Adobe Marketo Engageの施策を点から線へ―単発・断片的になってしまう場合の改善策
パワー・インタラクティブ マーケティング推進室(文責)
Adobe Marketo Engage(以下、Marketo)を活用したマーケティング施策が単発的・断片的になり、各施策が独立してしまうと、期待する成果が得られないことがよくあります。施策同士が有機的に連携し、マーケティング全体として一貫した流れを作ることが重要です。
この課題を解決するために、以下の4つのアプローチを活用しましょう。
施策の全体設計(ストーリー)を作る
単発施策を有機的につなげるには、マーケティング活動全体のストーリーを明確にし、体系的なフレームワークを構築することが不可欠です。これにより、見込み顧客の関心を適切に引き上げ、スムーズに次のアクションへと誘導できます。
(1)カスタマージャーニーマップを作成する
・見込み顧客の行動を「認知 → 興味 → 比較検討 → 購入 → ロイヤルカスタマー化」のフェーズに分解。
・各フェーズでの主要な課題や期待されるアクションを整理し、それに応じた施策を設計する。
・施策ごとにリードを次のフェーズへ誘導するための具体的な導線を設計。
(2)施策のゴールを明確にする
・施策ごとにKPIを定め、「最終的にどのような成果を期待するのか」を具体化する。
例:「ウェビナー参加者のうち30%を商談化する」
例:「ホワイトペーパーのダウンロード後、20%が次のコンテンツを閲覧する」
・それぞれのゴールに対して、前後の施策(告知メール・フォローアップメール・個別相談誘導など)を整理し、段階的に達成を目指す。
(3)施策間の役割分担を明確にする
・施策が「認知向け」「教育向け」「商談創出向け」のどこに該当するのかを整理。
例:
認知フェーズ:広告・オウンドメディア記事・SEO対策
教育フェーズ:ウェビナー・ホワイトペーパー・メールナーチャリング
商談創出フェーズ:無料相談・個別デモ・営業フォロー
・施策ごとの目的を明確化し、適切な組み合わせを設計。
施策間のつながりを強化する(ナーチャリングシナリオの設計)
単発施策を連携させ、リードをスムーズに次のアクションへと誘導する仕組みを作ります。特にナーチャリングプロセスの設計を強化し、リードが自然に関心を深められるようにすることがポイントです。
(1)トリガーメールを活用して施策を連携させる
・リードの行動に応じて次のステップへ誘導するためのメールを自動配信。
例:「ホワイトペーパーをダウンロードした3日後に関連ウェビナーの招待メールを送る」
例:「ウェビナー参加後、5日後に関連事例のメールを送る」
(2)施策ごとのCTA(コールトゥアクション)をつなげる
・例:「ホワイトペーパーの最後に、次に読むべき関連コンテンツを案内」
・例:「ウェビナー終了後のアンケートで、無料相談の申し込みを促す」
・各施策の最後に、次のステップへ進みやすくなるような動線を作る。
(3)シナリオベースのナーチャリングメールを設定する
・リードの興味や検討度合いに応じて段階的に情報を提供。
例:「MAの基礎知識 → 具体的な成功事例 → Marketo活用方法 → 無料相談の案内」
・興味度が低いリードには基礎的なコンテンツを提供し、関心が高まるにつれて具体的な提案へと誘導。
施策の結果を可視化し、ギャップを特定する
施策の実施後、成果を可視化し、どこでリードが離脱しているのかを特定することが重要です。これにより、抜けている部分を補い、施策間の連携を強化できます。
(1)BIツールやMarketoのレポートで、施策ごとの離脱ポイントを分析
・「ウェビナーには参加するが、その後のコンバージョン率が低い」 → フォローアップメールや営業アプローチの導入
・「メールは開封されるが、次のアクションに進まない」 → CTAの最適化、コンテンツの見直し
(2)施策の前後でリードの動きを追跡
・例:「ホワイトペーパーをダウンロードしたリードが、次にどの施策に参加したか?」
・例:「ウェビナー参加者のうち、どのくらいが商談化したか?」
・リードの動きをトラッキングし、成果を最大化するための最適な改善策を立案。
営業との連携を強化し、施策の流れをスムーズにする
マーケティング施策が断片的になる要因の一つが、営業との連携不足です。施策を営業プロセスと結びつけることで、商談化の確率を高めます。
(1)MQL(マーケティングが営業に引き渡すリード)の基準を明確化
・どのタイミングで営業にリードを渡すのが最適かを定義。
例:「ホワイトペーパーのダウンロードだけではMQLにならないが、ウェビナー参加+特定のページ閲覧をしたらMQLとする」
(2)営業へのリード共有とフィードバックループを構築
・マーケティングが営業へリードを引き渡す際に、行動履歴や関心を持ったコンテンツ情報を共有。
・営業からのフィードバックを受け、施策の改善に活かす。
・「どの施策のリードが商談化しやすいか?」を定期的に分析し、施策を最適化。
まとめ
Marketo施策が単発・断片的にならないようにするためには、
1.施策全体のストーリー設計
2.施策間のつながり強化
3.データを活用したギャップ分析
4.営業との連携強化
この4つのアプローチを組み合わせることで、施策が単発で終わらず、リードのエンゲージメントを高め、確実に商談につなげるマーケティングが実現できます。
Marketo支援サービスで、施策を一貫した戦略へと進化させる
Marketoの施策が単発・断片的になりがちな企業にとって、「施策の全体最適化」や「データを活用した継続的な改善」は大きな課題です。パワー・インタラクティブは、豊富なMarketo導入・運用支援の実績を活かし、単発施策の寄せ集めではなく、マーケティング全体のストーリーを設計し、一貫した施策運用を実現するための支援を提供します。
パワー・インタラクティブのMarketo支援サービスの特長
・カスタマージャーニーに基づいた施策設計
見込み顧客のフェーズごとに適切な施策を整理し、次のアクションへ誘導する導線を明確にします。単発施策が点在する状態を脱却し、施策同士がシームレスに連携したナーチャリング設計を支援します。
・ ナーチャリングシナリオの最適化
トリガーメールやシナリオメールを活用し、リードの関心を継続的に引き上げる仕組みを構築。施策の「つながり」を強化することで、よりスムーズな商談創出を実現します。
・ データドリブンな成果分析・改善提案
Marketoのレポート機能やBIツールを活用し、施策ごとの成果を可視化。どこでリードが離脱しているのかを明確にし、最適な改善策を提案します。データに基づいたPDCAサイクルの確立を支援します。
・営業連携を強化し、商談化率を向上
MQLの定義を明確にし、リードの興味・関心度に応じた適切なタイミングで営業へ引き渡し。営業とのフィードバックループを確立し、マーケティングと営業が一体となったリード育成を実現します。
Marketo施策を強化し、確実に成果を出したい方へ
Marketoを導入しているものの、「施策がバラバラになり成果が出ていない」「リードナーチャリングがうまく機能していない」「営業との連携が課題」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひパワー・インタラクティブのMarketo支援サービスをご活用ください。私たちは、単なるMarketoの運用支援にとどまらず、データ活用とマーケティング戦略の視点から、最適な施策設計と実行をサポートします。
貴社の現状をヒアリングし、具体的な改善策をご提案いたします。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
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