コラム

マーケティング施策の全体設計(ストーリー)を作るコツ

パワー・インタラクティブ マーケティング推進室(文責)

マーケティング施策を実施する際、単発の施策がバラバラに展開されてしまうと、ターゲットの行動が分断され、期待する成果に結びつきにくくなります。特にBtoBマーケティングにおいては、リード(見込み顧客)の意思決定プロセスが長く、多くの情報収集や検討を経て購買に至るため、点在する施策を戦略的につなげることが不可欠です。
そこで、施策全体を「ストーリー」として設計し、ターゲットの心理変化に沿ってスムーズに誘導することが重要になります。
本記事では、そのための具体的な設計手法を5つのステップに分けて詳しく解説します。

まずはゴールを決める(最終的な成果を定義)

なぜゴール設定が重要なのか

施策の方向性が定まっていないと、マーケティング活動が場当たり的になり、リソースを効果的に活用できません。最終的に何を達成したいのかを明確にすることで、施策同士のつながりが生まれ、一貫性のあるマーケティングが可能になります。

ゴール設定のコツ

ゴールは具体的に設定する
・抽象的な目標ではなく、達成状況が明確に測定できるものを設定しましょう。
 例:「○○の製品デモ参加者を月5件増やす」
 例:「リードを90日以内に商談化させる」
 例:「BANT条件(予算・決裁権・ニーズ・導入時期)を満たしたMQLを増やす」

KPI(重要業績評価指標)を設定する
・KPIを決めることで、施策の成功基準が明確になります。
 例:「ウェビナーからMQLに転換する確率を20%にする」
 例:「ナーチャリングシナリオ経由の商談数を月10件にする」

ゴールがあると何が変わるのか

ゴールを明確にすることで、すべての施策がその目標達成のために有機的につながります。
単発の施策で終わらず、継続的なストーリーが生まれるため、リードの行動をスムーズに次のステップへと誘導できます。

カスタマージャーニーを作り、ターゲットの心理変化を整理

なぜカスタマージャーニーが必要なのか

BtoB商材は高額で、意思決定までのプロセスが長いため、リードが一度の施策で即決することはほぼありません。ターゲットの心理変化に合わせて、適切なコンテンツを提供し、次のステップへと進める導線を設計することが重要です。

カスタマージャーニーのフェーズ設計

ターゲットの心理変化に合わせてフェーズを分ける
1.認知フェーズ(Awareness)
 ・「まだ問題を認識していない」「Adobe Marketo Engege(MAツール。以下、Marketo)のことを知らない」
 ・適切な施策:記事・ホワイトペーパー・広告で情報提供
2.興味フェーズ(Consideration)
 ・「Marketoの導入を検討し始めた」
 ・適切な施策:ウェビナー・メルマガ・事例紹介で具体的な価値を伝える
3.比較・意思決定フェーズ(Decision)
 ・「導入するかどうかを検討中」
 ・適切な施策:製品デモ・営業面談・導入事例で購入意欲を高める
4.導入後・ロイヤル化(Retention)
 ・「導入したが、もっと活用したい」
 ・適切な施策:トレーニング・アップセル・ユーザーコミュニティ提供

施策をジャーニーに沿って配置する

この流れを意識することで、リードの行動をスムーズに誘導し、施策が単発で終わることなく成果につながりやすくなります。

施策同士を連携させる(点を線にする)

単発施策のリスク

1つ1つの施策が点で終わると、リードは次の行動を起こさずに離脱してしまいます。そのため、施策間に「橋渡し」を作り、次のフェーズへと導く仕組みを構築することが必要です。

施策をつなぐ方法

施策間の「橋渡し」を作る
 例:「ホワイトペーパーをダウンロードしたら、関連ウェビナーを案内する」
 例:「ウェビナー終了後、個別相談のCTAを表示する」
 例:「フォーム入力者に事例紹介メールを自動送信する」

トリガーメールで施策をつなぐ
 例:「Webサイトの価格ページを見たリードに、製品デモの招待メールを送る」
 例:「ホワイトペーパーをダウンロードした3日後に、関連ウェビナーの案内を送る」

