コラム

GA4×Marketoで見るMQLリードの初回アクセスとコンテンツ分析

弊社ではGoogleアナリティクス(以下、GA4)とAdobe Marketo Engage(以下、Marketo)を連携し、MarketoのデータとGA4を掛け合わせてアクセスログ分析を行っています。
今回は弊社GA4で利用しているMarketoのデータを用いた探索レポートの内容を紹介します。

※関連ナレッジ資料※
Adobe Marketo Engage x Googleアナリティクス連携マニュアル をダウンロード

Marketo連携のメリット

GA4でのアクセスログ分析の幅を広げる

GA4とMarketoを連携するメリットとして、リードデータを踏まえたアクセスログ分析ができることが挙げられます。通常のGA4では資料請求などのコンバージョンをゴールとして、その達成経路を分析します。Marketo連携を行うことでリードデータをGA4でも利用できるため、獲得したリードがMQL化や商談化したかなどのリード状況を加味して、そこに至るまでの経路をGAで把握するといった利用が可能です。
弊社では下記のようなMQLリードのIDを指定するセグメントを作成し、MQL育成に貢献したマーケティング施策の把握に探索レポートを利用しています。

写真1:MQLリードのIDのみに絞り込んだセグメント例

Marketoデータを使った探索レポート例の紹介

MQLとの初回接点分析

GA4では「ユーザーの最初のデフォルトチャネルグループ」というディメンションを利用することで、ユーザーがWebサイトを初めて訪問した時にどのアクセス経路を利用したかを確認することができます。先述のMQLセグメントと当ディメンションを掛け合わせることで、MQLに至ったリードのサイトに誘導したアクセス経路が確認でき、MQL創出に間接貢献しているチャネルを把握することができます。

レポート構成
セグメント:MQLユーザー
ディメンション:ユーザーの最初のデフォルトチャネルグループ、ユーザーの最初の参照元/メディア
値:アクティブユーザー数
フィルタ:なし

写真2:初回接点分析のレポートイメージ

MQLの初回アクセスページ分析

GA4はWebサイトへのアクセス時、最初に見たページをランディングページとして計測しています。このランディングページは「ランディングページ+クエリ文字列」というディメンションに格納されています。また、別途GA4での設定が必要ですが、そのアクセスが何回目のアクセスかを記録している「セッション番号」をディメンションに登録しておき、ランディングページと掛け合わせることで初回訪問時のランディングページを把握することができます。
MQLセグメントとこれらのディメンションを掛け合わせることで、MQLリードをサイトに誘導したコンテンツが何だったのかを把握することができます。

レポート構成
セグメント:MQLユーザー
ディメンション:ランディングページ+クエリ文字列
値:セッション
フィルタ:セッション番号(カスタムディメンション) 完全一致 1

写真3:初回アクセスページ分析のレポートイメージ

MQLの利用チャネル分析

GA4には「セッションのデフォルトチャネルグループ」という「最初のデフォルトチャネルグループ」とは別のアクセス経路を見るディメンションがあり、こちらはアクセス(セッション)ごとのアクセス経路を見るディメンションです。MQLセグメントと当ディメンションを掛け合わせることで、リードがWebサイトにアクセスする際にどのアクセス経路を頻繁に利用しているのかを把握することが可能です。
弊社ではリードIDも表示してリード単位でのアクセス経路を把握できるようにしています。

レポート構成
セグメント:MQLユーザー
ディメンション:セッションのデフォルトチャネルグループ、セッションの参照元/メディア
値:セッション
フィルタ:Marketo_ID(カスタムディメンション) 含まない (not set)

写真4:利用チャネル分析のレポートイメージ

MQLのコンテンツ閲覧傾向分析

Marketoではアクティビティログからリードが閲覧しているページを把握することはできますが、MQL・SQLリードなどでまとめて、閲覧ページの一覧を表示することはできません。Marketo連携したGA4を利用することで、MQLリード等の条件でひとまとめにして閲覧ページリストを表示することができ、MQL創出に貢献しているコンテンツを把握できます。また、URLに含まれる文字列を条件に、ページをグルーピングする「コンテンツグループ」というGA4の設定をしておけば、ページ単位だけでなくディレクトリやコンテンツカテゴリ単位での閲覧傾向の把握も可能です。

レポート構成
セグメント:MQLユーザー
ディメンション:ページタイトル、ページパスとスクリーンクラス
値:表示回数
フィルタ:Marketo_ID(カスタムディメンション) 含まない (not set)

写真5:コンテンツ閲覧傾向分析のレポートイメージ

写真6:コンテンツグループを利用した場合のイメージ

最後に

以上のように、弊社ではGA4にMarketoのリードデータを送り、MQL創出に貢献しているアクセス経路・コンテンツの分析に利用しています。紹介例ではMQLに焦点を合わせて分析をしていましたが、これを商談化リードや重点フォロー対象のリードなどに変更して分析することも可能です。

弊社ではMarketo・Googleアナリティクス連携設定の解説資料を公開しています。是非、MarketoとGA4を連携してリードデータを用いたアクセスログ分析を試していただければ幸いです。

松實 美樹

マーケティングデータアナリスト

松實 美樹

Googleアナリティクスの計測設定、アクセスログ分析

2018年にパワー・インタラクティブに入社し、アクセスログ分析やリスティング広告運用などを通じてデジタルマーケティング支援に携わる。現在はGoogleアナリティクスの設定支援や、アクセスログを用いたWEBサイト分析、ダッシュボードの設計・作成を中心にアナリストとして従事。趣味は映画鑑賞。好きなジャンルはアクション、ホラー・スリラー。

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