを活用。自社内にノウハウを残しつつ、必要に応じてアウトソーシングを組み合わせることで、オペレーションを止めない仕組みを確立しました。
2.PDCA強化
各施策の結果をリアルタイムでダッシュボードへ反映し、データに基づいて高速PDCAを実践。ツール上の設定変更なども機動的に行い、常にアップデートを続ける環境を構築します。
3.持続的な自走体制の構築
運用マニュアルやトラブルシューティングガイドを作成し、R社が自ら運用を継続できるようにサポート。定期的なコンサルティングチェックインを通じ、ダッシュボードの指標モニタリングやツール設定の最適化を継続的に支援しています。
1.戦略が実務レベルに落とし込まれた
既存のコンサル会社が作成した「GTM戦略プレイブック」や「施策ロードマップ」が、実際に営業・マーケ部門で手を動かすためのシナリオへ具体化。戦略が“絵に描いた餅”で終わらず、日々の業務フローやデータ基盤へ無理なく組み込まれました。
2.商談化率の上昇
MA/CRMのスコアリングとリード管理ルール整備によって、営業へ渡すリード(SQL)の精度が向上。これにより商談化率が従来の20%前後から35%へアップし、実際の売上貢献に結びつきました。
3.KPI可視化と経営判断の迅速化
ダッシュボードで営業パイプラインやマーケ施策の成果指標を一元管理することで、部門をまたぐ情報共有が容易に。経営層も定量的な根拠をもとに意思決定を行えるようになり、新たな投資や施策拡大についてスピーディに合意形成が図れるようになりました。
4.柔軟なリソース活用による安定運用
内製化を進める一方で、必要な場面には外部リソースを頼れる仕組みを併用。結果として、R社内部の自走力を高めながら、手が足りない時期や専門性が必要な案件でもオペレーションを滞らせることなく進められるようになったのです。
R社は、この強化したオペレーション体制をもとに、新製品の海外市場への展開や既存顧客へのアップセルにさらに注力していく計画です。戦略を策定して終わりにせず、実際の現場にノウハウとデータ活用を根付かせ、PDCAを回し続けることで組織的な成長と変革を継続できる段階に入りました。今後も定期的にコンサルティングのチェックインを受けながら、ダッシュボードの指標をモニタリングし、必要に応じて新たなツール設定や運用ルールをアップデートしていく見通しです。
R社のGTM戦略支援を担当した際、最も重要だったのは「戦略を実行に移す」ことでした。高レベルな戦略にとどまらず、具体的な業務フローやツール連携を設計し、営業・マーケティング・カスタマーサクセス部門が一貫して連携できるようにしました。その結果、商談化率が20%から35%に向上し、業務フローもスムーズに回るようになりました。
また、内製化とアウトソーシングのハイブリッド支援で、リソース不足の時でも運用を止めることなく継続できる体制を構築。今後もデータドリブンな意思決定と柔軟な運用支援を通じて、R社の成長を加速させるサポートを行います。
このような成果を実現するための支援を提供するのが、私たちの「GTMアクセラレートコンサルティングサービス」です。当サービスは、戦略の策定から実行、KPIの可視化まで、マーケティング活動を効果的に加速させるための支援を一貫して行います。戦略的な施策設計をはじめ、部門間の連携強化やデータ統合を通じて、マーケティングの実行力を高め、持続可能な成果を生み出す体制の構築をサポートします。
「戦略はあるが実行が難しい」「部門間の連携がうまくいかない」といった課題を抱えている企業様にとって、私たちのサービスは確実にお役立ちできるものと自信を持っています。ぜひ、私たちと一緒に、実行可能なマーケティング体制を構築し、成果を上げていきましょう。
パワー・インタラクティブ マーケティング推進室
2025.06.10
2025.05.12
2025.05.12