Adobe Marketo Engageのプログラムテンプレートの活用で効率化と一貫性を実現
パワー・インタラクティブ マーケティング推進室(文責)
INDEX
- 1. マーケティングオートメーションとプログラムテンプレート
- 2. Adobe Marketo Engageとプログラムテンプレート
- 3. Adobe Marketo Engageのプログラムテンプレートの構築例
- 4. Adobe Marketo Engageのプログラムテンプレートベストプラクティス
- 5. Adobe Marketo Engageのプログラムテンプレートの具体的な実装手順
- 6. Adobe Marketo Engageのプログラムテンプレート導入後の成功指標
- 7. Adobe Marketo Engageのプログラムテンプレートをもっと活用しよう
- 8. Adobe Marketo Engageテクニカルサポートの紹介
マーケティングオートメーションとプログラムテンプレート
マーケティングオートメーションにおいてプログラムテンプレートを設計し活用することは、効率的なキャンペーンの構築と運用を実現するために重要です。
プログラムテンプレートとは、マーケティングキャンペーンを実行する際に使用する標準化された複製可能なプログラムのことです。このテンプレートには、キャンペーンに必要な要素があらかじめ組み込まれています。例えば、メールやランディングページ、レポートなどが含まれており、新たなキャンペーンを開始する際に、プログラムを複製するだけで基本的な設定が整います。
Adobe Marketo Engageとプログラムテンプレート
Adobe Marketo Engage(以下、Marketo)でプログラムテンプレートを構築しておくことで、キャンペーンの設定や運用の手間を削減し、一貫性を保つことができます。定期的なウェビナー、ニュースレター、ABテストなど、繰り返し行う施策を効率化するための基盤を構築できます。以下に活用のメリットを提示します。
1. 効率的なキャンペーン構築
迅速な立ち上げ:テンプレートを複製するだけで、迅速にキャンペーンの立ち上げを行うことができます。特に、複雑なキャンペーンを一から構築する必要がなく、既存のテンプレートを複製して必要な部分を調整するだけで済むため、時間を大幅に節約できます。
一貫性のあるメッセージング:テンプレートを利用することで、ブランドのメッセージやデザインが一貫して保たれ、顧客に対して信頼性の高い印象を与えることができます。
2. データ管理と分析
パフォーマンスの追跡:テンプレートを使用することで、統一されたプログラムのもとで各キャンペーンを運用できるため、パフォーマンスを簡単にレポート化し、分析することが可能です。データに基づいた意思決定を迅速に行えるようになるため、次回のキャンペーンに向けた改善点を特定しやすくなります。
トークンの活用:Marketoでは、トークンを使用して動的にコンテンツを生成することができます。プログラムテンプレート内のアセットにトークンを組み込むことで、各プログラムごとに受信者の情報に基づいたパーソナライズされたメッセージを自動的に挿入でき、キャンペーンの効果を高めることが可能です。
Marketoは、企業がマーケティング活動を効率化し、顧客との関係を深めるための強力なツールです。その中でも、プログラムテンプレートを活用することは特に重要なポイントです。テンプレートを用意することで、キャンペーンの迅速な立ち上げ、一貫したメッセージング、スケーラビリティ、そしてデータ管理が可能になります。この結果、マーケティングチームはより戦略的な活動に集中できるようになります。
Adobe Marketo Engageのプログラムテンプレートの構築例
1.ウェビナーキャンペーンテンプレート
・構成:ランディングページ、スマートキャンペーン、メールテンプレート、スマートリスト、レポート。
・運用方法:トークンを変更するだけで、毎回新しいウェビナーキャンペーンを簡単に設定可能。
2.ABテストテンプレート
・構成:メールAとメールBを配信対象に対して50:50で送信し、開封率が高い方を残りのターゲットに配信するフロー。
・ポイント:ABテスト結果をレポート形式で自動生成し、次回の改善に活用。
Adobe Marketo Engageのプログラムテンプレートベストプラクティス
トークンを最大限活用
・トークン化することで、複数のキャンペーンに対応しやすくなり、設定ミスを削減。
・例:メールテンプレート内で「{{my.Webinar Name}}」を使用すれば、複数のアセットのウェビナー名を一括変更可能。
命名規則を統一
