大手機械メーカーA社は、産業用ロボットや精密機器を主力製品とするB2B企業であり、展示会やオンラインセミナー、ニュースレター配信を中心としたマーケティング活動を展開していました。しかし、これらの活動には以下のような課題が存在していました。
1.キャンペーン立ち上げに多大な時間とコストが必要
各キャンペーンを一から設定する必要があり、特に複数の言語対応が求められる場合、各要素を手作業で設定するために多くのリソースを消費していました。
2.運用プロセスの一貫性不足
部門ごとに異なるアセット(メールテンプレートやランディングページ)が使用されており、統一されたブランドメッセージを維持することが難しい状況でした。これにより、顧客に与える印象が不統一となり、ブランドイメージへの影響が懸念されていました。
3.パフォーマンス追跡が非効率
キャンペーンごとにデータ形式が異なるため、全体的な効果測定や比較分析が難しく、迅速な意思決定や改善の妨げとなっていました。
A社では、これらの課題を克服するために、Adobe Marketo Engageにて各施策毎にプログラムテンプレートを作成し、以下の具体的な施策を実施しました。
定期的に開催されるオンラインセミナーを効率的に運用するために、次のような要素を含むテンプレートを作成しました。
・招待メール、リマインドメール、フォローアップメール。
・登録フォーム付きランディングページ。
・スマートキャンペーンフロー:登録確認メール、イベント終了後の録画リンク配信を自動化。
さらに、トークンを活用し、セミナー名や日時、使用する言語といった特定の情報を柔軟に変更できる仕組みを導入しました。これにより、複数言語対応の手間が大幅に軽減されました。
これまで部門ごとに異なっていたニュースレターのフォーマットを統一。統一されたテンプレートには以下の工夫が盛り込まれました。
・ブランドメッセージとデザインの一貫性を確保。
・動的コンテンツ機能を活用し、顧客の興味関心に応じたパーソナライズされた情報を挿入。
プログラムテンプレートには、事前にレポートが組み込まれており、以下のようなメリットをもたらしました。
・各キャンペーンの成果をリアルタイムでモニタリング可能。
・パフォーマンスデータに基づいて迅速に改善点を特定。
・レポート作成にかかる時間を短縮。
これらの施策を通じて、A社は以下の顕著な成果を上げました。
1.設定時間を短縮:従来の3日が半日に短縮
従来は1つのウェビナー設定に3日を要していましたが、プログラムテンプレート作成、運用後は半日に短縮されました。
2.運用エラーをゼロに:テンプレート活用でミスを撲滅
トークンをはじめ手動設定が大幅に削減されたことで、人為的なエラーが減り、フォローアップメールの送信漏れが完全に解消されました。
3.ブランドメッセージの一貫性でコンバージョン率20%向上
統一されたブランドメッセージと動的コンテンツによるパーソナライズが奏功し、ニュースレターの開封率が20%増加しました。
4.マーケティングチームの生産性向上
作業が削減されたことで、チームは運用業務から解放され、戦略的な活動や新しい施策の立案に集中できるようになりました。
A社はこれらの成功を足がかりに、さらなるマーケティング活動の高度化を計画しています。具体的には以下の取り組みを予定しています。
ABテストテンプレートでメールパフォーマンスを最大化
メール件名やランディングページデザインなど、各要素のパフォーマンスを細かく比較・分析。
MarketoとCRMの連携がもたらす新たなマーケティング
SalesforceなどのCRMシステムとの統合を進め、顧客データの活用範囲を広げることで、より深い顧客理解を実現。
本プロジェクトでは、マーケティングオペレーションの高度化を目指し、テンプレート設計と動的コンテンツ活用に取り組みました。課題解決に向けたアプローチとして、単なる業務効率化に留まらず、マーケティング施策そのものの質を底上げすることを重視しました。
特に、各部門ごとに分断されていたキャンペーン運用を標準化しながら、顧客ごとに最適化されたメッセージを届ける仕組みを構築した点がポイントです。これにより、手作業の削減とエラー撲滅に成功しつつも、顧客体験を損なうことなく、むしろ一人ひとりに寄り添ったパーソナライズを実現できました。
パワー・インタラクティブ マーケティング推進室(文責)
本事例は、Adobe Marketo Engageのプログラムテンプレート作成が企業のマーケティング活動に与える影響を具体的に示した成功例です。テンプレート化による効率化、一貫性の向上、パフォーマンス分析の迅速化により、マーケティング活動全体の質を大幅に向上させることが可能です。
貴社でも同様の課題をお持ちの場合、このアプローチが参考になるでしょう。また、テクニカルサポートサービスを活用することで、さらに迅速かつ効率的な導入を実現できます。
パワー・インタラクティブでは、Adobe Marketo Engageのテクニカルサポートをサービス提供しています。
専門知識を持つコンサルタントが操作や設定に関する質問に対応するテクニカルサポートサービスです。複雑な設定や技術的な疑問に対して、迅速かつ的確なアドバイスを行い、お客様のマーケティング施策を円滑に進めるサポートを提供します。
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