はじめに
本コラムは、当社が無償で提供している Looker Studio版 GA4アクセスログダッシュボードについて、ページごとの「見方」「使い方」について解説しています。
ダッシュボードを利用して、全体像を視覚的に把握し、上手くいったこと、駄目だったこと(ボトルネック)を知ることが重要です。
本ダッシュボードは、マーケティング情報整理が2ページ、アクセスログ分析が4ページ、詳細分析が6ページで構成されています。
Webサイトの目的、目標数値、施策を整理した上で、具体的なアクセスログを確認し、現状と目標(想定)のギャップを把握することができます。
なお、Looker Studioの特徴および本ダッシュボードの接続方法については、以下のコラムを参考にしてください。
Googleが提供する無料BIツール「Looker Studio」とは
Looker Studio版 GA4アクセスログダッシュボードの利用方法(接続方法)
※ダッシュボードに貴社のGoogleアナリティクス4(GA4)アカウントを接続いただきますが、貴社のアクセスログデータはパワー・インタラクティブには共有されませんのでご安心ください。
具体的なダッシュボード構成は以下です。
マーケティング情報整理
・KPI整理
・施策整理
アクセスログ分析
・サマリー
・日別サマリー
・月別サマリー
・ユーザー属性サマリー
詳細分析
・サマリー
・集客
・イベント
・集客ページ
・閲覧ページ
・成果
・ユーザー概要
・検索パフォーマンス
お役立ち
・用語解説
・よくあるご質問
・利用上の注意事項
上記構成の通り、本ダッシュボードは現状数値を把握し、仮説を立てることを目的に作成しました。
一方、本ダッシュボードのみの利用で数値をアドホックに分析し、具体的な改善提案にまで落とし込むには不向きです。
そのため、まだUA(ユニバーサルアナリティクス)の頃と比較してGA4(Googleアナリティクス4)に関する理解が浅く、何から見ていけばよいか分からないマーケターに向けて「まずは本ダッシュボードを見て、全体感を把握する」ためのダッシュボードとなっています。
ユーザー行動の深掘りなどさらなる分析を行う際は、探索レポートやBigQueryを利用することを検討ください。
では、ページごとの「見方」「使い方」および「利用シーン」ついて見ていきます。
アクセスログ分析には、現状把握と、効果検証の大きく2つの役割があります。
現状把握は、日々の健康管理をイメージすると分かりやすいです。
自分の体の変化を知るには、体重測定や健康診断を行い、そこで増えたか・減ったか「変化」を見ていきます。
もう1つの効果検証は、実施した施策(ページ改善や集客施策など)が良かったか、悪かったのかを検証します。
この考えを念頭に置くことで、より有意義なダッシュボード活用に繋がると考えています。
アクセスログを見る際には、ただ眺めていては何も分かりません。
まずはアクセスログを見る目的を整理し、その目的の達成基準となる目標数値を整理する必要があります。
この目標数値を整理することにより、アクセスログを見たときに、数字の良し悪しが判断できるようになります。
見方
KPI(目標数値)を整理するための、連携対象のGA4プロパティで計測しているWebサイトのURL、Webサイトの種類、Webサイトの目的、データの利用目的、KPI(目標数値)を表形式で表現しています。
使い方
ダッシュボードをコピーして利用している場合は編集が可能ですので、自社の内容に書き換えます。
アクセスログで現状を把握するために、どこに向かおうとしているのかを具体的にし、現状数値と目標数値のギャップを把握するために利用してください。
運用しているWebサイトによっては、季節要因や曜日要因により、アクセスログに変動が見られます。よくある例として、BtoB向けサイトの場合、平日と比較し、土日祝日はWebサイト流入数が減少する傾向があります。
Webサイトへの集客施策をおこなわない限り、外的要因でしかアクセスログに変化はありません。そのため、Webサイトの目標数値を達成するには、なんらかのアクションを行う必要があります。
実施している施策を整理することで、数値の増減があったときに、何が起因しているか、アクセスログを見るヒントになります。
見方
連携対象のGA4プロパティで計測しているWebサイトに関する施策と、実施時期を整理します。
