Adobe Marketo Engageレポート機能の基本 〜スマートリストとの違い・設定手順・活用ポイントまとめ〜
本記事では、Adobe Marketo Engage(以下、Marketoと記載)のレポート機能について、基本から設定手順、そして実務で活用する際の注意点やベストプラクティスまでを解説します。特に混乱しがちな「レポート」と「スマートリスト」の役割の違いにも触れ、両者の使い分けを正しく理解できるようにします。
※関連ナレッジ資料※
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こんな方におすすめ
本記事は以下のような方を想定しています:
・Marketo 初心者〜中級者
・メール運用担当/MA運用担当/データ管理担当
・プログラム構築の基本は理解しているが、レポートの使いこなしに不安がある方
レポート機能の重要性
Marketoのレポートは多機能で種類も多いため、いざ業務で必要になった際にどこを設定し、どのレポートを使うべきか迷ってしまう場面が少なくありません。特に、特定のメールの成果だけを知りたいのか、プログラム全体の傾向を把握したいのか、あるいは特定条件に該当するリードを抽出したいのか、といった目的が曖昧なまま設定してしまうと、求めるレポートを構築することができません。また、スマートリストとレポートの理解が曖昧だと、どの場面で何を使うべきなのか判断に迷ってしまいます。こうした混乱を避けるためには、機能ごとの役割や設定手順を正しく理解することが重要です。
Marketoレポート機能の基本
Marketoのレポートは、マーケティング活動の成果を数値で把握するための仕組みです。メール施策の効果測定や、プログラム全体の貢献度を分析する際に使用され、配信数、開封、クリック、コンバージョンといった重要指標を可視化します。その中でよく混同されるのが、レポートとスマートリストの違いです。レポートはあくまで「数値を見るための機能」であり、個別のリードに関する詳細情報を見るためのものではありません。一方、スマートリストは「人を見るための機能」であり、特定条件に合致するリード個人を絞り込むことができます。
主要なレポートの種類
・メールの効果:メールごとの配信結果(配信数、開封、クリックなど)
・メールリンクの効果:メール内のリンクごとのクリック状況
・エンゲージメントストリームの効果:エンゲージメントプログラムのストリーム内のメールごとの配信結果(配信数、開封、クリックなど)
・プログラム効果:プログラムごとの成果の集計
・顧客の実績:データベース内の特定のフィールドの集計
・ランディングページの効果:ランディングページの閲覧数やコンバージョン数
・ウェブページ アクティビティ:閲覧数上位のWebページとその閲覧数
レポートとスマートリストの違い
| 機能 | 役割 | 出力されるもの |
|---|---|---|
| レポート | 数値・指標・傾向を確認するための「集計」 | 件数・割合・グラフ |
| スマートリスト | 特定条件を満たすリード「個人」を抽出する | リードの一覧 |
レポート=数字を見るもの、スマートリスト=人を見るもの、と整理をしましょう。
Marketoレポートの設定方法
設定の流れ
ここでは「顧客の実績」レポートを例に、設定の流れを説明します。
「顧客の実績」はデータベースの指定したフィールドの値を集計してくれるレポートです。
レポートの作成は「マーケティング活動」メニューでローカルアセットとして作成する方法と、「アナリティクス」メニューから作成する方法がありますが、以下はアナリティクスメニューでの作成方法です。
大まかには以下の流れで設定を行います。
1.アナリティクスメニューから作成したいレポートのアイコンを選択する
2.「セットアップ」タブから期間など基本設定を行う
3.「スマートリスト」タブで絞り込みの設定を行う
4.「レポート」タブで結果を表示する
5.必要に応じて「名前を付けて保存」する
以下、具体的にご説明します。
①アナリティクスメニューへ移動して作りたいレポートのアイコン(「顧客の実績」)をクリック
②「セットアップ」タブで基本の設定を行う
セットアップタブでは、期間やレポート対象のフィールド指定など、基本的な設定を行います。
顧客作成日時:期間の設定項目です。顧客の実績レポートでは顧客作成日時を軸に期間指定を行います。上記では「全期間」にしています。
グループ顧客:集計の対象となるフィールドを指定します。上記では「取得日」フィールドを「月単位」で集計する設定にしています。
