インタビュー

全社員で顧客と共に成長する「Ask One」事業

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クリエイティブサーベイ株式会社 代表取締役 石野 真吾 氏

クリエイティブサーベイ株式会社 代表取締役 石野 真吾 氏

クリエイティブサーベイ株式会社(以下、クリエイティブサーベイ)が2023年12月に実施した「BtoBセールス&マーケティング実態調査 」によると、セールス&マーケティング領域に限定しても平均して4個以上のサービスが導入されています。一方で、5個以上のサービスを導入している企業の内64%がデータの分断に課題を感じており、55%が人力での作業に課題を抱えていることが明らかになっています。

こうした課題を解決する機能を備えているのが、クリエイティブサーベイが2023年10月に正式提供を開始したあらゆる顧客接点で営業機会を逃さないマルチチャネルフォーム「Ask One」です。

本稿では、2023年10月20日付けで代表取締役に就任した石野 真吾 氏に、Ask Oneの立ち上げの背景や提供価値についてお話をうかがいました。

「顧客の声を機会に変える」をミッションにサービスを提供

貴社の事業内容についてお聞かせください。

クリエイティブサーベイは10期目を迎える会社です。もともと株式会社フォーデジット(以下、フォーデジット)という会社の社内ツールの提供から始まりました。現在は Sansan株式会社(以下、Sansan)とフォーデジットが主要株主としてサポートしてくれています。

クリエイティブサーベイは、「顧客の声を機会に変える」をミッションに掲げています。私たち自身が顧客の声を事業機会に変え、より一層の価値提供をおこなうことでビジネス成長を実現してきたように、顧客にも顧客の声を事業成長に繋げてほしいという想いがあります。そのうえで2つのサービスを提供しています。1つは「CREATIVE SURVEY」、もう1つが「Ask One」です。

CREATIVE SURVEYはオンライン・オフライン、社内・社外、BtoC・BtoB、あらゆる接点で活用できるマルチチャネルフォームです。プロダクト名に「SURVEY」とあるので、どうしてもアンケートやNPSという言葉が浮かんできますが、実際には多種多様な業界において様々な活用事例があります。

Ask Oneは、CREATIVE SURVEYのプラットフォームをBtoB企業のレベニュープロセス上でより活用いただけるようSansanの技術なども組み合わせることで生まれたプロダクトで、「あらゆる顧客接点で営業機会を逃さない」をコンセプトに、社内外の全ての顧客接点における入力インターフェースを統合するサービスです。BtoB企業におけるあらゆるタッチポイントで営業機会を逃さず、商談化率・受注率・契約継続率の向上を実現します。

全ての顧客事例を読み込み、Ask One事業のポテンシャルを確信する

石野さんは、どのような経緯で「Ask One」を立ち上げることになったのですか?

クリエイティブサーベイには、2023年に取締役副社長として入社しました。当時すでにCREATIVE SURVEYがアンケートツールとしてサービス提供されていました。CREATIVE SURVEYがどのようなツールなのかを理解しようと、全ての事例を読み込みました。すると、顧客が独自にキャンペーンのLPやSalesforceの入力インターフェースとして使用するなど、実際にはアンケートと言われて想起する使い方とは異なる使い方がされていたのです。

全事例をエクセルに落として分類分けをしたところ、新しい価値が見えてきました。さらに、ヘルプページを読むと、さまざまな部門でのオペレーションにおける課題が解決できるサービスであり、少し手を加えれば、活用の幅がさらに広げられると確信しました。

Ask OneをBtoB向けのサービスとした理由は、私の経験や強みが活かせる領域であり、顧客の数が一定量見込めることが挙げられます。また、2023年にクリエイティブサーベイがSansanグループへジョインしたことで、グループシナジーを活かせると考えました。

世の中にある多くのサービスは、インターフェースとデータベースで構成され、それをセットにして提供されています。セールス&マーケティング領域では、複数のSaaSを組み合わせて使うことが一般的です。その際に、データは蓄積しているけれど、分散しているため活用できないことが多々あります。Ask Oneは、シームレスにさまざまなSaaSデータをリアルタイムに参照したり送信したりすることができ、外部サービス連携の汎用性はグローバルでもトップクラスだと考えています。