使い方
ダッシュボードをコピーして利用している場合は編集が可能ですので、自社の内容に書き換えます。アクセスログで効果検証を行うために、何を実施したのか具体的にしてください。
デフォルトではマーケティングカレンダー形式となっていますが、自社で管理しているマーケティング施策の実施状況をすぐに確認できるキャプチャやURLを記載してください。
アクセスログを見る際は、施策実施期間のアクセスログと、その前後期間のアクセスログを比較することで、その施策に効果があったのかを確認することができます。
見方
アクセスログの全体像を把握するための3ブロックである、集客、回遊、成果について、基本的な集計指標とその推移、また各ブロックの傾向を確認するための表を掲載しています。
使い方
例えば集客の場合、ユーザー数やセッションを確認して、Webサイト訪問のボリューム感を把握します。その上でいつユーザーがWebサイトに来てくれているのか、どの流入経路(チャネル)でWebサイトに来てくれているのか、集客に関する全体像を把握することができます。
回遊と成果も同様に、全体 > 日別 > 詳細の順番で各ブロックの全体像を把握します。
見方
サマリー(アクセスログ分析)と同様に、3ブロックである集客、回遊、成果について、日別の集計指標を表示しています。また、各ブロックの詳細を日別の積み上げ棒グラフで表示しています。
使い方
サマリー(アクセスログ分析)では全体に対しての流入経路を確認しましたが、日別サマリーでは日ごと流入経路を確認し、集客に関する日ごとの変化を把握することができます。
回遊と成果も同様に、日別 > 日別詳細 の順で各ブロックの日ごとの変化を把握します。
見方
サマリー(アクセスログ分析)と同様に、3ブロックである集客、回遊、成果について、月別の集計指標を表示しています。また、各ブロックの詳細を月別の積み上げ棒グラフで表示しています。
使い方
日別サマリー(アクセスログ分析)では、日ごとに対しての流入経路を確認しましたが、月別サマリーでは月ごと流入経路を確認し、集客に関する月ごとの変化を把握することができます。
回遊と成果も同様に、月別 > 月別詳細 の順で各ブロックの月ごとの変化を把握します。
日別サマリーと大きな内容の違いはないため、分析する際の数値を見る粒度で使い分けてください。
見方
Webサイトへ訪問したユーザーのデバイス、ユーザータイプ、ブラウザ、性別、地域などの属性情報を、円グラフと表で表現しています。
使い方
Webサイトへ訪問したユーザーがどのような人なのかを確認します。また、特定の属性に偏りはないか、偏りがある場合はその原因を調査し、ユーザーペルソナの再考や、サイト改修の検討に役立てることができます。
見方
前の期間との比較、前年との比較でアクセスログの全体像を把握するための集計指標を表示しています。また、集計指標について、日別での遷移と比較期間における日別での推移を表示しています。
使い方
自身で選択した期間と、比較対象とする期間の集計指標を時系列で比較して確認します。
例えば、特定の指標の集計結果が比較対象とする期間の集計結果より著しく減少していた場合は、日別の折れ線グラフで適切な集計指標を選択し、該当の指標において減少していた期間を特定します。
見方
Webサイトの流入経路である、チャネル別、参照元別のセッション数、キーイベント数などを表形式で表示しています。また、流入経路について、日別のセッション数をヒートマップ形式で表示しています。
ページ上部に流入経路の絞り込みを行うためのフィルタを配置しています。
使い方
Webサイトを訪問したユーザーの流入経路別のセッション数を確認し、流入傾向を把握します。より詳細な流入経路を確認する場合は、ページ上部のフィルタを利用して流入経路を絞り込み、ヒートマップなどで日ごとに偏りがないか確認します。
集計期間中に施策を実施している場合は、想定した流入経路からの流入が増えているか、施策の効果検証をおこないます。
見方
GA4の計測単位であるイベントについて、イベントの発生数(イベント数)と、イベントごとの発生場所、月、日付、時間ごとにイベント発生状況を表示しています。
使い方