こうすることで、施策が単発で終わることなく、リードがスムーズに次のステップへと進めます。

一貫したメッセージとコンテンツを用意する

メッセージの統一が重要な理由

施策ごとにメッセージが異なると、リードが混乱し、ブランドの信頼感が低下します。一貫性を持たせることで、ターゲットの興味を維持しやすくなります。

共通テーマを決める
 例:「Marketoの導入をスムーズに進める方法」
 例:「データ活用でBtoBマーケティングを変革する」
 このテーマを軸に、記事・ウェビナー・ホワイトペーパーを展開

コンテンツのトーン&マナーを統一
 例:「記事・ホワイトペーパー・メルマガの文体やデザインを統一する」
 例:「どの施策でも同じCTA(例:『無料相談はこちら』)を使う」

成果を可視化し、ストーリーを改善し続ける

KPIを設定し、効果を測定する
 例:「ウェビナー参加者のうち、商談に進んだ割合」
 例:「ホワイトペーパーダウンロード後、次の施策に進んだ割合」

施策のつながりをチェックする
 「ウェビナーの参加率は高いが、個別相談への誘導率が低い」→ CTAの見直し
 「ホワイトペーパーはダウンロードされるが、次のアクションがない」→ フォローアップメールを改善

まとめ

施策をストーリーとして設計することで、リードの行動をスムーズに次のステップへと誘導し、マーケティングの成果を最大化できます。継続的に分析と改善をおこない、より効果的な施策設計を目指しましょう。

ステップ 目的 具体的なアクション
①ゴールを決める 施策全体の方向性を明確にする KPIと最終目標を設定
②カスタマージャーニーをつなげる ターゲットの心理変化に沿った設計をする 興味→興味ドリブン対策→購入の流れを作る
③施策同士をつなげる 「点」ではなく「線」にする トリガーメール、CTA連携で施策を接続
④一貫したメッセージを作る 施策の統一感を出す 共通テーマ、トーン、ストーリー性を持たせる
⑤成果を分析・改善 継続的に最適化する KPIを測定し、施策の効果を調整

パワー・インタラクティブのMarketo支援サービスで、施策の全体設計を実現

マーケティング施策を「ストーリー」として設計し、リードの行動をスムーズに次のステップへと誘導するためには、 データの活用と適切なオートメーションの仕組みが不可欠 です。しかし、多くのMarketo導入企業では以下のような課題を抱えています。

・ 施策のつながりが弱く、リードの行動が分断されている
・ Marketoを導入したものの、基本機能しか活用できていない
・ データ活用やナーチャリングの最適化が進んでいない
・ 施策ごとに異なるメッセージやKPIが設定されており、一貫性がない

これらの課題を解決し、 成果につながるマーケティング施策を構築するために、
パワー・インタラクティブは Marketo活用の支援サービスを提供しています。

パワー・インタラクティブのMarketo支援サービスの特徴

1.施策全体のストーリー設計とデータ活用支援
単発の施策ではなく、 カスタマージャーニー全体を考慮したシナリオ設計 を支援します。
リードの心理変化に合わせたナーチャリング戦略を設計し、各施策をスムーズに連携させます。
・ Marketoを活用した施策設計(ウェビナー、ホワイトペーパー、ナーチャリング)
・ ターゲットの行動データを分析し、最適な施策を提案
・ リードの心理変化に合わせたシナリオ設計を実施

2. Marketoの機能をフル活用し、施策を自動化
「Marketoを導入したが、メルマガ配信やフォーム運用にとどまっている…」という企業向けに、施策のオートメーションを最適化し、マーケティングの生産性を向上させます。
・ トリガーメール・スコアリングの設計・運用支援
・ リードナーチャリングの最適化(ウェビナー・コンテンツ連携)
・ SalesforceやCRMとのデータ連携サポート

3. データの可視化と改善提案
施策の成果を可視化し、PDCAを回すことで継続的な改善をサポートします。
「施策の効果が見えにくい」「改善のポイントがわからない」といったお悩みに対応します。
・ KPIダッシュボードの構築
・ ウェビナーやホワイトペーパーの貢献度分析
・ MQL転換率・商談化率のモニタリングと改善提案

施策全体を「つながる」マーケティングへ

パワー・インタラクティブのMarketo支援サービスを活用することで、
単発の施策から、売上につながる戦略的なマーケティングへと進化させることができます。
「Marketoをもっと活用したい」「施策の全体設計を見直したい」とお考えの企業様は、ぜひご相談ください。

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