全社員で顧客の声を聴くことからスタート

Ask One事業をどのように立ち上げ、軌道に乗せていったのか教えてください。

クリエイティブサーベイ入社後に、まずは約50人いる全社員と1on1ミーティングをおこないました。すでに展開されているCREATIVE SURVEYというプロダクトをどう見ているか、変えたいことと変えたくないことを中心に聞いていきました。社員一人ひとりと会話をして、うまくかみ合えば爆発的に伸びるポテンシャルがあるプロダクトと組織だと感じました。

当社はフルリモート勤務の会社ですが、月に1回は全社員が集まる定例会を開催していました。入社後初めてとなる5月の定例会で、「6月までに全社員で顧客の声を直接聴きに行こう」と提案しました。実際に10チームに分かれて顧客訪問をしてユーザーインタビューをおこない、その結果を6月の定例会で共有しました。

顧客の声をより集め活用できるプロダクトを提供しているのだから、まずは自分たちで体現することが大事ですし、良いところも悪いところも顧客に直接聴いたほうがいいと思ったのです。私たちは汎用的なものを作っているのだから、誰に対してどのような価値を提供しているのかを知る必要があります。顧客が買い続けているということは、顧客が何かしらの価値を感じてくれているはずです。顧客に直接聴くことで、より磨いたり改善したりすることができると考えました。

顧客の声を聴くことで、顧客の「手触り感」をつかむ

全社員で顧客訪問を実施したことで、社員のみなさんに変化はありましたか?

全社員の意識が変わったと思います。以前に比べ顧客に対する「手触り感」を持って仕事ができるようになり、営業とカスタマーサクセス、開発との連携が進みました。

営業やカスタマーサクセスが顧客から得た情報を、すぐに開発へフィードバックするようになりました。開発も積極的に顧客に直接インタビューしながら課題に取り組むようになり、開発プロセスもオープンになって、開発スピードが大幅に速くなりました。顧客訪問をきっかけに、PDCAを回しながら活用に基づく機能拡張やサービス連携をしていくサイクルを回せるようになりました。

Ask Oneがリリースされたときは、全社員で展示会出展の来場者対応をおこないました。特にマネジャー以上の役職者は、3日間前線に立って顧客の声を直接聴くとともに、エンジニアやデザイナーも営業資料を使った説明を率先しておこない、だれもが同様の営業ができるように取り組みました。

新規事業は、経営メンバーが顧客の「手触り感」を持っていなければうまくいかないと思っています。Ask Oneの立ち上げ時は組織上の役割に囚われず全員が動き、やりながら、変えながら、進めていきました。

先端的にテクノロジーを使いこなしている企業へ先行導入を依頼し、共に開発を進める

Ask One立ち上げの初期段階は、どのような営業活動をおこなったのですか?

2023年の8月くらいから、先行導入としてAsk Oneを使っていただきたい顧客へこちらから直接お声がけをしました。正式リリースの10月までは私とプロダクト側のマネジャー が直接営業し、その後のオンボーディングも実施していました。

Ask Oneは汎用的なサービスであるため、売上にしっかりとつながるユースケースをどれだけ作れるかが重要です。また、マーケティングだけでなく、セールスやカスタマーサクセスを含むレベニューテック領域のサービスと組み合わせて活用してもらうため、これらのツールを知り尽くし、事業成長を進めている企業にお声がけしました。

本当に良い顧客に恵まれ、真剣にフィードバックしてくださり、驚くほどの量の情報が集まりました。直近で私たちが出しているリリースや連携のほとんどが、顧客からの要望があったものに対応、実装しているものです。現在も導入企業が順調に増えており、顧客が活用しているユースケースは、自分たちが思っている以上にどんどん広がっています。

Ask Oneとの連携でレベニューテックが使いこなせるようになる

Ask Oneの具体的な活用例を教えてください。

Ask Oneは「あらゆる顧客接点で営業機会を逃さない」をコンセプトにしており、蓄積したデータ資産をリアルタイムにフル活用することができるサービスです。外部サービスとの連携を重視しているので、レベニューテックを複数使用しているものの使いこなせていない 顧客が、Ask Oneを通すことによって使いこなせるようになったケースも出てきました。