施策対象ページのイベント数を確認し、想定しているイベントが発生しているか確認します。想定外のイベントが多く発生している場合は、該当イベントで絞り込みをおこない、どこでそのイベントが多く発生しているのか、また、どの時間帯でよく発生しているのか、そのイベントの背景を考察します。
見方
どのページがWebサイト訪問の入口ページ(ラインディングページ)となっているのか、ランディングページの第1階層~第3階層における流入数と、ランディングページごとの流入数を表示しています。
使い方
階層別やランディングページ別でどの場所がユーザーの集客に貢献しているのかを確認します。サイト集客施策を実施している場合は、ページ上部の流入チャネルやメディアのフィルタを利用し、施策別で絞り込んだ上で、想定したページにユーザーが訪問しているか検証します。
見方
どのページがよく閲覧されているのか、ページの第1階層~第3階層における表示回数と、ページごとの表示回数を示しています。
使い方
階層別やページ別でどのページがよく閲覧されているかを確認します。例えばFAQサイトを運用している場合は、よく閲覧されているカテゴリ(※階層と仮定)とページを確認し、次のFAQコンテンツ制作の検討に役立てることができます。
見方
GA4でキーイベント(旧:コンバージョンイベント)と設定されているイベント名とイベント数、キーイベント発生時の流入経路や、日ごとのキーイベント発生数を表示しています。
使い方
キーイベント発生数を全体と日別で確認し、イベント発生の傾向を把握します。また、イベント発生に貢献しているメディアを確認し、次の集客施策の予算編成やマーケティング施策の見直しに活用します。
見方
Webサイトへ訪問したユーザーのデバイス、地域、性別などの属性情報を掛け合わせて表示しています。
使い方
Webサイトへ訪問したユーザーがどのような人なのか掛け合わせた属性で確認します。
例えば、新規ユーザーはモバイル経由で多いのに対し、既存ユーザーはPC経由が多いことなどが数値から見えたと仮定します。この場合は、モバイルユーザーの流入経路やランディングページを確認し、モバイルユーザーをリピートさせるための施策の検討に役立てることができます。
見方
Webサイトへ訪問する際にユーザーが入力した検索キーワードや、表示されたページ、集計指標の日別遷移などを表示しています。
使い方
SEOに取り組んでいる場合、検索クエリでキーワードを絞り込み、クリック数や、表示されたページを把握することができます。
検索クエリ別の検索パフォーマンスでは、表示回数は多いもののクリック数は少ない(※Site CTR が低い)検索キーワードを発見し、サイト訪問を増やすための検討につなげることができます。
※ダッシュボードに貴社のGoogleアナリティクス4(GA4)アカウントを接続いただきますが、貴社のアクセスログデータはパワー・インタラクティブには共有されませんのでご安心ください。
本コラムでは、Looker Studio版 GA4アクセスログダッシュボードの各チャートの見方と使い方について解説しました。
GA4アクセスログダッシュボードを利用することで、Webサイトの目的や目標数値を整理した上で、Webサイトの現状を把握することができます。
Looker Studio自体の特徴や、本ダッシュボードの利用方法(接続方法)については、下記コラムを参考にしてください。
Googleが提供する無料BIツール「Looker Studio」とは
Looker Studio版 GA4アクセスログダッシュボードの利用方法(接続方法)
当社は、GA4の支援を網羅的におこなっています。GA4の初期設定から、BigQueryを活用した難易度の高い分析用のダッシュボード構築などを幅広く提案可能です。
また、当社ではMAツールとGA4を連携させたマーケティングに特化した設定の支援もおこなっています。興味がある方は、ぜひこちらの「お問い合わせ」からご連絡ください。
マーケティングデータアナリスト
八木 耕祐
Web行動履歴やアプリデータによる顧客行動分析
アナリストとして、50社のアクセスログ分析に携わる。現在は、データ設計、データマート構築などの基盤づくりから、ダッシュボード作成、分析まで、データ活用を極めている。セミナー登壇は50回以上、満足度90%以上のセミナーも多数。
リモートワークになり、海の近くでマリンスポーツをエンジョイ中。
2024.07.25
2024.07.16
2023.01.20