コラム

「再現性を、組織能力にする」── 2026年春 All Meetingレポート

2026年4月3日、パワー・インタラクティブは春の恒例行事である全社研修「All Meeting」を大阪で開催しました。
今回の全体テーマは「再現性を、Powerwebの組織能力にする」です。当社はこれまで、メンバー一人ひとりが持つ高いポテンシャルと専門能力を最大の資源として成長してきました。しかし、組織が拡大し「30人の壁」を越えようとする今、個人の能力に依存した「属人化」の状態から脱却することが急務となっています。複雑化する市場環境の中で、一定水準以上の成果を安定して提供し続けるためには、個人の強みを組織全体へと展開し、新たな次元の「再現性」を獲得しなければなりません。
本コラムでは、個人の暗黙知を組織知へと変換し、さらなる価値提供を目指して白熱した議論が交わされた研修の様子をお伝えします。

単なるマニュアル化ではない「思考と判断の標準化」

今回のAll Meetingで中心的なテーマとなったのが、「再現性の獲得」の再定義です。
一般的な業務の標準化といえば、作業手順を動画で撮影したり、テンプレートを作成したりする「形式知化」を想像しがちです。しかし研修の冒頭で、「同じ作業を同じように行うこと=真の再現性ではない」という重要な指摘がありました。顧客に感動を与える高い品質を安定して生み出すためには、表面的な手順だけでなく「どこで情報を読み取り、どう判断し、意思決定したか」という思考プロセスの標準化こそが重要になります。
特定の経験豊富なメンバーの頭の中にある見えないノウハウ、すなわち「暗黙知」を積極的に開示し、単なるマニュアルを超えた組織の知恵へと昇華させること。それこそが、私たちが目指す真の非属人化の姿であることが全体で共有されました。

業務のばらつきから「暗黙知」を特定するワークショップと事例共有

午前中のワークショップでは、日常業務の中で「ベテランと若手で品質に差が出る」「担当が変わると品質がぶれる」といった、再現性が確保できていない具体的な事象を洗い出しました。
現場から出たリアルな課題として、「顧客に合わせた自社説明のばらつき」「リスクヘッジや見積もりの捉え方の差」「ヒアリングでの本質的な課題設定の難しさ」などが挙げられました。これらの課題の背後には、経験豊富なコンサルタントが持つ「違和感の察知」や「基礎的なマーケティング知識」といった暗黙知が存在していることが浮き彫りになりました。顧客の要望を額面通りに受け取るのではなく、背後にあるデータの構造や運用の実態にまで疑問を持つ思考プロセスこそが、真の課題発見に繋がるのです。
また、昼食後には前期の成果である「4Q受注~案件事例発表」が行われました。実際のプロジェクト事例をもとに、顧客継続を実現するマーケティング設計法やデータ基盤構築のビジョンなど、トップパフォーマーの実践知が具体的に共有され、午後の議論への大きなインプットとなりました。

2026年度新体制に向けた「EM/SD/OS部門別WS」と具体策

午後に実施された「2026年度新体制 EM/SD/OS部門別WS」では、午前中の気づきを各部門の具体的な行動計画に落とし込む議論が行われました。
EM(エンゲージメントマネジメント)部とSD(ソリューションデザイン)部の活動における非属人化を支える「組織OS室」の役割を定義し、以下の3つの主要テーマに全社で取り組むことが決定しました。

1.社員全員が顧客に応じた自社の特徴を説明できるようにする

顧客が自社の特徴を正しく理解できるよう、資料とトークスクリプトを整備します。

2.営業プロセスの型化

インサイドセールスや既存顧客への活動を形作り、マーケティング施策の年間計画と連動させます。

3.リスクヘッジと見積もりルールの明確化

案件の利益率のばらつきを防ぐため、事前のシミュレーションを徹底します。

特にSD部では、正確な見積もりのためにWBS(作業分解構造)とSOW(作業範囲記述書)の作成を最優先事項と定め、納品物を明確にする方針を固めました。また、EM部では、AI活用を見据えたデータマネジメントの提案において、パワー・インタラクティブとしての「提供価値」を明確に言語化し、朝礼での読み合わせを通じてメンバー間で共通認識を深めるアクションが設定されました。

組織の知性を生かし、本質的な価値提供のステージへ

今回のAll Meetingを通じて、私たちは「個人の暗黙知を開示し、組織の知性へと高める」ための大きな一歩を踏み出しました。
各部門の具体的なKPIや行動計画に落とし込まれたこれらの施策は、すでに実行フェーズへと移行しています。
「顧客の要望をそのまま受けるのではなく、データ活用の構造や運用面も含めた本質的な提案を行う」という視座を持ち続けること。パワー・インタラクティブはこれからも、組織全体の知性と再現性を高めることで、お客様の抱える複雑な課題に対し、より深くインパクトのある本質的な提案と価値提供を追求してまいります。

木内 健太郎

MA運用ディレクター

木内 健太郎

マーケティングオートメーションオペレーション業務

事務処理系のプログラマー、CGアニメーターを経て2015年にパワー・インタラクティブに入社。
HTMLコーダーとして多数のWebサイト制作に携わりながら、現在はAdobe Marketo Engage オペレーション業務に従事。
チームの黒子としてメンバーのサポートをするのが生きがい。

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