たとえば、Salesforce内のデータがきれいに整備されていない、取引先情報が蓄積できていないという顧客も、Ask Oneではリアルタイムにフォーム上で取得した顧客情報を活用したり、最適な場所に蓄積したりできます。展示会で獲得した名刺を撮影するだけでSalesforceと連携し、取引関係の有無や商談の有無が把握できますし、業界や企業規模などのデータを取得した状態で区分けすることも可能です。初めて展示会の場に立った人でも、昔からいる社員のように顧客とのコミュニケーションがその場でできるようになります。

従来では、展示会での来場者へのヒアリング情報をSalesforceに入れる場合、名刺情報をリードや取引先責任者の欄に入力し、キャンペーンの紐づけをし、キャンペーンのメモ欄にヒアリング情報を入力するなど工夫を凝らす必要がありました。このようにいくつかの手順を踏まなければならないところ、Ask Oneを活用することでシームレスに即時連携が可能になります。名刺を撮影すれば、Salesforceの最適なデータ格納場所へ、リアルタイムにデータを格納して管理できる環境を作ることができます。

展示会以外のあらゆる顧客接点での活用もできます。Webフォームを作る際には独自ドメインにも対応しているため、ファーストパーティクッキーデータの取得が可能です。接点がすでにある顧客であればメールアドレスを入力していただかなくても、リードIDをキーにして各種コンテンツへのアクセスデータをSalesforceやMAに格納できます。さらには、SFAやMAとの連携だけでなく、NotionのようなコラボレーションツールやSlack、Teamsなどのコミュニケーションツールとも連携できます。

最近では、SIerの方がクライアントへシステムの設定内容を確認するために、エクセルで何度かやり取りする代わりに、Ask Oneのフォームでやり取りしているケースも増えています。業務プロセス自体をAsk Oneのフォームでおこなっているわけです。こうした業務プロセスにおける活用も今後のポイントになってくると思います。

このように、私たちが思いもしなかったユースケースが生まれることもあります。「こういうことはできないですか?」と顧客から言われたら、すぐに検証して行動に移しています。

今後は日本発のサービスとしてグローバル展開も視野に

今後の展開について教えてください。

顧客の声に応えて、より顧客の事業成長につながるようなサービスにしていきたいですし、そのために改善を続けていきます。

Ask Oneは、グローバルで見ても他にはないサービスだと思います。日本発のサービスとして、海外で活用するユースケースも増やしていきたいです。データを蓄積して活用するうえでインターフェースは必要不可欠です。会社のインフラとして、どの企業にも使ってもらえるサービスになりたいと思います。

プロフィール

石野 真吾 氏
クリエイティブサーベイ株式会社 代表取締役

2013年にSansan株式会社へ入社しセールス&マーケティングの仕組み作りなどを行った後、2017年よりMarketo/Adobeにてソリューション開発や新製品のSalesTechの国内展開を牽引。2019年よりSmartDriveにてCEO補佐兼CMOとしてマーケティング領域及び事業開発領域を統括する。2023年5月よりあらゆる顧客接点で営業機会を逃さない「Ask One」とブランドと顧客がつながるアンケート「CREATIVE SURVEY」を提供するクリエイティブサーベイ株式会社の取締役副社長、10月より代表取締役に就任。

クリエイティブサーベイ
https://jp.creativesurvey.com/

Ask One
https://jp.creativesurvey.com/ask-one/

インタビュー後記

インタビュー当日、石野氏はオレンジ色のスニーカーを履いて現れました。目を引く足元を見て、思わずオレンジ色が好きなのか聞いたところ、そうではないとのこと。オレンジ色はコーポレートカラーなので、あえて選択をしているそうです。スニーカーだけでなく車もオレンジ色だということで写真まで見せてもらい、その思い入れに感服しました。
インタビュー中、石野氏から繰り返し発せられたのが、顧客の「手触り感」を持つことの重要性。新規事業立ち上げ時には、特に上層部が顧客の「手触り感」を持つ必要があると熱弁されました。顧客の「手触り感」を持つことが組織を変革し、事業躍進につながっていくことを教わりました。

インタビュー実施日:2024年4月12日
取締役/執⾏役員
広富 克子

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