・各アセットに統一した名前を付け、チーム内で一貫性を保つ。
・例:Webinar-YYYY-MM-DD-Registration。
テンプレートの共有
・チーム全体でテンプレートを共有し、誰でも同じ基準でプログラムを作成可能にする。
Adobe Marketo Engageのプログラムテンプレートの具体的な実装手順
以下は、Marketoでプログラムテンプレートを設定し活用する具体的な手順です。
Step 1:テンプレートプログラムを作成する
1.新規プログラムの作成
・「マーケティング活動」タブで「新規プログラム」を作成。
・設定内容
・プログラム名:Webinar-Template
・タイプ:イベント
・チャンネル:例:ウェビナー
・作成後、テンプレート用プログラムが生成されます。
2.フォルダ構造の設定
テンプレート内に以下のようなフォルダを作成します
・Smart Campaigns:メール配信やチャネルステータス変更などデータ管理用のスマートキャンペーンを管理。
・Emails:メールアセット(例:招待メール、リマインドメール、フォローアップメール)。
・Landing Pages:ランディングページ(例:登録フォーム付きページ)。
・Smart List:スマートリスト(例:招待メール配信リスト、アンケート回答リスト)。
・Report:レポート(例:プログラムの効果、ランディングページの効果)。
Step 2:必要なアセットを構築
1.トークンの設定
プログラム全体で共通して使う変数をトークンに設定します。
例:
{{my.Webinar Name}}:ウェビナー名
{{my.Webinar Date}}:開催日
{{my.Webinar Time}}:開催時間
2.スマートリストの設定
「Smart List」フォルダ配下で、スマートリストにてプログラムのターゲットリストを作成します。
例
・条件:「過去6か月以内にウェビナーに登録したが未参加」
・条件:「興味関心 = データ管理」
3.メールテンプレートの作成
「デザインスタジオ」でメールテンプレートを作成し、テンプレートフォルダに保存します。
プログラムテンプレートの配下でメールアセットを作成。上記で作成したテンプレートを選択します。
例
・招待メール:「〇〇ウェビナーを開催します!」
・リマインドメール:「ウェビナー開始前日のリマインダー」
・フォローアップメール:「ウェビナー録画へのリンクと次回イベント情報」
ランディングページの作成
登録フォームを埋め込んだランディングページを作成し、CTA(Call to Action)を明確に記載します。
例:「今すぐ登録」「開催日時を確認する」ボタン。
Step 3:スマートキャンペーンを設定
以下はスマートキャンペーンの設定例です。必要に応じて設定を追加、変更ください。
1.メンバー登録スマートキャンペーンの作成
・キャンペーン名:Webinar-Registration-Flow
・フロー構成
・登録確認メールを送信。
・開催1日前にリマインドメールを送信。
・トリガー:「フォーム送信後」または「特定リストに追加された際」。
例:「スマートリスト」:フォームの入力 + 特定のフォームを指定。
・フロータブで以下のアクションを設定
・ステップ1:「登録確認メール」を送信。
・ステップ2:「ウェビナーリマインドメール」をウェビナー開催の24時間前に送信。
2.フォローアップメール送信スマートキャンペーンの作成
・キャンペーン名:Webinar-Follow-Flow
・フロー構成
・イベント後にフォローアップメールを送信。
・バッジ:「特定リストに追加されている」または「特定のステータスのプログラムメンバー」。
例:「スマートリスト」:プログラムのメンバー + 特定のプログラム+ 特定のプログラムステータスを指定。
・フロータブで以下のアクションを設定
・ステップ1:「フォローアップメール」をイベント終了後2時間以内に送信。
Step 4:テンプレートの活用
1.新しいプログラムへの適用
・新しいキャンペーンの立ち上げの際、テンプレートを複製し、新しいプログラムを生成します。
・例:Webinar-Template → Webinar-January2024
・複製後、トークンだけを更新すれば即座に運用開始可能。
以上、プログラムテンプレートを活用することで、設定時間の短縮とミスの防止を実現できます。まずは1つのテンプレートを作成し、運用の効率化を実感してください。特に、プログラムに関連するアセットを一括で複製できる点は、Marketoの大きな強みです。運用効率を最大化し、マーケティング活動の成果を向上させるために、ぜひ積極的に活用してください!