商談列:顧客の実績レポートではSFAと連携している場合に、商談金額や件数などを表示させることができます。その表示列の表示・非表示を切り替えることができます。上記では非表示にしています。
使用可能な書き出し行:レポートの最大行数です。上記ではデフォルトの5000行にしています。
③「スマートリスト」タブでレポート対象の絞り込みを行う
スマートリストタブでは、アクティビティログやリードの属性データなどで絞り込みを行うことができます。例えば、メールのレポートでは「自社のリードを除外する」や、特定の業種の反応だけ調べたいので「○○業(例:製造業)のリードのみに絞る」といった使い方が考えられます。
上記では「重点ターゲットのスマートリストに合致するリード」に絞り込んでいます。
④レポートを表示する
セットアップやスマートリストでの設定が完了したら「レポート」タブで集計結果が確認できます。
今回は「取得日」のフィールドを月単位で集計させているので、月別の新規リード獲得数が表示されています。
⑤よく使うレポートは保存しておく
画面上部の「レポートアクション」メニューから「名前を付けて保存」から保存できます。
保存先のうち「グループレポート」フォルダ配下に保存すると、ワークグループ内の他のユーザーも閲覧ができます。一方「マイレポート」フォルダ配下だと自分のみ閲覧可能なレポートになります。
例えば、KPIの確認などチーム全員で閲覧できたほうがよいものはグループレポート配下に保存しましょう。
レポートをもっと便利に使う機能
カスタム列の追加
あらかじめ作成してあるスマートリストをレポートの「列」に設定できる機能です。スマートリストの条件に合致するリード数が追加した列に表示されるようになります。例えば月別の新規リード獲得数を表示しているときに「重点ターゲット」を抽出するスマートリストをカスタム列として設定すれば、新規リード●●件、重点ターゲット●●件 と並べて表示ができます。
※カスタム列機能に対応しているレポートでのみ使用可能
①カスタム列の設定は「セットアップ」タブで行う
②「レポート」画面を見ると、新たな列が追加されている
ドリルダウン機能
レポート画面で特定の行を選択して、その行のリードを対象に掘り下げ分析ができます。具体的には集計分析させたいデータベースフィールドを選択して実行します。例えば、2025年11月の新規リードが200件だとして、その200件の内訳が知りたいときに、業種の内訳はどうか?(「業種」フィールドでドリルダウンする)、企業規模はどうか?(「従業員数」でドリルダウンする)といった使用イメージです。
①掘り下げ分析したい「行」を選択し、「ドリルダウン」をクリック
②掘り下げ分析したいフィールド(例:業種)を選択し、ドリルダウンを行う
レポート活用のポイント
●定期レポートは「配信登録」でメールで受け取る
週次・月次レポートは配信登録して、定期的にメールで受け取るようにすることで運用コストが削減でできます。
● レポート名は命名ルールを作成しておく
検索性を高めるためにレポートの命名ルールを作成しておきます。レポートタイプ+施策名+期間 など。例: メールの効果_月次ニュースレター_2025Q1
よくあるトラブルと対処法
| トラブル | 原因 | 解決策 |
|---|---|---|
| 数字が出てこない | 期間指定がずれている、スマートリストの条件が誤っている | 期間を確認・再設定、スマートリストの条件の確認 |
| レポートが遅い | スマートリストが複雑 | 条件を最小限にする |
| 対象のメールが反映されない | セットアップタブで対象アセットの設定もれ | 対象アセットを設定する |
関連情報
まとめ
Marketoのレポートを理解するうえで最も重要なのは、レポートが数字の集計を目的とした機能であるのに対し、スマートリストは個人リードを抽出するための機能であるという点です。この違いを踏まえたうえで、レポートの対象を適切に指定して基本設定を正しく行えば、安定した数値分析が可能になります。また、運用面からは命名規則やフォルダ整理、メール配信登録などの工夫を取り入れることで、業務効率を大きく高めることができます。
ソリューション第2部 部長
高月 大輔
マーケティングオートメーション活用支援
Webディレクターとして大手・中堅企業を中心に多数のWebサイト構築を手がける。その後、マーケティングデータアナリストへ転向。 Googleアナリティクスでのアクセスログ分析やBIツールを使ったダッシュボード構築に従事。現在はMarketoの活用支援コンサルティングにも領域を広げ、自社のMA運用代行チームのリーダーとして活動している。
またAdobe社のMarketoトレーニング講師も担当し、分かりやすい解説が好評を得ている。