Adobe Marketo Engageのプログラムテンプレート導入後の成功指標
Marketoのプログラムテンプレート導入後の成功指標には、キャンペーンのパフォーマンス(コンバージョン率やエンゲージメント率)、効率性の向上(キャンペーン構築時間の短縮やエラーの減少)、ブランドの一貫性、ROI、チームの生産性などが含まれます。これらの指標を定期的に評価することで、プログラムテンプレートの効果を最大限に引き出すことが可能になります。
1. キャンペーンのパフォーマンス
コンバージョン率:プログラムテンプレートを使用したキャンペーンにおけるコンバージョン率は、成功の重要な指標です。特定のアクション(例えば、フォームの送信や購入)を完了したリードの割合を測定します。高いコンバージョン率は、アセットが効果的に機能していることを示します。
エンゲージメント率:メールの開封率やクリック率など、顧客のエンゲージメントを示す指標も重要です。これらの指標は、メールアセットがターゲットオーディエンスに対してどれだけ効果的にメッセージを伝えているかを示します。
2. 効率性の向上
キャンペーン構築時間の短縮:プログラムテンプレートを導入することで、キャンペーンの構築にかかる時間がどれだけ短縮されたかを測定します。テンプレートを使用することで、同じアセットを繰り返し追加する手間が省け、迅速なキャンペーン立ち上げが可能になります。
エラーの減少:テンプレートを使用することで、手動での設定ミスやエラーが減少することが期待されます。エラーの発生率を追跡することで、テンプレートの効果を評価できます。
3. ブランドの一貫性
ブランド認知度の向上:複製したアセットを使用することで、ブランドのメッセージやデザインが一貫して保たれるため、ブランド認知度の向上が期待されます。顧客からのフィードバックやブランドに関する認知調査を通じて、ブランドの一貫性がどの程度保たれているかを測定できます。
4. ROI(投資対効果)
コスト対効果の分析:プログラムテンプレートを使用したキャンペーンのROIを測定することも重要です。キャンペーンにかかるコストと、それによって得られた収益を比較することで、テンプレートの導入が経済的にどれだけ効果的であったかを評価できます。
5. チームの生産性
チームメンバーの満足度:プログラムテンプレートの導入によって、マーケティングチームの生産性が向上したかどうかを測定します。チームメンバーからのフィードバックや、プロジェクトの完了までの時間を追跡することで、テンプレートの効果を評価できます。
Adobe Marketo Engageのプログラムテンプレートをもっと活用しよう
Marketoのプログラムテンプレートは、マーケティング活動を効率化し、一貫性を維持しながら成果を最大化するために重要です。本記事では、プログラムテンプレートの基本的な活用方法、具体例、そして導入後の成功指標について解説しました。
効率的なキャンペーン構築やスケーラビリティの確保、データ分析の簡略化など、テンプレートを活用することで得られる多くのメリットを活かすことで、マーケティングチームはより戦略的な活動に集中できるようになります。また、トークンの活用や命名規則の統一といったベストプラクティスを取り入れることで、運用ミスを防ぎ、全体の生産性を向上させることが可能です。
これらの取り組みを通じて、企業は短期的な成果だけでなく、中長期的なROI向上や顧客とのより良い関係構築を実現できます。Marketoを効果的に活用するためには、まずテンプレートの作成・運用を始め、小さな成功を積み重ねることが鍵です。
ぜひ本資料を参考に、プログラムテンプレートを貴社のマーケティング施策に取り入れてみてください。効率的で一貫性のあるキャンペーン運用を実現し、さらに大きな成果を目指しましょう。
Adobe Marketo Engageテクニカルサポートの紹介
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パワー・インタラクティブ マーケティング推進室(文責)